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 元来、人の好き嫌いは激しかったのだが、どうにもこの人だけはイヤだ、という人に会った(遭った)。仕事関係で偶然、一緒に仕事をすることになった。とにかく意見が合わず毎日のように口論をしていた。これ以上は無理だと感じ、その人が去らないなら私が去ることにした。
 その人のなにがそんなにイヤだったのか、まあ生理的にということなのだが、「Integrity」という言葉に出会い、ああ、これかと思った。
 訳すと、「誠実、真摯、高潔」。ビジネスでも最近、必要とされつつある概念である。一時的に騙しても将来的な得にはならない、長く関係を築くために企業にも取り入れるべきビジネスコンセプトである。私自身も、そういう人が好きだ。誠実で、ウソをつかない、物事に真摯で、高潔な、そういう人。たしかに、なかなかいないが、くだんの氏はこれに真逆だった。よくウソをつき、前言を翻し、自分の考えを持たず、他人に厳しく、人に敬意を抱かず、人を見る目がなく、真実も見抜けず、他人をバカにし、陥れ、下品で、欲深く、浅はかで無教養な人だった。うー、すごい! まるでいいところがない。なんの因果かこんな人と一年ほど一緒に仕事をする羽目になったのだ。ほんとうにIntegrityのない人だった。あんな人、なかなかいない。もちろん私以外の人たちもその人が大嫌いだった。ただ、立場的にその人のほうが上だったので、最終的にはその人の意見が通った。しかし、すべて失敗したと言ってよい。人事的なところも、販促的な部分も、コミュニケーションも、人心掌握に関しても。私が去った一年ほどで”その場所”は瓦解した。私にはいろんな到達目標を課したくせに、本人がやってみたら成果ゼロ。。。顧客も離れて行った。そういうマーケティングセンスもゼロだった。外部のコンサルがこう言ってるからとそれを試しては失敗した、まるでロバ売りの親子だ。驕る平氏は久しからず。私が10年かけて築いた”その場所”を潰した。たくさんの罵詈雑言を浴びせたいところだが、感謝しなければいけない部分もまったくなくはないので、武士の情けで言わないでおく。ん? 結構言った? でも、もちろん具体的な名称や名前などは出さないよ。読んでわかる人だけ(20人くらい?)は、ああ、あの人のことね、と気づくだろう。
 
 まあ、終わったことなので、もうどうでもいい。とにかく、これからのビジネスには打算や駆け引き、利己的な戦略は通用しないと思う。米を市場から隠して値上げを画策するようなセコいマーケティングみたいなものはね。そんなビジネスは滅ぶに決まっている。Integrityという概念を、ビジネスに携わる人は勉強したほうがいい。ビジネスに限らず、人としてもね。

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