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令和7年度 神戸大学法学部3年次編入合格体験記
はじめまして。令和7年度神戸大学法学部編入試験に合格をいただいた甲殻類と申します。
私は高校3年生のときに編入の存在を知り、以後編入受験まで独学で勉強してきました。これまで諸先生・先輩方が執筆されたブログやTwitterでの情報に非常に助けられたため、私もnoteを書いて今後の受験生に何かお役に立てたらと思いここに合格体験記として書かせていただこうと思います。
1. この記事について
ここでは何がこの記事に書かれているか、書かれていないかを簡単に説明します。
書かれていること
執筆者の自己紹介
高校~編入受験までの記録
軽い参考書の紹介
書かれていないこと
編入合格後の記録(ここではあくまで合格までの記録を書いています)
2. プロフィール
編入前の学歴:関西の私立大学法学部(偏差値は50後半) 専門は政治学系
出身:関西
出願時のTOEIC:845
出願時のGPA:2.5~3.0のどこか
出願した大学:神戸大学法学部
合格した大学:同上
勉強を始めた時期:大学2回生の春
予備校などのサービス:独学、外部の添削や編入サークルには加入せず
3. 合格までの記録
高校~大学合格まで
高校では文系クラスで、3年生のときに編入試験の存在を認知。大学受験では関関同立・産近甲龍の法学部を受験し、そのうちの一校に進学しました。ただ大学に入る前から「いずれは編入にチャレンジしたい」と思っていました。
大学1年次
大学では政治学をメインに学びました。編入についての意識はそこまで高くなく、TOEICの単語帳を購入したのにもかかわらず1ヶ月で放置するなど怠惰な生活を送っていました。とはいえ春・秋の両方とも実定法科目を履修するなど、大学では法学に関する勉強は欠かさないようにしていました。しかし、家では編入についてこれといった学習もせず、時間を浪費。編入試験まで1年を切った1回生の11月頃からなんとなく「来年自分は編入試験を受けるんだから、そろそろ勉強しなければ」という意識が芽生え始めていましたが、特に勉強しないままでした。
1回生の期末試験は2月に終わり、そろそろ編入の勉強を始めようと情報を集め始めます。とはいえ、色々あって3月が終わるまで編入の勉強を優先できず、本格的な勉強を開始したのは2回生の4月からになります。
1年次冬~2年次春学期
4月になり、出願する大学を神戸大学法学部に1本化することを決めます。また、出願が8月が迫ってきているため何をやらなければならないか明確化する必要があると思い、以下の方針を立てました。
編入で有利になるTOEIC800点を7月までに取る
編入法学について早いうちに参考書を揃え、勉強を開始する
予備校については、神大1校しか受けないので落ちたときに予備校代が無駄になるのが怖かったこと、金銭的に通うのが難しい可能性があったことから予備校には通わないことにしました。予備校の是非については、別のところで触れたいと思います。
TOEICは参考書を揃えて勉強を開始。同時に編入法学について勉強を始めるため、テキストや入門書を購入して読み進めました。夏休みが始まる8月まではTOEIC対策が7割、法学対策が3割ぐらいの時間配分で勉強を進めました。
TOEIC初受験は5月下旬で、700点代前半という結果に終わります。まだまだ低い点数ですが、800点台突破も夢ではないところまで来た!と思いながら更にTOEIC対策に力を入れました。7月に2回TOEICを受験することを決めると、5月末~7月上旬は少しでも時間があればTOEIC対策を行い、法学は余力のある日や大学での講義の間のスキマ時間にやるような感じで勉強を進めました。ただ、神大対策の要となった基本書の『ウォーミングアップ法学』や『法学入門』、N先生の編入法学テキストはTOEIC対策の間にもしっかり頭に入れるよう心がけていました。
TOEIC対策に多くの時間を割けたのは、大学で政治学や法学の授業を取っていたことが大きかったと思います。
8月になって夏休みになり、TOEICの結果が判明。2回目に受けたTOEICは800点代前半、3回目に受けたTOEICは845点と英語の面では困らないスコアが取れました。
8月前半~お盆までは、今までTOEIC対策に時間を回していたせいで十分勉強できていなかった編入法学を一通り勉強しようと思い、
N先生の編入法学テキスト
民法総則ストゥディア
日評ベーシック 憲法
法学入門
ウォーミングアップ法学
ファーストトラック民法・刑法
等の入門書を読み、大まかな内容を頭に入れました。また、これまでさほどやってこなかった一般教養科目対策をスタートし、政治学に関する教科書や新書、その他様々な社会問題に関する本を読むようになります。
