コミック版世界の伝記ギャラリー「ショパン」
ポプラ社の「コミック版世界の伝記」シリーズは2011年から描かせていただいています。どんなシリーズかというと、小学3,4年生向きの学習漫画で世界の歴史上なにかをした人を描いたものです。
2011年 12 ベートーベン
2012年 21 エリザベス女王1世
2013年 26 クレオパトラ
2015年 31 クララ・シューマン
2015年 33 ルイ・ブライユ
2016年 34 マイヤ・プリセツカヤ
2017年 36 エカチェリーナ2世
2018年 40 リンカン
2019年 43 マリア・テレジア
2022年 50 ショパン
最新刊ショパンで10冊目。番号も切りよく50巻目です。
大人でも「名前は知っているけれど、どんな人?」という人はたくさんいますよね。私も依頼を受けるまで「クララ・シューマン???」でした。
年齢関係なく初めてその人を知りたい!というすべての人に向けてのつもりで描いてます。もちろん小学生向きなので使えない表現や漢字があるため、大人には少し読みにくいかもしれませんし、すでに専門知識を持っている人向きではないことを最初にお知らせしておきます。おわかりでしょうけど、念のため、ね。
10冊描いたことだし、このあたりでまとめておきたいなあと思いこのページを作りました。作品のカバーイラストを始め、発掘したネームや下描きの一部など置いてみたいと思います。
フリデリク・ショパン…19世紀ポーランド出身の音楽家。知名度はかなり高いでしょうね。でも決めつけてはいけません。2021年にショパンコンクールが行われたばかりですが、テレビもネットも見ない人やクラシックに興味のない人は「?」かもしれないんですから。(私がサッカーやゴルフに興味がないように)
そこで表紙。まずピアノを描く。これでピアニストとはわかるだろう。
ピアニストの命、手を見せたかったため、顔が少し小さくなってしまうけど帯で隠れない位置に手がくる構図にしました。
背景は花を入れて華やかにしたい。イメージ的な花だと少女漫画的過ぎてしまうかもしれない。世界の伝記は全小学生&大人に手に取っていただきたい。なので花がふんだんに飾られたサロンにしました。実際ショパンは花をとても好んでいたそうです。
ショパンの顔はかなり難儀しました。
ちなみにカバーのショパンはパリで活躍していた23、4才くらいのイメージです。
主人公なのでいわゆるきれいな顔が望ましいのだけれど、私は実在したその人っぽさをどこかに入れたいと思っています。
ショパンの場合はやせ型で目が大きく、おでこは広く、口は小さめ。そして鼻は顔に対して大き目の鷲鼻。主人公なので鼻は控えめな大きさにしましたが、くせのないすらっとした細い小さな鼻にならないようにしました。
少年時代はそのあたりは考えずに可愛らしさを重視です。
大人ショパンの顔はもうちょっと巾を狭く描いたら編集さんに「もう、もう少し巾広くして!」と言われ、少しふっくらさせました。頬はこけさせないでと言われていたし、それは子供への配慮らしいのです。怖く見えるから。ブライユの時も言われました。リンカンのようなごつい顔ならOKだったので、キャラによる、ということでしょう。
カバーイラストの楽譜はショパン自筆譜を元に描いてるのでなんの曲かよく見ればわかるはず……。
表紙のことはこのくらいで終わりにして、次回はネームやらを掘ってみようと思います。小話漫画も予定しています。
順次ほかの世界の伝記も掲載していく予定です。
では、また。
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