夢の彼方
私は確かに痛んでいた
息することもままならない水の中で
色とりどりの現実と
繰り返す痛みは
ただ傷を深くした
傷んだ傷口を抱えたまま
見ず知らずの幸福感を求め
人は彷徨い続けている
夢も現実も
一瞬は切り取られ
意味など何もわからないまま
絡まった糸は
固く結びつけられていく
目に移る物に意味はなく
意味をつけた私がいるだけ
今ここの私も同じ
そして私たちは生きている
演じ続けながら
全て崩れ去るその時まで
それでいて私たちは知っている
崩れ去ることはないことも
どこか深く儚い記憶が
私たちの遠い夢を繋いでいく
はるか時の先で
この夜が明けるその時まで