2023年4月22日から始まった米津玄師ツアー『空想』。それは、少年が描いてきた物語をなぞるような、優しくて切なくて美しい世界だった。 オープニング。会場にオルゴールの深い音色が響く。どこか懐かしいメロディと、儚い音に耳を澄ましながら、私の心は次第に、深い音色と共に落ちていく。 米津玄師の描く『空想』の世界へ。 静寂のなか始まった情熱的な前奏に、私は息を呑んだ。『カムパネルラ』がライブで歌われるのは初めてだ。スクリーンに描かれた銀河鉄道から下車するように、米津さん
【救われることのなかったふたり】 スクリーンが真っ暗になり、米津さんの優しく語りかける声から、エンドロールが始まった。演者の名前が流れていくなか、言葉にならない虚しさだけが残った。 エレナ達は、爆発を最小限に抑えられたが、筧まりかの復讐は彼女自身を救うことも、山崎拓を救うことにもならなかった。奪われたふたりの未来は二度と戻ってこない。 そんな絶望を、米津さんは叫ぶように歌った。 【消えないものはどこにもなかった】 ふたりが奪われた消えないもの。それは彼女達のあたりまえ
『REDOUT』とは、 身体の上部に強い力が加わり、 血液が脳に集中することによって 視界が赤く見える現象のことをいう。 このレッドアウト現象と、 MVに出てくる赤い目のうさぎを 掛けているとしたならば、 うさぎは米津さん自身なのだろうか。 なぜならうさぎはその長い耳で、 全方向の音を集めることができるからだ。 チェンソーのエンジン音、女性の笑い声、鳥の鳴き声‥ 米津さんはこれまで、 日常生活におけるあらゆる音を曲に組み入れ、 ひとつの音楽として成立させてきた。 音楽家
(前編↓)https://note.com/wanon08/n/n131883188942 『KICK BACK』が終わり、 ツアータイトル『空想』についての話しがあった。 「自分はよく、空想妄想する子どもだった。漫画や映画の美しい世界に生きていたら、どんなふうだろって考えていたら、生活にまでその考えが侵食していた。あの角を曲がったら映画で見た美しい世界があるんじゃないか、ここから何処かに行けば、自分が追い求めていたものがあると思っていた。」(神戸2日目) 「子どもの頃
大阪公演二日目のライブについての感想です。 HYPEが中止になってから二年半のあいだ、 米津さんはMVのなかで大笑いし、 キメ顔で夜空に飛んでいき、 どっぷりラブソングを歌ったかと思えば落語家になり、 オレンジの髪とワンピース姿で踊っていた。 変わり続ける米津さんの姿は驚きの連続だった。 それに比べて私はというと、 ただただ何の変哲もない毎日を繰り返していた。 楽しかったはずの思い出や記憶が曖昧なのは、 いつもコロナが怖くて 不安が付きまとっていたからだろう。 誰かと一
パルファムの感想です。 スタッフさんにお尋ねしたところ、アロマストーンに原液を落として、約1時間後くらいの香りを嗅ぎました。 『Lemon』 "レモンの爽やかさとほろ苦さが、部屋をやさしく包み込んでゆきます"(公式サイトより) レモンを半分に割った断面が想像できる、ジューシーな果実の香りと皮の苦味が合わさった、瑞々しいレモン果汁の香り。 おもいっきり吸いこんで、「爽やか~ジューシー!!」と、リフレッシュできました。(香水が苦手な方でも大丈夫だと思います) 『Flam
先日、Twitterで、 「米津さんの曲の中で、どの歌詞のどこの部分が 好きですか?」とツイートしたら、 たくさんの方々が教えてくださいました。 https://twitter.com/Wanon10141872/status/1355512641184100353?s=20 みなさんが教えてくださった歌詞を こちらでまとめました。 リプ数の多い順から載せています。 Part1 https://lineblog.me/aine08/archive
Part1を読んでくださり、ありがとうございました。 https://lineblog.me/aine08/archives/2614835.html 5番目に多かった曲は、 『サンタマリア』『眼福』『Undercover』 で、それぞれ同じ数のリプライをいただきました。 『サンタマリア』 “様々な幸せを砕いて 祈り疲れ 漸くあなたに会えたのだから” “全て正しいさ
先日、Twitterで、 「米津玄師さんの曲の中で、どんな歌詞が好きですか?」とツイートしたら、たくさんの方々が教えてくださいました。ありがとうこざいます。 https://twitter.com/Wanon10141872/status/1355512641184100353?s=20 おひとりのなかでも、複数お答えいただいていることもありました。(ひとつに絞り切れないんですよね、米津さんの歌詞は本当にどれも素敵すぎて…) みなさんが選んだ歌詞を見て、「私もこの歌詞が
3ヶ月、ずっとずっと楽しみにしていた新曲『感電』が昨夜配信になった。テレビから流れるよりも、イヤホンで聴く音楽は最高にかっこよくて、お茶目で、きゅんと切なくなる。 米津玄師の曲はかっこよくて力強いくせに、必ずと言っていいほど優しさや切なさや儚さを忍ばせている。それはわざとというよりは、米津さんそのもの、米津さんの人間性そのものなんだなぁって思う。 だから、米津さんのどんなテイストの音楽も、急にふっと泣きたくなるような瞬間がある。 REISSUE公式サイトのコメントで、「自
8月5日に発売される米津玄師のアルバム『STRAY SHEEP 』のパッケージや特典などが、先日、公開された。 アルバムジャケットや特典ファイルのイラストなど、至るところに宝石のオパールを思わせる絵が描かれている。CD のディスク表面にもそれらの模様が散りばめられている。初めて見た時、「まるで宝石箱のように美しいアルバムだなあ」と感じた。 2019年に行われたツアー『脊椎がオパールになる頃』が、今回のアルバムと共に映像化される。そのため、今回のアルバムにこのようなたくさんの美
https://reissuerecords.net/diary/%e9%9a%99%e9%96%93/ 深夜に起きて眠れなくなると、よくこのブログをよむ。 眠れない原因は、日中のさまざまな刺激だったりする。 人から言われたひとことがずっとひっかかり頭から離れないことがある。 SNSという場は、「私はここにいます」と表明し、「あなたはちゃんといるね」と認めてもらえる。そういう場であると私は思っているのだけど、 そう表明することを、他人から否定されたような気がして、今日