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文字通り「お知らせ」です。メルマガやnoteで発表した原稿以外の記事掲載の告知、お薦めのイベント、興味を持っていただけたら嬉しいお話、あるいはわたしのnote上の仕様についてなど…
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#香港

240617 ポリタスTV配信「香港大規模デモから5年 そこに至る過程と香港の現在」

今年の6月9日は奇しくも5年前と同じ日曜日。5年前のこの日、香港では「逃亡犯条例」の改定を巡って100万人を超える市民が反対の声を上げてデモ行進しました。そう、香港の運命を大きく変えるきっかけになった2019年デモの「幕開け」ともいえる大行動が起きた日でした。

5年後のこの日、広島のブックカフェ「ハチドリ舎」で、津田大介さん、そして元朝日新聞記者の宮崎園子さんと香港の話をしました。

宮崎さんと

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240326 【現代ビジネス】寄稿:“ソフトパワー戦争”でも「中国の苦しい立場」が浮き彫りに...東南アジアをかき回した「テイラー・スウィフト争奪戦」

日頃から英語(系)メディアを読んでいる方はさんざん目にしたはずの話題なんですが、日本語メディアにほとんど真剣に取り上げられている様子がなかったので、書きました。たぶん、日本のマスメディアには、記事中の香港議員たちと同じように薄ら笑いして「エンタメ話題」程度としか思われていなかったんだろうな……

実は、テイラー・スウィフトのシンガポール公演がアジアに与えた衝撃はすごかったんですよ。もちろん、その動

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240210 【ダイヤモンド・オンライン】寄稿:「カネ返せ!」メッシの試合欠場に中国人が大激怒、でも香港人は薄ら笑いのワケ

先週日曜日(2月4日)に香港大球場で行なわれた、インテル・マイアミと香港選抜チームとのサッカー親善試合が大騒ぎを引き起こしています。事態はまだまだ動いていますが、昨9日までの最新裏話をまとめました。

なお、本日配信予定のメルマガ「§ 中 国 万 華 鏡 § 之 ぶんぶくちゃいな」では、その後続情報とこの記事には書ききれなかった、この事件で見えてきた香港及びその経済を巡るさらに深刻な事情、そしてそ

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【ぶんぶくちゃいな】『時代の行動者たち』刊行:2019年デモ、香港市民はなぜ、そしてどのように支えたのか

【ぶんぶくちゃいな】『時代の行動者たち』刊行:2019年デモ、香港市民はなぜ、そしてどのように支えたのか

日々、香港のニュースに目をやるごとにやるせなさばかりが先に立つ。

先日も、学齢期の子どもの4人に1人が過去1年間に精神障害による疾患を抱えているという調査報告に激震した。子どもの自殺もここ数年極端に増えており、それはもちろん、直接は彼らの悩みを解決するための手段がないことから来る絶望感によるものなのだが、学校も友だちも家族も、あるいはもっと身近な親戚たちにも相談相手がいないか、あるいは真剣に聞い

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230924 【ダイヤモンド・オンライン】寄稿:香港の観光客が激減…渾身のキャンペーンが「夜のお葬式」になってしまった悲しい理由

230924 【ダイヤモンド・オンライン】寄稿:香港の観光客が激減…渾身のキャンペーンが「夜のお葬式」になってしまった悲しい理由

2019年デモ、そして3年間のコロナ封鎖、さらにはドルレートの変動もあってすっかり風向きが変わってしまった観光業界。香港もまさにその煽りを受けている。

加えて、あれだけ外食や外で騒ぐのが大好きだった香港市民が仕事が終わるとさっさと家に帰るようになってしまい、香港のナイトライフ業界が悲鳴を上げている。

そこに、中国のナイトライフ盛り上がりを引き合いにお尻を叩かれた香港政府が、慌ててナイトライフ振

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230701 【Asia Frontline】出演:「国安法は香港をどう変えたか」

ジャーナリスト舛友雄大さんが案内役を務めるポッドキャスト「Asia Frontline」に出演して、わたしが香港や中国をどう伝えてきたか、そして特に香港の主権返還後、そして国家安全法制定後の様子をお話ししました。

収録は今年GW明けだったので、今年3月に香港を訪れた後の2ヶ月ほど前の見聞が中心です。今の香港を理解するための参考にしていただけるとありがたいです。

アップルポッドキャストやSpot

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230131 【朝日新聞社「論座」・寄稿】:香港の「一国二制度」コモン・ロー主義は中国の大陸法に力ずくで書き換えられてしまうのか?

230131 【朝日新聞社「論座」・寄稿】:香港の「一国二制度」コモン・ロー主義は中国の大陸法に力ずくで書き換えられてしまうのか?

