『ふたりは いっしょ』アーノルド・ローベル

一日のやること、to do listなど作っている人もいると思います。受験生のころ、浪人生のころ、メモ帳に、一日一ページで、英単語、古文単語、英文法、長文読解、漢字、予備校で使っているテキストの復習から自分で買ったテキストで進める予定を書いて、終わったら消す、というのをやっていました。あれ結構達成感あっていいですよね。在宅勤務、テレワークなどで、生活が変わってリストを作っている方もいるかもしれません。夏休みになって、何か成し遂げようとリストを作っている方もいるかもしれません。この間、姪っ子は、iPhoneのメモ帳をそう使っていたらしいのですが、トイレの水をためている後ろのところにポチャンして、かつ、電源までアウト。直してもらえず(まぁ安くないしな)、という愚痴をこぼしていました。私はすぐ夫にラインし、夫が前に使っていたiPhone6をシム差し替えであげていいよと決まり、姉の了解も得て、偶然同じ回線でサクッと差し替えて使えるようになったそうです。よかったよかった。偶然同じ6だったそうで。バッテリーのへたりはすごいと思うぞ。

今回の『ふたりは いっしょ』のはじまりは、『よていひょう』です。でもね、あさおきるとかおねんねは、リストにないと思うよ。そんな予想外の『よていひょう』、予想外の展開になり、なにをすればいいかわからなくなるがまくん。予定は未定、ってやつですね。あぁいったリストの落とし穴はここだなぁとつねづね思います。予想外のことが起きて、予定通りにならなかったとき、あまりにもイライラしたりがっかりしたり、とにかく完璧主義になりすぎるともたないということ。続けること、が大事なので、ゆるゆるーっとしていい、とにかくやってみる、できなければ、量を減らしたりして調整してできることを続けていけばいい。がまくんとかえるくんにはお互いがいて、こんな時いっしょに寄り添っておねんねできて、救われるのかなぁと思いました。
あぁいうリストの、チェックつけるとか上から線で消すとか、そういう作業の時にとにかく気持ちがスーッと晴れますよね。あれ癖になる。私は性格上できないんです。頭で決めて、続けて、やめるのが怖くなるくらい続けることができても、リストにすると破綻するのが受験でよくわかりました。懲りてます。

ふたつめは、『はやく めを だせ』というお話。とにかくもうがまくんの暑苦しいことと言ったら。かえるくんの、ちょっとほっといてやりなよくらいの言葉があまりに適切で返す言葉がありません。なんとなく、猫をもらってきて飼い始めたころの記憶とダブります。ついついかまってしまって、でもかまうとよくないから、少し静かにして別の部屋にいるようにして、と。楽しみで楽しみでしかたないがまくんの気持ちも分かる。早く出てきてほしいという切なる願いも分かる。とにかく暑苦しい。しつこい。読んでいて笑ってしまう。でもそのしつこさをここまで出すからこそ、絵本なんだなぁと思います。素直に生きてる。がまくんとかえるくんシリーズの、大人の都合ではいちゃんちゃん、と終わりにしない、そういうところ、好きです。

みっつめ、『クッキー』。きました、食べ物のお話!このお話、その通りだと思うんです。がまくんが作ったクッキーがおいしくてとまらなくて、ふたりで全部食べそうになる。ここで『いしりょく』が必要になる。工夫をして食べないようにするけれど、最後がまくんはさらっとその『いしりょく』をポイする。このがまくん、ほんとがまくんらしくて大好きです。こういうキャラクターを愛さずにはいられないですよね。
でもがまくん、美味しいクッキーを自分で作れるだけいいじゃないか。作るのも大変なんだよ。同じ味をもう一度再現できないんだよ。あぁ、まぐれじゃなくて同じところに同じようにやるのを意図的にやるというのが大事だっていう言葉が出てきちゃった。シューズの話を書いたからか。脳みそがそっち行ってる。

『こわく ないやい』、こわくないよじゃない、『こわく ないやい』。この時点でいかに怖がりか伝わってくる。それでもお互いが勇敢だと信じたたえあい、怖がりながらも向かっていって、最後しっかり怖がる。これを読んでいると、怖いものに怖いと感じないことが勇敢なんじゃなくて、怖いけれどもやる、というところが勇敢なのかな、と。言ってみて、当たり前だなぁと思うんですが。そこに意味とか意義とかでてくるといかにもでちょうどいいのかもしれません。この二人は特に用もなくあちこちいって頑張ってみただけと言えばそれまでですが。

最後に、『がまくんの ゆめ』。もうとにかくこれはつらい。読んでいてつらい。切ない。誰しも少なくともこのがまくんのような気持ちを持っていると思います。自分のここがすごい、できる、人より勝っている。それを誇示すればするほど、親愛なるかえるくんが小さくなる。それに気づいてがまくん大パニック。このがまくんのように、気づけることが大事ですね、きっと。誇示することは、人間だし、しょうがないのかもしれない。でも、それが何か悪いことにつながっているとわかったとき、完全に失う前に、気づいて、修正できるといい。気づいたところで修正できないものもあるけれど。まぁそれはそれ。

絵本とはいっても、結構なんていうか、人間の業を垣間見るようなものを感じます。がまくんとかえるくんシリーズ、そういうところも含めて大好きです。




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