20代UXデザイナーが社内1人目のPdMになって4ヶ月間頑張ってみた
こんにちは!
Hiyamaと申します。
デジちゃいむというサービスを運営しているWASD Inc.(ワスド株式会社)でプロダクトマネージャーをしています。
ワスドには当初UI/UXデザイナーとして入社したのですが、
今年7月にプロダクトマネージャー(PM、PdMとも。以下PMと表記します)を任せて頂き4ヶ月ほど活動してきました。
今回はそのことを踏まえ、
自分のキャリアの中でなぜPMを目指したか
組織にPMを設置したことで何が変わったか
これからしたいこと
をご紹介していきます!
エンジニアからデザイナーへ
私はこれまでエンジニア → デザイナー → PMとキャリアを変えてきており、まずはその経緯からお話させていただきたいと思います!
最初の仕事としては学生時代から受託開発の会社でエンジニアをしており、主にスマートフォン向けアプリのフロントエンド開発を担当していました。
またフロー図やテスト項目の作成など、ドキュメント整備的な仕事も行っていました。
職場には満足しており仲間や上司のことも信頼していたため、居心地は良かったように思います。
しかしここで一度目のキャリアチェンジ、デザイナーへ転向することになります。
理由は一言で言えば「どうやって作るのか(=How)を考える仕事から、何を作るのか(=What)を決める仕事がしたくなったから」でした。
この時の会社は受託開発であるため基本的には顧客が作った要件・デザインをそのままコードに落とし込んで形にし、テストをし、最終的に納品するというスタイルの仕事です。
多重下請けの構造になっていることも多く、顧客と対話の機会を設けられることは稀で、サービスが世の中のどんな問題を解決しようとしているのかというビジネスサイドの狙いについて関われることはほぼなかったように思います(そもそもそういった情報が降りてくることがない)。
そういった中で誰かが決めた製品をそのまま形にするよりは、「何を作るのか」「誰をどうやって助けたい / 喜ばせたいのか」に自分から関わりたいと思うようになっていきました。
さらに、自分は技術そのものがそこまで好きなわけではないことに気づいたのも理由です。
一般にエンジニアというと技術が大好きで、新しい言語、フレームワーク、インフラが次々と出てくることにワクワクする人達、というイメージが強いと思います。
しかしながら私自身はプログラミングを「何か面白いものを作るための道具」と捉えており、技術そのものが大好き、という人間ではないことを徐々に自覚していきました。
以上のような考えからエンジニアからUI/UXデザイナーへ転向し、途中ゲーム会社を経てワスドへ入社するに至ります。
そのあたりの経緯はこちらの記事もご参照ください。
https://note.com/mini_omlet/n/n8fd27e03cc54
デザイナーからPMへ
ワスドに入社してから半年ほどは主力サービスである「デジちゃいむ」の新機能のUIデザインやプロダクト改善に取り組みました。
ワスドは受託ではなく自社のサービスを提供するSaaSであるため、上述の会社での働き方とは大きく違う点だったように思います。
最初はFigmaの使い方を学習する所から始まり少しずつ機能のUIやコンポーネントを作っていきましたが、
徐々に規模の大きい機能群の画面設計や、ロジック側の要件定義も併せて行っていくようになります。
エンジニアだった頃の経験も活きていたかなと思います。
さて、この頃の会社組織に視点を移すと、ビジネスとしての「デジちゃいむ」の普及は順調に進んではいたものの、開発体制はまだまだ模索中といった所で、以下のような体制となっていました。
主にBizメンバー(時にはCEO自ら)へ顧客から要望が伝わる
社内に要望が伝わり、デザイナーがデザインモック作成、エンジニアがそれを参考に機能を実装
機能がイメージと違った場合、作り直す
この体制自体は普通のSaaS企業という感じもしますが、「新機能の企画やプロダクトのグロースに関して明確に責任を持つ人」つまりPMがいないことが、会社・サービスの拡大に伴って徐々に問題として現れるようになっていました。
具体的には
顧客が提案した機能がそのまま伝えられがち。 課題を深掘って、どの方法で解決するのが最善か、という議論が行われにくい
エンジニアにとっては作って壊しての手戻りが多い
プロダクトがどうあるべきか、合意形成が難しい
プロダクトの機能が付け足しされていき整理できず、複雑で難しいUXになっていく
といった現象が起きていました。
このような課題が組織で浮き彫りになっていたのと同時期、私自身もキャリアに対して問題意識を持つようになっていきます。
これまではUI(見た目)をデザインしたり、辻褄の合うロジックで機能を定義するという仕事を行っていたわけですが、この頃にはより大きな企画にあたる部分から意思決定フローに参加してユーザーに大きな価値を提供したいと考えるようになっていました。