昨年12月に開廷予定だった、「アップルデイリー」(蘋果日報)関係者5人に対する裁判直前に、香港律政司がつきつけた英国人弁護士起用阻止の訴え。結局香港の司法で負けたものの、中国政府に泣きついた結果、「一国二制度」で守られてきたはずの香港司法制度を覆す動きにまで発展しました。

日本ではほとんど詳しい報道がなされておらず、たぶんほとんどの日本人が気づいていないこの、返還以降最大の司法の山場ともいえる事

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230124 【毎日新聞政治プレミア】寄稿: 緊迫する「香港メディア王」裁判 中国が香港政府に与えた絶大な権限

230124 【毎日新聞政治プレミア】寄稿: 緊迫する「香港メディア王」裁判 中国が香港政府に与えた絶大な権限

今年は「香港国家安全維持法」(以下、国家安全法)絡みの大きな裁判が複数控えており、その一つ一つが要注目ですが、意外にこの騒ぎ、日本ではほとんど報道されていないことに残念な思いがあります。

香港人にとって、2019年のデモ以降、社主の黎智英(ジミー・ライ)氏逮捕、「アップルデイリー」の取締り、そして運営停止は、それが好きか嫌いかに関わらず、大きな出来事です。そして、「ポスト2019年デモ」において

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221228 【ダイヤモンド・オンライン】寄稿:香港の親中派が越えられない中国との「壁」、政府と足並みが揃わない理由

今年最後の寄稿となります。

「香港国家安全維持法」(以下、国家安全法)の施行以降、親中派が我が世の春を謳っている香港ですが、ときどき親中派も中国政府、ひいては中国共産党のことをよく分かっていないなぁ…と思わされる場面に出くわします。

というのも、香港で育った香港人の「にわか」親中派は結局、自分が中国政府に近い(たとえば出身業界と中国との関係やビジネス往来)ため、さらに中国政府に従順になっていれ

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221201 【現代ビジネス】寄稿:「ホンコン・イズ・バック」? 国際的な舞台に帰ってきた香港が「すっかり変わってしまった」理由

先月、日本でもあちこちで報道された、韓国で開かれたラグビーセブンズ大会での香港「国歌間違い」事件、その後の経過と、そこに現れる「いまどきの香港(政府)」についてまとめてみました。この事件をきっかけにして、「荒れ狂う親中派」と中国にべったりな香港政府の態度が、これほどまでに顕著に現れようとは…

「ホンコン・イズ・バック」っていったいどこのオハナシよ、という気もしています。詳しくはこちらでどうぞ。

221002 【ダイヤモンド・オンライン寄稿】中国人が27人死亡のバス事故に怒り震えた理由、ゼロコロナ政策が新段階に

221002 【ダイヤモンド・オンライン寄稿】中国人が27人死亡のバス事故に怒り震えた理由、ゼロコロナ政策が新段階に

10月に入りました。こちらは9月にかなり注目すべき動きがあった、中華圏のコロナ対応についての総括記事です。

中国国内では月初めの四川省の実質ロックダウン、そして貴州省での事故以降、民間の「いつまでこれを続けるんだ?」という思いが(口には直接出せないにせよ)強くなっているように感じていますが、実際には9月のうちにばらばらとさまざまな学術界専門家がそれぞれの立場から「コロナゼロ化は不可能」「今の措置

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220918 【現代ビジネス】寄稿:香港の人々の「エリザベス女王への哀悼」に、中国政府が「やけに慌てている」理由

220918 【現代ビジネス】寄稿:香港の人々の「エリザベス女王への哀悼」に、中国政府が「やけに慌てている」理由

中国の人口問題についての記事が出たばかりですが、タイムリーなのでもう1本「現代ビジネス」に掲載していただきました。

主権返還25周年記念以降、日本メディアの香港バナシはほぼ無風状態ですが、エリザベス女王の死が香港に大きな感情の渦を巻き起こしています。メディアには2回の香港訪問の画像や映像が流れ、当時の様子を懐かしむ声が続きました。

さらに英国領事館にはぜひとも弔問したいという市民が長蛇の列に。

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220804 【現代ビジネス】寄稿:香港を揺るがした「3つの事件」、その姿を描いた映画が問いかける「今の香港」

220804 【現代ビジネス】寄稿:香港を揺るがした「3つの事件」、その姿を描いた映画が問いかける「今の香港」

現在日本各地で公開中の香港ドキュメンタリー映画『憂鬱之島 Blue Island』の陳梓桓(チャン・ジーウン)監督にインタビューしました。

パイロット版を見た時、意外な発見とトリック(?)に驚いたのですが、一つ一つに監督自らの丁寧な判断と手配が施されていたことを知りました。

すでにインタビューの全文はすでにnoteにて公開していますが、こちらは読みやすいように映画の背景を紹介しつつ、ポイントを

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220709 【ダイヤモンド・オンライン】寄稿:香港の水上レストラン沈没が示唆?「縁起が悪すぎる」香港新政府の船出

220709 【ダイヤモンド・オンライン】寄稿:香港の水上レストラン沈没が示唆?「縁起が悪すぎる」香港新政府の船出

一体、水上レストラン「ジャンボ」は沈没したのか、していないのか?

香港の主権返還25周年を前に、「古き良き香港」のイメージとともに歴史舞台を退場した、派手派手水上レストラン「ジャンボ」。そのまま歴史の一幕に埋もれていくかと思いきや、水深1000メートルの海に「沈没した」という知らせが届き、再び香港は大騒ぎに。

習近平も香港に来るのに嫌な予感、と思ったら、今度は香港政府の海事処が「ジャンボは沈没

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