210821 「現代ビジネス」寄稿:急速な「中国化」に窒息する「香港社会」、市民たちの悲痛な現在 国家安全法の施行から1年

2020年6月30日深夜の香港国家安全維持法(以下、国家安全法)施行から1年が経った香港。これまでにもあちこちで書いてきたように、移民が急激に増え、市民が自由に発言できる空間は激減し、人々は戦々恐々と暮らしています。

わずか2年前の香港はもう別世界のようだと、多くの人たちが口にします。

かつてわたしが、いや香港の住民がよく知り、馴染んてきた社会が、もうまったく違う社会になってしまった…それを語るにはもうすでに1本の原稿では書ききれないほどの出来事が起きてしまいました。

その変化からちょうど1年の節目にあたる今年7月1日にはコーズウェイベイで警官襲撃事件が発生。これをきっかけに市内のあちこちで起きた出来事はまるで国家安全法施行後の1年間を象徴するような慌ただしさでした。

8月中旬を過ぎたばかりなのに、今振り返ってもあの1ヶ月間に起きた出来事はもう遠い、と感じられるほど、8月にはさらに多くの事件が起きています。そんな「香港スピード」の息苦しさを少しでも感じていただき、香港の人たちがおかれている現状に思いを寄せていただければ、うれしいです。

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