図書館は占いの館にもなる。
本屋さんや図書館をぶらぶらしていると、世界って広大だなあ、といつも驚かされる。
図書館での話になってしまうのだが、本にはそのジャンルによって分類番号というものが与えられている。
文学は900番台。日本文学なら900~919、中国文学が920~929、英米文学が930~といった具合に細かく分かれて棚に収まっている。
全部の国の文学作品があるわけじゃないけれど、それだってアジア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニア、世界五大陸全制覇することはできる。すごい。
図書館の分類番号は0から999まである。つまり、999ジャンルもの本があるのだ! それぞれにちゃんと読者がいて、ファンがいて、沼がある。
私が踏み込んだ世界はまだまだ分類の一部に過ぎない。
そう思うと、聳え立つ本棚が未知の世界への扉に見えてくる。
この分類番号は、何を読んだらいいのかわからないとき、あなたを導く占い師になる。
たとえば、あなたの誕生日。
6月18日だとしたら、618番の本を探して読んでみる。
ええと、600番台は農業で、618は「繊維作物」!?
ひとつ選んでみると『日本人のための大麻の教科書』(大麻博物館/著
イースト・プレス)なんてのが出てきた。
えええ、これってタイマですか??? それともアサですか???
タイトルだけでは全然わからない。これは実際に読んでみるしかない。
語呂合わせで探すっていうのも面白いかもしれない。
たとえば、お肉が食べたくてたまらないので29で探してみようか。
290番台は地理、地誌、紀行。
地球の歩き方編集室から出ている『世界の祝祭』なんてのがヒットしたぞ。
祝祭にスポットを当てた妄想旅行! うっわあ、とっても楽しそう!!
コンプリート欲を満たしたいなら、900番台総なめしてみるとか。
日本文学だけだって、20ジャンルもある。
文学論に作家論、短歌に俳句、戯曲もあればエッセイや紀行文、ルポルタージュだってあるのだから、退屈はしないはず。
図書館のいいところは、普段は決して手に取らないような本も気軽に試せるところではないだろうか。
私は図書館の分類番号占いによって、思いがけない出会いを何度もした。
もちろん、ハズレもたくさんあったけれど、それはそれで自分の知らない一面(お、私、こういうの苦手だったんだ)に気付けたのだからラッキーだと思っている。
「あなたはこんな性格をしているのではないかしら」と占い師に言われたら、なんとなくそんな気がしてくるものだけれど、分類番号占いも似た部分がある気がするのだ。
「ふふふ、意外かもしれないけれど、あなたはきっと700番台が好きなはずよ」、みたいに。
さて、700番台のジャンルは何でしょう。
答えはお近くの図書館まで。