「動く」と「動かす」を組み合わせる

今日は、第7回大学体育指導者養成研修会*のなかで、筑波大学のバドミントン部の先輩でもある先生の言葉の使い方で、感銘を受けて、以降使ってきている言葉について。

概念が簡潔に言葉に集約されていて、選手も指導者も視野が狭くなっていないか、視点が凝り固まっていないかを問うのに活用できると思っています。

*大学体育 Vol. 43/ No.1(通巻No. 107), pp. 88-89 を参照

●練習メニューが「動く」に偏っていないか

よくこの考え方を振り返るときに自身へ問う質問がこちら。

自分自身がどう動くのか、何を何回するのかだけに焦点を絞っているメニューで終始していないかどうかを確かめること。
これは非常に重要だと思っています。

バドミントンのような、相手がいる「オープンスキル」を用いるスポーツでは、自分がどう「動く」かだけではなく、相手をどう「動かす」かがとても大切です。

そんなのは当たり前だと思うかもしれませんが、メニューを組んだり、練習の内容を考えたりしていると、自分がどう動くのか、を主体に考えてしまうことが往々にしてあるのが現状です。

動く順序や打ち合いのパターンを提示することを前提として、そのストロークの質や種類も指定したり、あえて自由度を残すように指示したり、自分が「どう動くのか」+「相手をどう動かすのか」をメニューひとつひとつで提示する。
このような、練習と試合場面をつなぐような提示方法が求められます。

機械的に、動き方や回数・セット数だけを羅列するのではなくて、「どう実践に活きるような意識に持っていくのか」をメニュー提示の段階でしつらえておくのが望ましいですね。

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●イメージする「相手」を具体的に引き出す

より詳細に考えていくと。

練習の1打ごとで「引き出す」相手のイメージがその練習の質を担保するとも言えるかもしれません。
ノック練習であれば、自分の中の超えたい相手の特徴を思い浮かべること。
パターン練習のような打ち合いの中では、「自分がどう打つか」に意識を置きながらも、「相手にどう打たせるか」を明確にイメージすること。

このような練習の具体性や、自分本位ではない相手目線のイメージを含めた、相対的な意識のやりとりまでを含めて、メニューの提示を想定したいですね。

また、そのようなやりとりをする中で、「相手とどう駆け引きをするか」のバリエーションを自分の中で構築することが、最も試合に活きる戦術練習の基礎になると感じます。

「相手との駆け引きの密度を濃くすること」
「自身の動きの中で相手をどう上回るかを常に意識すること」
「相手からみた自分を俯瞰的に捉えられるように"Play"すること」

これらがとても大切なイメージと概念なのだと思っています。

リアルタイムで、変化していく自分やパートナー、相手選手のフィジカル・メンタル状態を把握しながらも、それを動かす、翻弄するために、必要な視点や視野変動のトレーニングをいかにできるかがとても大切ですね。

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●「動く」「動かす」+「見る」「見られる」

最後に。

先日もnoteで記載しましたが、この「見る」観点をメニューの中で統一してみたり、意識を絞らせるようにすると、練習の質が上がるような気がしています。

この「見る」ことも、主体的な観点と、受動的な観点を併せ持つことが重要だと思っていて。詳しくは先日のnoteにて▲

まとめると、こちら▼

「見た」ものをそのまま自分の身体で再現できるように、動き方を瞬時に変えることができる、これがいわゆる【運動センス】とも言えるかもしれません。
あるいは、この「見る」視点を相手に憑依する形で、自分に構築できるかどうか。
この視点の切り換えと、動きをどうリンクさせるのか、を繰り返しトレーニングできるように誘導することが求められます。

漫然とただ来たシャトルを打ち返すのではなくて。
自分の意識の量がどう「動く/動かす」とどう「見る/見られる」に、どれくらいの割合で配分されるのか。

このような身体性と意識性=「脳」をどう鍛えていくのか、がとても重要だと感じています。

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今日はここまで。

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●藁科 侑希(わらしな ゆうき)
 大学教員として、教育・研究現場で活動中。また、スポーツ現場でもトレーナーやコーチとして活動。選手や学びたい人にとって、最良のアドバイザーであることをモットーに、肩書きにとらわれない現場目線のサポートを模索中。 #西野亮廣エンタメ研究所 サロンメンバー

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【保有資格】

博士(スポーツ医学 筑波大学)
日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
NSCA認定パーソナルトレーナー
高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
中学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
赤十字救急法救急員

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