そういった課題感をCTOの進木に相談した所、組織と私のニーズが一致し、新たにプロダクトマネージャーというポストを設置する運びとなりました。
私目線では、以前エンジニアからデザイナーになった際の変化はHowからWhatを考える仕事への変化、今度はWhatからWhyを考える仕事に変化したと言えるかも知れません。
組織の変化
私がPMとして活動を開始してから4ヶ月ほど経過し、新規プロダクトの0→1開発、既存プロダクトのグロースの両面で様々な業務を行いました。
その中でワスドでは組織にPMという概念が浸透してきているように思います。
上述した開発体制には以下のような変化がありました。
Bizメンバーが中心になって行っていた顧客への機能開発のヒアリングに、PMも参加する
顧客の課題がどこにあるのか深堀り、どんな提案が最もシンプルに課題を解決できるのか比較検討し仮説を立てる。 (時には機能開発するまでもなくオペレーションやCSで巻き取るべきケースもある)
仮説に基づいて要件定義を行い、デザイナーへデザインを依頼する。 (PM本人がデザイナーなので、自分で作ることも多い)
モックの段階で顧客を巻き込んだ擦り合せを行い、方向性が違う場合は作り直す
上記が済んだ所でエンジニアへ依頼し実装を進める
この体制の変更によって、
顧客から伝わった機能をそのまま採用せず、課題ベースで最適な提案が探せるようになった
エンジニア目線での手戻りが少なくなった
PMが顧客との対話から実装方針までの決定権を持つことによって、プロダクトの方向性に一本の軸を通せるようになった
それにより、UXを整理するための土台ができた
という良い影響がありました。
課題の解決方法を考える、プロダクトの方向性を決める、という部分はこれまで明示的に責任を持つ人がおらず、役員レベルが対応していたり現場メンバーが協力して考えていた部分でした。
しかしそこに明確なポストが置かれて権限委譲が進んだことで、プロダクトの価値の最大化、現場作業の効率化の両面でプラスのインパクトがあったように思います。
裁量を与えてくれた役員の皆さん、協力してくれたエンジニア、デザイナー、Bizの皆さんのおかげですね。
これから目指したいこと
大変有名なプロダクトマネジメントトライアングルという図があります。
出典 : https://ninjinkun.hatenablog.com/entry/the-product-management-triangle-ja
前述の通り私はエンジニア、デザイナーの経験があるため、Tech、UXの領域には強みを持っています。ざっくり言うと三角形の上半分の領域にあたります。
しかし下部のマネタイズ等に関わる部分はまだまだ経験が浅い部分であるため、自分のPMとしてのキャリアにおいてこれから伸ばしていきたい領域と考えています。
ワスドのPMとしてはまだまだ着手できていない仕事も多く、
データ分析に基づいたプロダクト改善
他社サービスとの連携によるUX向上
複数の自社プロダクトを組み合わせたソリューション
後任への引き継ぎ体制の構築
などはまだ道半ばといった所でしょうか。
特に私は主にフロントエンドのエンジニアだったためSQLの知識がなく、データ分析は現状では分析担当者に依頼して賄っている状況です。
PM個人でデータ分析までできた方が取り回しが良くなるのは感じているため、次の最大の課題ですね。
また、これから組織規模が拡大するにつれ、1名しかいないPMが案件を捌ききれずスタックするようになっていくであろうことが分かっているため、引き継ぎ体制の構築も重要です。
PMの新規採用は難しいとよく言われているため社内から人材を育成するのが第一目標と考えており(私もそうでしたし)、どうノウハウを共有して目線を揃えるか考えているところです。
また、(この記事もそのひとつですが)PMとしての社外発信も増やしていきたいと思っています。
PMに必要なスキルは何なのか? ワスドではPMの責任領域をどう定義しているのか? など、まだまだ書きたいことはたくさんありますので、また次回以降の記事ではよろしくお願いします。
今後もワスドのPMとして、デジちゃいむを通じてリアルサイトの接客により大きな価値を提供できるよう頑張ります!
ワスドに興味のある方へ
ワスドでは一緒にプロダクト作りに参加してくれる仲間を募集しています。
是非お気軽にご連絡ください。
ワスドは副業をしているメンバーが多く(プロゲーマーが多いというユニークな特徴があります)、大変働きやすい環境だと思います。
私もダブルワークで漫画家の仕事をしており、「まんがタイムきらら」様にて連載中です。ご興味ありましたらよろしくお願いします……!(ちゃっかり宣伝)
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!