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当たり前が変わる時に考えること

卒業シーズンですね。
昨日今日で、卒業・修了式を終えた学生たちからお礼の連絡がきていて、とても嬉しいです。

このような連絡を受けて、自分が祝辞とともに返す頻度が高いなと思ったのが「当たり前が変わるから今まで以上に頑張って!」のようなメッセージです。
今日はこれについて深堀してみようと思います。

●環境が自分に与えてくれていたものを認識する

私もそうだったのですが、環境が影響していたことを、所属やコミュニティから離れて自覚することはとても多いと思います。
それは、いい面も悪い面もです。

いい面で言えば、周りがこんなに頑張っているのだから、自分も頑張れる、と自然に思えていたかもしれません。あるいは、すぐそばに相談できる相手がいるために悩みをため込まなくてもよかったかもしれません。

悪い面で言えば、この環境でしか自分の価値はないと刷り込まれていたり。この仕事は自分にしかできないことなんだと強迫観念を与えるものであったりもしたかもしれません。

良くも悪くも、長年過ごした環境や所属を離れることで、固定概念がリセットされるのだと思います。
完全になくなるわけではなく、変わった所属やコミュニティにいくことで、これまで自分が無意識に享受していた恩恵や、価値観を再認識することになるのだと感じます。

すると、「自分は今までなんでこんなに自分勝手だったのか」と思い知ることになるかもしれませんし、自分の考えとは異なってぶつかっていた人に対して、「自分の見方が間違っていたのではないか」と感じることもあるかもしれません。

環境の変化は、このような自己の価値観の変容を大きく促すことになると思うので、その移り変わりをなんとなくではなく、丸ごと受け止められるような気概でいて欲しいなと思います。

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●環境を作る側の視点で振り返る

また、ここからは大学生へのメッセージが主となると思います。

看板である大学を支えている人がどれくらいいるのか。
その資金面がどのように運営されているのか。
あるいは自身が所属していた部活動はじめ数々のコミュニティが、どれだけの資源の援助のもと活動できていたか、を目の当たりにするのだと思います。

それは、自分らが所属していた時に感じていた支えてもらっている実感とは規模感の異なるものでしょう。

直接目に見えることだけがサポート活動や自分たちがしてもらっていたこと、と捉えていた人も少なくないのだと思います。
しかしながら、そもそもの学生の活動を続けるための組織づくりや制度づくり、資金繰りなどは、自分たちが普段接しない人たちが支えてくれていることが多いことさえもあります。

このような環境をいかに作るのか、より良い活動を円滑にするためにどうすればいいのか、という視点のもと支援し、時間を費やしてくれていた方が大勢います。

ひとたび所属元から離れると、ハッとすることも多いと思います。
その際に、億劫にならずに環境を作ってくれた方にどんなツールでもいいので感謝の意を述べることは忘れずにおこなって欲しいと願っています。

そして、これからは自分が後輩や後進の環境を作る側として、なにができるかを考え、具体的な支援や応援を送って欲しいなと思います。

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●新たな人間関係を築く時に必要な聴く力

最後に。
よく卒業後シーズン、言うなれば入学後から1-2ヶ月の間で相談を受けることが多いのが、こちら。

人間関係がうまく構築できなくて困っている。
うまくこのコミュニティに馴染めずにストレスがたまる。
これまでと環境が異なりすぎて不安が募る。

本記事のタイトルがヒントにもなっているのですが、それまでの自分の中の「当たり前」が通用しないのだから、そう感じるのはむしろ「当たり前」なんじゃないか、ということです。

そもそもこれまでと同じ環境で同じようなコミュニティにいたら、このような新しい悩みは生まれません。
新しい環境に自ら選択して飛び込んで、新しい人と触れ合い、新しい物事に挑戦しているのだから、このような悩みがあるのが当然なのだと思います。

では、それを打開するにはどうすればいいのか。
答えとしては、とにかく「聴く」ことだと思っています。
言い換えるのならば、「積極的に聴く」ことが重要かもしれません。

自分がこれまでやってきたこと、積み上げてきたこと、実績は、前の環境に置いてきたと思って。
この場では新人、初心者、一から歩んでいく人としてリスタートする。

新たな人間関係を作っていく中で、「自分が自分が」と我を出すのではなく、まず周囲を受け止める努力をしてみる。
すると、相手からの興味も自然に持ってもらえるようになり、これまでの経験や実績も役に立つことがあるのかもしれません。

今まで自分がいた、安息の領域から一歩飛び出しているのですから、意欲的に自らが動き、コツコツと積み上げることからはじめてより良い人間関係を作っていって欲しいと思います。

<参照記事>

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今日はここまで。

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●藁科 侑希(わらしな ゆうき)
 大学教員として、教育・研究現場で活動中。また、スポーツ現場でもトレーナーやコーチとして活動。選手や学びたい人にとって、最良のアドバイザーであることをモットーに、肩書きにとらわれない現場目線のサポートを模索中。 #西野亮廣エンタメ研究所 サロンメンバー

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博士(スポーツ医学 筑波大学)
日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
NSCA認定パーソナルトレーナー
高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
中学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
赤十字救急法救急員

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