
日本で出版されたアジア関連書籍の感想。時には映画などの書籍以外の表現方法を取り上げます。わたし自身の中華圏での経験も折り込んでご紹介。2018年までメルマガ「ぶんぶくちゃいな」(…
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#アウンサンスーチー
【読んでみましたアジア本】単純な「軍 vs 民主派」の図式が覆される/タンミンウー・著『ビルマ 危機の本質』(河出書房出版社)
うーん、重い一冊だった。本の重量も、そしてその内容も。
以前ご紹介した、同じ著者の前作『ビルマ・ハイウェイ』も中身の濃い一冊だった。ビルマを中心に東南アジアの成り立ちとその位置関係を歴史的な人的流動(とそれにまつわる文化や言語、民族、そして宗教)をもとに解説した貴重な資料で、ビルマはちょうどそのど真ん中に位置しているというのが著者の説明だった。然り。
そして、本書ではビルマ出身の元国連総長を祖
【読んでみましたアジア本】敬虔な仏教国と伝えられるミャンマーの表と裏:春日孝之『黒魔術が潜む国 ミャンマー政治の舞台裏』
今、世界の注目を刻々と浴びているミャンマー情勢。世界の主要国が国軍によるクーデターに非難を表明し、軍政府側がデモ隊に向けて発砲し、死者まで出ている状況において。すでに軍側には正当性を示すことのできる空間はほぼなくなってしまった。
だが、最初の死者が出るまで、軍の側が昨年の選挙に不正があったして、「正常な政治に戻すために憲法に従って政権を握った」と主張したという点が気になっていた。
というのも、
【読んでみましたアジア本】インドと中国、二大国の間に横たわる「アジア」事情を知る:タンミンウー『ビルマ・ハイウェイ』(白水社)
◎『ビルマ・ハイウェイ:中国とインドをつなぐ十字路』タンミンウー・著/秋元由紀・訳(白水社)
1年ほど前にジャーナリストの舛友雄大さんに紹介されて手にした本。いつも言葉の少ない舛友さんなので具体的に何が書かれているのかの説明は特になかったのだけれど、勉強家でとにかく目の付け所が現地に根ざしている彼ゆえに、尋ねるよりも「とにかく読んでみなければ始まらない」という気分になったのだった。
なぜにビル