西山朋佳女流三冠
将棋の話です。
成績優秀にて、棋士編入試験5番勝負に挑む西山朋佳女流三冠(五段)。5番勝負で3勝を果たせば日本将棋連盟棋士四段となります。1勝2敗で迎えた第4局に勝利して2勝2敗。最終局に挑むことになりました。第5局は1月のようですが、もし自分だったら1月まで寝られるかどうか・笑。
最終局の相手が柵木幹太四段というのも、柵木四段には大変失礼ながら、西山さん勝てるんでは? という状況がまたなんとも(西山さんが勝っても負けても)皮肉というか運命的。柵木四段も相当なプレッシャーだろう。
西山さんが勝てば、史上初めての女性棋士。(女流棋士はいるが、女性棋士はいままで存在していない)
西山さんが棋士になれば、これまでの女流戦には一切出場できなくなる。いずれにしても茨の道だ。それでも敢えて為すの精神がまた強靭で尊敬する。つまり、西山さんが棋士になることが果たして幸せなのかどうか、分からないからだ。プロ棋士四段となれば、男性棋士に混じってフリークラスから始めることになる。そこで6割五分の勝率を果たしてやっと順位戦(公式戦)のC級2組に配属される。しかし、ここから藤井聡太名人に挑戦できるA級までは4クラスを這い上がらねばならない。
西山は30歳。若いとは言えない。棋士のピークは男性で30代か。女性の西山さんにそのピークを維持できるのか。壮絶な30代を迎えることになるのだ。結婚は可能だろうが、出産や育児などの時間は許されるのかどうか。ということを考えると、女性が棋士になるよりは、女流としてトップに君臨し、解説や普及をしてチヤホヤされるのも一つの幸せとも言える。
そういう華やかな世界よりドロドロした壮絶な、身を削るような男性だけの棋士の世界を西山さんは目指したのだ。
そして、それがあと1局勝てば手に入る。
気になって仕方がない。
西山さんが勝っても負けても涙が出そうだ。どちらを想像してもいまから泣けてくる。