くらしにとけ込む自家焙煎のお店 町のコーヒー屋さん「amillcoffee」
今回フリーペーパーshu・wa-shu・wa(シュワシュワ)では「コーヒーのまち」と題して周南市にあるこだわりコーヒーロースタリーや地元で長く愛される喫茶店を取材することとなりました。
香ばしいコーヒーの香りに包まれる商店街
私が取材に訪れたのは周南市政所にあるコーヒーロースタリー「amillcoffee」です。
政所商店街の駐車場に車を止め、交差点をわたるころから香ばしいコーヒーの香りに誘われ、少し先にはオシャレな外観が見えてきます。
オープンしたのは令和3年4月、山口県下松市出身の酒井直樹さん・アンナさんご夫婦がお二人で開店されてもうじき1周年を迎えます。
焙煎は直樹さん、抽出はアンナさんがされています。
自家焙煎のコーヒー豆の販売と、ドリップコーヒーやカフェラテなどのテイクアウトもできます。
アミルコーヒーオリジナル「アミルブレンド」
まずはお目当ての「アミルブレンド」をいただきます。
「深煎り」と聞くと苦いのかな?と思ってしまう素人の私なのですが、amillcoffeeのブレンドは甘みと少しの酸味・苦味がどれも程よく、上質なチョコレートを思わせるおいしさでした。
何より飲んだ後もふわっと広がる華やかで甘い香りがクセになりそうです。
コーヒーを飲んだ後はぜひ鼻呼吸をゆっくりとしてみてください。
アロマの香りに幸せな気持ちになれること間違いなしです。
(取材スタッフはあまりのいい香りに思わず「マスクに垂らしたい」と言っておりました)
繊細で上品、爽やかな酸味の「ゲイシャ マイクロロット」
もう一種類、何にしようかと迷っていると希少な「ゲイシャ マイクロロット」を勧めていただきました。
「レモンティーのような爽やかな感じです」
と説明されたとおり、爽やかな酸味とレモンや少しお花のような香りにびっくりです。でもレモンティーとは明らかに違う上品な甘みもあります。
酸味と香りが好きな方にはオススメのコーヒーです。
(※取材時販売中のコーヒー。期間限定になります。)
店頭ではそのとき旬のコーヒー豆が販売されています。
ガラスドーム内のコーヒーの香りをテイスティングしながら、お好みのコーヒーを探すことが出来ます。
政所にお店を構えるまで。深堀りスイッチオン!
直樹さんは東京の自家焙煎珈琲店で焙煎について学び、アンナさんは抽出について学ばれたそうです。お二人共競技会などでの受賞歴も多数。
そんなお二人がどうして東京から地方都市・周南市に?
しかも焙煎するプロとコーヒーを淹れるプロ、ベストマッチなお二人はどこで出会われたの??
がぜん深堀りしたくなってしまいました。
コーヒーにハマったきっかけ 「直樹さんの場合」
まずは「コーヒーにハマったきっかけ」をお聞きしました。
直樹さんは大学卒業後、食品卸の会社に勤務されていました。
会社のコーヒー工場での新人研修で、様々な産地のコーヒーに触れ、そこで初めて苦いだけじゃないコーヒーに出会ったそうです。
研修後は「コーヒー係」となり、毎朝支店長にコーヒーを淹れることに。
それがきっかけで、自分でコーヒー器具を買い漁ったり、焙煎機を購入するなどしてハマっていきました。
東京へ、自家焙煎のお店でコーヒー三昧の日々
コーヒーの奥深さにどっぷりハマった直樹さんは「自己満足ではなくきちんと学びたい」と退職し東京へ。
ずっと働きたいと思っていた自家焙煎珈琲店は当時スタッフ募集をしておらず、それでも採用してもらうため通い詰めたそうです。無事採用が決まり、コーヒーや接客について学び、競技会にも積極的に参加して経験を積んでいかれました。
お二人が出会ったきっかけもコーヒーでした
アンナさんとの出会いはその自家焙煎珈琲店。
同じ店で働きながらもお互い週1出勤だったため、お二人が話すようになったのは働くようになってからなんと1年以上経ってからなんだとか。
競技会の練習を手伝いあったりするようになり親しくなっていきました。
コーヒーにハマったきっかけ 「アンナさんの場合」
アンナさんは学生の頃イタリアンバールでアルバイトをしたことがきっかけでバリスタという職業に惹かれたそうです。
アンナさんも「他のお店でも経験を積みたい」と自家焙煎のお店と掛け持ちで働くようになり、コーヒーについて学びながら、接客も楽しまれていたそう。
そんなお二人が結婚されたのは極自然な流れだったのでしょう。
東京から山口へ、自分たちの「やりたいこと」に向き合って出した結論
「自分のお店を持ちたい」と考えるようになった頃、直樹さんのご家族が病気になり、「もし何かあったときにすぐ駆けつけることができるように」と思いUターンを決意。
それと同時に「故郷である山口県をコーヒーで盛り上げていきたい」という思いも芽生えたそうです。
周南市政所を選んだわけ
山口県内のいろんな地域を見てまわり、この政所の物件に出会いました。「町のコーヒー屋さん」として人々の生活に溶け込む風景が想像できたことが一番の決め手になったんだとか。
今も日々もっとおいしいコーヒーを提供できるよう試行錯誤されています。「おいしいコーヒーを追求することも大事ですが、日々お客さんとの会話を楽しみながら、少しずつ町に根付いていけたら。」と直樹さん。
山口県に戻って、町のコーヒー屋さんになり、お客さんを身近に感じることが喜びや励みになっているそうです。
amillcoffeeの店内は古い土壁を活かした素敵な内装で、落ち着いてコーヒーを味わえる空間になっています。直樹さんはお仕事の合間に腰掛けながら「いいお店だな」としみじみ眺めるのだとか。
取材を終えて
取材を終えた後、開店直後からお客さんが一人、また一人と途切れることなくいらっしゃいました。オープンから間もなく1年、「町のコーヒー屋さん」として人々の生活にすっかり根付いているようです。
おいしいコーヒーを日常で味わうことができる「いい町だな」と私もしみじみ思うのでした。
コロナが落ち着いたらイベント出店やコーヒーセミナーなどもやりたいそうですので、ぜひインスタやHPで情報をチェックしてみてください。
実はこの取材中に急遽「コーヒー教室、ぜひ受けさせてください!」とお願いし、おいしいコーヒーの淹れ方を教えていただきました!
別の記事にまとめていますので、そちらもよかったらご覧ください。
コーヒー教室の記事はこちら。
とても仲の良いお二人のインタビューは笑いの絶えない楽しい時間となりました。ありがとうございました!
店舗情報
amillcoffee
〒746-0012 山口県周南市政所1丁目8−2
営業時間:11:00〜17:00
店休日:木曜日、不定休