2024年度ノーベル平和賞

たぶん、新聞なんかではもう書かれてると思うけど、日本の新聞取ってないわたしは今朝になって、そういえばノーベル平和賞を日本人が受賞したことあったっけ?と思い、調べてみたら、いた。

佐藤栄作。1974年。受賞理由は「非核三原則」。

つまり、今回の被団協の受賞理由と合わせて、日本人の平和賞受賞は、「非核」と切っても切れない関係にあるということ。

これはなかなか意味が重い。

今回の平和賞について、香港「明報」の社説は「ノーベル賞は『うまく逃げた』」と論じている。つまり、ウクライナとロシア、イスラエルとパレスチナ間の戦争が、「核をちらつかせる」ようになり、世界中が平和賞の結果を見つめていたときに、「日本の非核団体」に賞を授けることによって、世界的な力を持つ団体の一つとして「今起こっている戦争への譴責の責任から逃げた」と。

まぁ、そういう言い方はわからないでもないが、今ノーベル財団が紛争地のどちらの側に立ったとしても、紛争が終わるきっかけにはならないことを考えると、ノーベル財団に「世界的智者」の役割を負わせる意味はあるのかな?と。たとえ、どっちの肩を持とうともノーベル賞の今後の歴史を考えるうえで、あまり意味のある策だとは思えない。逆に良い方に転ぶことはありえず、その価値を貶めてしまうことになるはず。

そういう意味で、被団協に賞を贈ることで「核制止」姿勢を打ち出したのは、なかなか良い選考だったのではないかと思われる。ただ、ほかにどんな候補がいたのかは知らないので、その中でベストだったのかどうかなんて、誰も言えないわけで。

そして、個人的にはここで原爆被害者の会である被団協をノーベル平和賞に選ぶことで、暗に、超大国であるアメリカの態度を批判しているようにも見えるといったら、穿ちすぎかしらん?

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