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がん検診のススメ

2019年1月、初期の子宮頸がんで人生初の手術を受けてから、そろそろ3年半になります。先月半ば、予定より半年遅れで子宮がん検査を受けてきました。術後2年までは3か月おきに、3年目からは半年あけて検査をします。本来は昨年末に受けるべきを、色々あってのびのびになっていました。

ここ最近は難病治療に向き合う小1息子のママとしての重圧が加わったせいか、月次サイクルが崩れてしまい、少し不安な症状も出ていました。通常の検査に加え、今回は組織の一部をとる体がん検査もすることになってしまいました。いつもの検査より痛いし、下っ腹の痛みは翌日まで続きました。自業自得(泣)

頭の中では早く受けなくては…と分かってはいても、タイミングを外すと、なんとなく気が進まなくて放置してしまうものです。そんな私の背中をぐっと押す出来事がありました。

友人の死と向き合う

ロビン・リン(享年45歳)。22年前に南アフリカで出会った友人です。台湾生まれの彼女は、幼少期から中学時代まで日本で育ち、中国語と日本語、そして英語の完璧なトライリンガルでした。当時私が勤務していたプレトリアの日本大使館の同僚の方から紹介されたロビンは、私より2歳年下で、初対面から意気投合して妹のような存在になり、休日にはちょくちょく会ってお茶したり、バーベキューをして親交を深めていました。私が日本へ帰国してからも、彼女が仕事で来日すると、束の間の再会を楽しんでいましたが、私の生活環境ががらりと変わった10年ちょっと前ぐらいから連絡が途絶えていました。それでも、彼女とはきっとまたいつか、必ず会えると信じていたから。。。

知らせは不意にやってきました。日本がゴールデンウィークに入るちょっと前のこと。共通の友人から久しぶりの連絡がこんなにも悲しいお知らせなんて、、、しばらく受け止めることが出来ずにいました。

ロビンのfacebookのプロフィール写真は、新国立競技場でTOKYO2020のスタッフ証を首から下げて、にっこりと満足そうに微笑んでいます。南ア代表チームか日本の受入れ会社のスタッフになって、数ヶ月前までは生き生きと働いていたんだね、、、なのに、、、
もう貴女に会うことが出来ないなんて、信じられないよ

その後の知らせで、ロビンは4月初めに出張先のケープタウンの病院で胃がんと宣告され、肺と脊髄に転移が認められ、治療開始したばかりの自宅療養中に容体が急変して、告知されてから1ヶ月ともたずに旅立ってしまったことが分かりました。やるせないよ、ロビン

5/7 ロビンの告別式にオンラインで参列

訃報を受けてから10日ぐらい経って、彼女の告別式がありました。大切な家族を失ったご家族の心境を思うと居た堪れないですが、ロビンが一生懸命に生きた日々を思い起こしながら… 自分に何ができるかを考えた答えのひとつが、「遅らせてしまった、子宮がん検診を受けよう」ということでした。

姉の闘病

私にはもう一つ不安がありました。子宮がん検査は定期的に受けていましたが、乳がん検査は3年近く受けていませんでした。コロナ禍での集団検査に何となく抵抗を感じたのと、個別検査を予約しようと思ったら受診券の有効期限が過ぎていたことが重なったためです。こっちはもっとやばいし、怖い

2歳年上の姉に、乳がんが見つかったのは2年近く前のことでした。普通の検査では見つけにくいという散在性の乳がんで、分かった時には既にリンパ節に転移があり、手術の前に抗がん剤治療を8クールして癌を小さくしてからの全摘手術となりました。

三姉妹の長女として、姉はいつでも母や妹達の支えとなり、25年前に父が肝細胞がんで亡くなってからは、自分に何があっても私達を支える役目を見事に果たしていました。でも、今回は違いました。「ごめんね~。癌だった~。」と、私達に謝る姉に、頼りっぱなしだった私には返す言葉がみつかりませんでした。

そんな姉の身体を蝕んでいる奴らをどうにか追い払って、やっと姉と出かけられるようになったのは、つい最近のことです。これからは姉ともっと一緒に出掛けてカフェ巡りしたり、ニュージーランドに住んでいる妹とも合流して、母と4人で旅がしたいなぁ。あぁ生きてるってなんて素晴らしいこと!

2002年初夏、姉の結婚式にて

やっぱり、、乳がん検診も受けなくては、、と決心をして、婦人科の主治医に事情を話し、女性科へ乳腺疾患の再診として受診予約をとってもらうことになりました。忘れていたのですが、数年前に乳腺にあった「のう胞」でエコー検査を受けていたようです(汗)

今の自分にできること

世の中、何が起こるかわかりません。どんなに注意していてもコロナにかかることだってあります。海の向こうでは戦争が起きていたり、海の向こうから何かが飛んできたり、地震や噴火もあったり、自分の力ではどうにもできないことばかりです。それでも、何とか自身の心の安定を保っていくにはどうしたらいいのでしょうか。

とりあえず、テレビ(映像)を見るのはやめにしました。ニュースは朝のラジオで聴くだけに留めると、少し楽になりました。

勿論、人の生死に係わる衝撃的なニュースも耳にするので、動揺することもあります。そんな時はどうにか落ち着こうと、心地よい音楽を聴きながら折り紙を折ってみたり、何十年かぶりに友人へお手紙を書いてみたりして気を紛らわせています。とにかく、あまり考えないことがいいようです(笑)

居心地の良いカフェにて折り紙ちう。

早朝はクラシック、息子を寝かせてからの時間はシャンソンやジャズ、レゲエ、沖縄音楽などなど、納戸から引っ張り出してきたマイCDコレクションを聴いて心穏やかに過ごすように努めています。家に篭ることは極力控えて、毎日10,000歩を目標に歩きます。

Shiawase (幸せ) by Seizo Suzuki 
佐倉草ぶえの丘バラ園にて

古代ギリシアの医学者・ヒポクラテスさんも仰る通り、歩くことは人間にとって最良の薬です。歩いて五感を刺激することで、様々な感動や意欲が生まれてきます。一人で歩くのもいいですが、好きな人と旅をして歩くのはもっと楽しいです。

父と母
二人の最後の旅先、沖縄にて

「今日という日は二度と来ない。」のだから、毎日楽しく過ごせるようにほんの些細なことでも幸せだなぁって思えるように生きていきたいものです。

そう思えば、がん検診なんてへっちゃら。早く見つけたもん勝ちです。医学は着実に進歩してるんですから!みなさん、検診を受けましょうね(^^♪

ロビンへ南アフリカ産ワインで献杯

ロビン、あちらの世界から見守っていて下さい。貴女に逢えて良かったよ。心から、ありがとう。

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