2022年10月の俳句。
人類葬というものあれば秋の虹
8月にロシアの元ゴルバチョフ大統領が逝きました。
東西冷戦からベルリンの壁の崩壊につながる新しい時代を用意した最大の功労者はゴルバチョフその人です。しかし 国葬になることもなく、プーチン現大統領が葬儀に出席することもありませんでした。ゴルバチョフその人にふさわしいのは国葬ではなく人類葬ではないかという思いが湧いてきました。
今年エリザペス女王が亡くなった時に宮殿に虹がかかったという報道がありました。
人はそこに何か祝福のメッセージを見つけるのかもしれません。それは偶然といってしまえばそれまでですが。
黒鷺の 咆哮一つ 秋の潮
ヘルパーさんと浜通りをあるいているとき 浜の方から すごい声が聞こえて来ました。
まるでちいさな猛獣が吠えているかのようです。でもこの声はこれまでもときおり聞いたことのあるものでした。
黄昏時にそんな声を聞くと 四つ足の獣か吠えているように聞こえるのです。
もしかしたら あれはキョンが鳴いているのかとも思いました。
するとヘルパーさんが「ああ、黒鷺ね。」と言いました。
あの声の主は黒鷺だと初めて知りました。
秋桜の 日差しを割って 風いちじん
秋桜に飽きの日差しが差して 少し汗ばむほどの陽気でした。
するとまるでその暖かな日差しを切り裂くように涼しい突風が吹き込んで来ました。
暖気と寒気が交流しているのが 頃所の天気なのでしょう。
人の字に支柱を立てて オリブの実
内には庭らしい庭がないので駐車スペイスの一画に オリーブの木を植えることにしたのです。
最初は50cmほどの苗でした。値段も安くはなく、オリーブの木は成長が遅いのでこれくらいの値段になるのだそうです。十年ほどかけて 今では人が見上げるほどの高さになり、幹も太く樹木化したわが家のシンボルツリーとなったのです。
しかし問題がありました。西側が塀越しに大きな松の木があるために 日陰になるのか日当たりの良い東側に傾いてくるのです。このままではひっくり返ってしまいそうだというので太い支柱を何本か立てて支えているのです。
瓶差しの 木犀の香や 金と銀
ある方から 庭に咲いた 金木星と銀木星の小枝をいただきました。花瓶に差して玄関に置くとあたり一面 木犀の香りが包まれました。
まさに金と銀のそろいぶみです。
竹山の 竹は箒に 萩の寺
町の郊外にある その古寺は 秋になると萩の花が咲き乱れる。住職が丹精して育てているらしい。裏には竹山があり、その竹を使って 何本も竹箒を作るのだといいます。
それで 境内の庭を掃き清めるのだといいます。
長き夜の 真中に一人 読書会
日なたのごと 小さき林檎を サクサクと
秋になると 林檎の本格的なシーズンとなります。
長野県のシナノスイートや青森県の津軽や富士などが市場に出回ってきます。
しかし最近 日本の林檎がシーズンオフとなる春から夏にかけてニュージーランドから海外産の林檎が入って来るようになりました。
試しにいくつか買ってみました。テニスボールほどの小さな林檎でした。食べると日向くさい 素朴な味です。昔 子供の頃に食べていた
なつかしい林檎の味を思い出しました。
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