聞言師の出立 第10話(第2章 5)
戻ってきたアクオを連れて巫は小屋の方へ少し戻り、両手を広げた。
「この辺なんだよね。毎日祝詞を唱えてもぽこぽこ出てくるんだ。今度の新月で一気に鎮めようと思ってたんだけど、手伝ってもらえるかい。一つでも少なくなれば助かるよ。悪いけど、大きいのからやってもらえるかな。ぼくは知らないんだけど、やり方は大丈夫だよね?」
「は、はい。大丈夫です」
アクオが辺りを見回すと、確かに岩と岩の間のあちこちに尖ったものが生えていた。指より細く小さい石もあれば、もう少し太く大きな石もある。その