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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」

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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(1)

インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(1)

ネット上に公開されているインゴ・スワンの自伝の翻訳を載せる。量が膨大なのでいつ終わるか分からないが、適当な間隔でボチボチやっていくつもり。

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The Real Story は、連載形式でインターネットおよび WWW に公開される書籍であり、各セグメントを完了するのに必要な時間のため、継続的なセグメントが予定外の間隔で表示される。

この本がこのような形で出版されたのは、

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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(2)

インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(2)

著者による序文

私はこの本を書くつもりはまったくなかったし、以前はやむを得ない理由があって書かなかった。いずれにせよ、いつか深く真剣な関心を持つ他の誰かがリモートビューイング(遠隔透視:RV)に関する本を出版するだろうと私は考えていた。

遠隔透視というテーマは多くの観点から重要であるため、私はそのような本は学術的で、関連するすべての問題を明らかにし、歴史的目的のために活用できるようなものになる

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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(3)

インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(3)

リモートビューイング(遠隔透視:RV)の分野には3つの部門、つまり階層があり、さらにいくつかの非常に微妙な領域がある。「リモートビューイング」と名付けられた現象についての読者の理解を促すために、最初にこの3つの分野を取り上げる必要がある。しかし、後から考えると、これはおそらく別の名前で呼ばれるべきだったろう。

最初の部門は最も人目に付く。それは中央情報局(CIA)によって 1973 年に開始され

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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(4)

インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(4)

バイオマインドの超能力は、種(人類:ホモ・サピエンス)に固有のものであるという観点、つまり私たちの種に完全に発現することができる固有の能力と可能性として、種のレベルで常に存在しているものであるという観点からは見られてこなかった。だがこの文脈において、私たちはリモートビューイング(RV)だけでなく、他のすべての超能力の時代を超越した側面に遭遇する。そして、多かれ少なかれ、従来の宇宙論とその中での人間

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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(5)

インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(5)

私は、バイオマインドという種(人類)の能力が、今後数十年にわたって、他の国の庇護の下で、(もちろん秘密裏に)深い関心のテーマになるだろうと予測することにまったく躊躇しない。必要なのは、そのような研究に関して不寛容で完全に誤った方向に導かれていた20世紀のイデオロギー、つまりすでに廃れつつあるイデオロギー、そしていずれにせよほとんどの非西欧諸国では決してそれほど重要ではなかったイデオロギーを放棄する

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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(6)

インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(6)

インゴ・スワンの「リモートビューイング」に関する予備コメント

この本を書けるのはインゴ・スワンだけである。 彼がそうすることに取り組んだということは、メディアや限られた視点を持つ人々によって物語に注入される歪みに対するフラストレーションに直面した彼の、リモートビューイング(遠隔透視)の理解、そしてリモートビューイングのさらなる完成への献身的な姿勢を示すものである。

この本はまた――本書だけで

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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(7)

インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(7)

第1部:始まり 1919 ~ 1971年第 1 章 私たちが巻き込まれた「状況」

私は、この本をどのように始めるか、そしてこの章を哲学的なテーマ、つまり私たちが巻き込まれた「状況 Circumstasnces」と、そのために私たちがどのような人生を生きるのかという説明から始めるかどうかについて、長い間熟考した。

これは一見してリモートビューイングの話からは遠く離れているように見えるテーマである

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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(8)

インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(8)

さて、私たちは「状況 circumstance」という用語を利用して、あらゆる種類のものをそれに帰することができる。しかし「状況」とは何から構成されているのだろうか。それはそもそも何なのか?

物事の周期を分析する人々は、特定の状況が潮の流れのように満ち引きを繰り返し、何度も繰り返されると説明する。しかし、その場合にも、私たちは状況を自分自身の外側にあるものとして観察できると考えている。つまり、私

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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(9)

インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(9)

第 2 章  グルジア、ティフリス - 1919 年

古い諺に、大事は小事から始まると言われる。これにはかなりの真実が含まれている。私はこれにもう1つの側面を付け加えたい。それは小事が誰に起こるか、そしてそれに対して彼らや他の人が何をするかにかかっているということだ。

1919年、ヨーロッパやアメリカの基準から判断すれば文化的には孤立した場所で、小さな出来事が起きた。 ほぼ同じようなことは世界

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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(10)

インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(10)

ここで私は、注意を向けられないと気づかれないであろう微妙な側面、この物語全体にとって非常に重要な側面を差し挟むことにする。

後年、私はカジンスキーについての分析と、私が利用できる公開文書や機密文書から彼の仕事について知られていることを説明するよう依頼された。

私が観察したことの一つは、物事を「解決」することと「説明」することの間には大きな違いがあるということだ。 物事はさまざまな方法で「説明」

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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(11)

インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(11)

カジンスキー研究への承認に関して、レーニンの署名のある文書は発掘されていない。しかし、かなり有力な情報源は、そのような文書が存在し、レーニンが「我々の偉大な連邦が何らかの利益を得るなら、我々はそれを得るべきだ」と述べて承認したと主張している。

レーニンの承認は、明示的であれ暗黙的であれ、早ければ1920年には行われていたに違いない。そうでなければ、ソ連の階級内部の誰もカジンスキーに注意を払わなか

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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(12)

インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(12)

第 3 章 コロラド州テルリド - 1933 年

人間のバイオマインドの超能力を巡る二十世紀の物語の全体像は、初期のソ連の研究者、特にカジンスキーとヴァスリーエフの自伝によってかなりの部分が解明されるだろう。

そこに何が書かれているのか私には確認できない。これらのソ連の重要人物についての何かが、旧KGBの秘密主義によって見えなくなったか、1989年にソビエト帝国が崩壊したときの政治的混乱の中で

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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(13)

インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(13)

リモートビューイング(遠隔透視)の物語に不可欠な自伝的要素に関して、この世の表と裏の道を熟知している人々からよく尋ねられるいくつかの質問に対し、あらかじめ答えておくことにしたい。

その疑問は、1971 年以降に生じた非常に困難な状況の中で、私がどのようにしてこれほど長い間リモートビューイングの実験を続けることになったのか、そして同時にどのようにして「一般的な通念」に反抗し、新しい概念を導入するこ

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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(14)

インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(14)

私は1933 年 9 月 14 日の午前 2 時 30 分、コロラド州テルライドで生まれた。当時はロッキー山脈の活気に満ちた輝かしい山脈の高地に孤立した小さな町だった。

テルライドには 1880 年頃までほとんど人が住んでおらず、山の金脈で一攫千金を狙う探鉱者と売春婦しかいなかった。金と銀が出なくなった後も、鉛、亜鉛その他の卑金属が鉱山会社によって採掘された。

当時のテルライドは、家族のために

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