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金正恩による究極の焦らしプレイ

■非核化協議中止予告
 北朝鮮は非核化協議中止を予告した。同時に正式な発表は金正恩氏が直接行うとした。だが金正恩氏は数日経過しても発言しない。

■究極のチャーハン完成せず
 北朝鮮は究極のチャーハンを世界に宣伝しながら公開しなかった。核弾頭で世界を脅しておきながら、トランプ大統領の軍事的圧力で非核化に方針転換。これで非核化協議が進められたが第二回米朝首脳会談で失敗。

 北朝鮮としては時間稼ぎが目的だから戦術的には勝利。だがトランプ大統領を怒らせたので戦略的には失敗。双方の譲歩は第二回米朝首脳会談が底だった。だから双方はこれ以上譲歩できない。

■今度は究極の焦らしプレイ
 そうなれば譲歩できない北朝鮮は戦略的に不利。時間稼ぎをしたいが、今後はトランプ大統領が主導権を持つことになる。これに気付いたのか、北朝鮮は非核化協議中止を臭わせた。

 だが今度は、発言間隔が究極のチャーハンとは逆。非核化協議中止を臭わせておいて、金正恩氏の公式発言をしない。非核化中止は北朝鮮には悪夢。何故ならトランプ大統領が怒って経済制裁を強化するか、もしくは北朝鮮攻撃の大義名分にする。

 金正恩氏の発言で運命が決まる。だからこそ公式発言は重要なのだが、今度は究極の焦らしプレイで対抗している様だ。

■噛み合わない世界
 金正恩氏はトランプ大統領に戦争が嫌なら譲歩することを求めている。だがトランプ大統領は、金正恩氏に譲歩を求めている。双方が譲歩を求めるから噛み合わない。だから金正恩氏には戦略的な敗北。

 金正恩氏の一言でトランプ大統領は経済制裁を強化するか軍事的圧力を高める。これだけで緊張は高まり戦争へ近づく。金正恩氏は最後になるまで究極の焦らしプレイが失敗したことに気づかないだろう。

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上岡 龍次(うえおか りゅうじ)
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