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東京大学「ボーカロイド音楽論」講義の読書備忘録

東京大学「ボーカロイド音楽論」講義を読んだのでその備忘録。

まず最初に思うのが大学の講義こんなに面白いのかってことです。
大学時代教養の授業はいかに楽して単位を取るか以外何も考えていませんでした。タイムマシンがあったら説教しに行きたい気持ちでいっぱいです。
何の心配もせず学べるということはなんて贅沢なんだろうと。
もし今お金の心配が無くなったら、大学に入りなおしたいなって思います。学力的な意味で東京大学に行くのは現実的ではないのですが。。。

次に思うのはギリギリ間に合ったということです。この本が出版されたのは2022年7月、私が最初に読んだのが2023年7月。5年後に読んでいたら今ほどの感動はなかったかもしれません。このnoteを読んで興味を持ってくれた人がいましたら今すぐ読んでください。
別段ボーカロイドについて知らなくても大丈夫です。現に私はこの本に出てくる曲ほぼ知らなかったです。
私がニコ厨だったのはβ時代から大学卒業する2010年までで、その後10数年の進化の知識は全くありませんでした。
その頃は映像は静止画1枚でコメントの方が主役だったな。。。

私はボーカロイドについてかなり好意的です。私はボカロ&ニコニコ動画は革命だったと考えています。
歌を世に送り出すには、歌を作る力、歌う力、アピールする力、音楽業界に見つけてもらえる力等々全て必要だったのに、作ることさえできれば誰でも全世界に向けて発信できるようになった。
埋もれるしかなかった才能たちに日が当たったわけです。こればボカロPだけでなく、歌い手や、動画やMVを作る才能もそうです。
そしてボカロは歌を進化させたと私は考えます。ボカロが育てた歌を人に逆輸入したものが「YOASOBI」だと私は考えています。YOASOBIがビルボードで1位になったことは、なんとも痛快だと思いませんか?
これぞデジタルトランスフォーメーションと言っていいのでは?

前置きが長くなりました。ここから本の話ですがこの本についてアウトプットするのは今の私には難しすぎるので心に響いた部分をピックアップしていきます。ここから支離滅裂な文章になります。

第1部 アンチ・セクシャルの時代
テーマ批判とは作品の細部から、作家自身も気づいていなかったかもしれないテーマを抽出し、作品の価値を読み替えていくこと。なお批判は作者の意図を正解として当てに行くものではない。
通念を自明のものとせず、自分の頭で疑ってみる。そして再解釈をしていこう。
人は中学生になると厨二病を発症する生き物である。その理由の一つに思春期になると後から性欲がやってくるというのがあげられる。私の中に性欲という他者が突然現れ、その他者は人類の代行者であり、つまり私は人類の1パーツに過ぎないという想像力を突き付けてくる。

第2部 2020年代のジェンダー/セクシュアリティ論
ボカロは誰もが性別によって阻害されないカルチャーである。
何かしら劣っている部分があれば、優れている部分もあるはずという総量一定論は人を苦しめてしまうことがある。なぜなら自分には何もプラスと言える部分がないのに、明確なマイナスがあると自分を否定してしまう人が出てきてしまうから。
総量一定論は善意によって語られることも多い言論ではあるが、ある特徴を他の特徴とトレードオフのように言ってしまうことであり、特徴同士を因果付けてしまうという誤解を生む可能性がある。それによりマイナー属性を持つ人がさらに追い打ちをかけるように疎外感を与えかねない。
左利きは以前精神病とされた。今では受け入れられている。セクシャルマイノリティも同様精神病とされていた。今まさに受け入れられている途中。発達障害は現在病気とされている。病気とラベリングすることで庇護するという意味合いもある。だが左利きやセクシャルマイノリティのように当然の多様性の一部として受け入れられていく未来は一つの理想形。
セクマイ当事者が負荷を抱えていることに対してシンパシーを持って、見方をする人をアライという。みんなアライになってほしいが、「イキりアライ」にはならないでほしい。イキりアライとは相手に言語化を強いる人。
若者の死因1位は自殺であるが、若者の自殺の中には社会による他殺が多く含まれている。

第3部 あらかじめ思い出だったすべての声のために
表象は相対概念である。
意味を学習することで新しく得られる体感がある。
録音物をかけることを英語では「プレイ」日本語では「再生」と言う。一度死んだ失われた時間を蘇らせる。我々は一度死んだ時間に取り囲まれていて、それを蘇生するという儀式を、あまりにカジュアルに、日常に執り行っている。

本を読んでインプットを行ったら必ずアウトプットをしようと思い立ちnoteに書くことを決めたのですが、2冊目にして大きな挫折です。
何一つ魅力や面白さを伝えられてない悲しみに打ちひしがれてます。
私が全く理解できてないのでしょう。これからこの本を何度も読み私の血肉としていきたいです。

最後まで読んでくれてありがとうございます。

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