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どん底の日々【うつ病2人#6】

冬が近づくと身構えるようになったのは、この年のせいだ。

日々やることを淡々とこなし、地道に生活していた私。
この町で知り合いが圭介だけだということが、徐々に耐えられなくなってきた。

楽しい新婚旅行が終わった次の週くらいからだっただろうか。
日が短くなり、季節が冬へ向かっていくのと比例して、私の気持ちはどんどん落ち込んでいった。いや、正確には体も心もどん底になっていった。

朝起きられない。
家事ができない。
アルバイトに行けない。

とにかく体が重く、気力がなくて一日中寝ているだけの生活。
主治医からも、「今は寝て耐える時期」と言われたので、ひたすらベッドの上で寝て過ごした。

このころから希死念慮も強くなっていった。
「死にたい」と圭介に打ち明けたり、つらくて泣き叫んだりすることも徐々に増えていった。
いい年して、何度か腕に傷をつけたりもした。痛みを感じることでしか生きている実感を得られない。そんな夜も多々あった。

この時期のことを圭介に聞くと、
「毎日死んでるんじゃないかと思ってドキドキしながら帰宅していた。」
と言っていた(後に私も圭介の立場を体験することになるが、当時はどれだけ圭介に負担をかけているか全く自覚していなかった)。

どうしたら抜け出せるかわからない闇の中を、一日、また一日とひたすら耐えながら過ごしていく。
2022年の冬はまさにそんな状態だった。

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