お盆明けからはいよいよインプットだけではなくアウトプットも取り入れた勉強を開始。N先生の模擬問題100問を回し、編入法学における問題の型、答案の書き方などを身に着けました。お盆明け~9月下旬くらいまでは毎日4~5問くらい模擬問題の答案を書き、その合間に編入法学・一般教養用の本を読むという生活を送りました。
9月に入ると、過去問を入手して出題内容を大まかに把握。ただ、過去問演習は大幅に遅れて9月中旬ごろからゆっくり進めるという大きなミスをしてしまいました。正直9月末ぐらいになると答案を書くのに疲れてしまい、過去問をやる気がなくなっていました。
ただし過去問を見ながら自分ならどのように答案を書くか、どのような知識が求められるか検討する事はよくやっていたと思います。
2年次秋学期授業開始~受験まで
夏休みが明けて10月に入るといよいよ編入受験日まで1ヶ月。流石に焦りを感じて過去問演習や参考書の復習を進めました。ただ持っていた過去問(15年分くらい)を全部やることはなく、せいぜい7年くらい解いただけで受験を迎えました。
受験当日は8時過ぎに六甲道駅に到着し、バスで神大へ。受験会場はまだ開かれておらず、先客1人とちょっと張り切りすぎた(?)ようです。
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会場は8時半ぐらいに開場され、指定された席に座って持ってきた参考書を眺めていました。試験については、法学概論ではちょうど試験日から5日前に対策していた物権的請求権や不法行為などが出題されたためかなり自信のある答案を書き、一般教養では体感では人並みぐらいの答案を書きました。
試験が終わってから合格発表までの47日間は常に合否が頭によぎり、人生で経験したことのないくらい時間が過ぎるのが遅く感じながら生活していました。
4. 感想
2回生の4月時点でTOEIC未経験、編入対策ゼロという立ち位置からかなり焦りながら勉強してきたというのが感想です。受験勉強中は「もっと早い段階でなぜ編入の勉強を始めなかったのか」と何度も思うことがありました。これを読んでいる編入受験生の方で「編入の勉強なんて半年ちょっとでも間に合うのか」と思われた方もいるかもしれませんが、短期間で編入対策するのはかなり難しいです。
自分が短期間で神戸大法学部編入試験に合格出来たのは、大学で政治学や法学の一部を学んでおり0から自力で法学・政治学を学ぶ必要がなかったこと、また大学受験期に英語のリーディング力が身につきTOEICに活かせたことが大きいと思います。
神戸法の編入を志望している人でまだTOEICを受けたことがない人は、今すぐTOEICの対策本を買って勉強を始めましょう。また、次学期の授業登録では無理しない範囲で出来るだけ多くの法学・政治学の授業を取ることをオススメします。
5. 勉強法
TOEIC(LR)
私は編入試験でTOEIC(Listening&Reading)のスコアを利用したため、TOEIC(LR)の対策について触れたいと思います。神戸大法学部編入では、基本的にTOEIC800以上からが有利になると言われていますが、私は800を超えて850まで目指す勢いで勉強していました。
まず学習の軸になったサービスがabceedです。abceedとは月額3000円台の料金を払って英語学習が出来るサービスで、TOEIC対策に有効です。
abceedでは、TOEICの模擬試験を受けることが出来たり、多くの参考書を無制限に読むことが出来たり、TOEICの問題パート別に様々な参考書からAIが自動で問題を選んで出題してくれたりと、まぁ色んな事ができます。特に重要なのがスマホやPCでもTOEICの対策が出来るところ。TOEICの重い参考書を毎日持ち歩き、通学途中の満員電車で開いて勉強するのは嫌ですよね?abceedのサブスクに入っていれば、どこでもリスニングの音声を聞いたり模擬問題を解いたり参考書を見たりとTOEICの勉強が出来ます。編入でTOEICが必要になるという方には絶対にサブスク登録してほしいです。
次に参考書類。私からはオールマイティーに使える3冊を紹介したいと思います。
1冊目は金のフレーズ。
言わずと知れたTOEIC単語帳の名著。500点レベル、730点レベル、860点レベル…というようにレベル別に頻出単語が分けられており、これらを完璧にすればTOEICで出てくる単語はマスター出来ます。TOEICの勉強はまず金フレの単語を抑えるところから始めてください。
2冊目はでる1000です。
TOEICのリーディング部門では、重量級のパート7に出来るだけ時間を割きたいためパート5・6はスラスラ解けるようにしたいのですが、でる1000を何回も回せばパート5・6は難なくクリア出来るようになります。1000問もあるので分厚いですが、出先ではabceedの参考書読み放題機能で解くなどしてコツコツ進めるようにしたいところ。
ただし、掲載されている英文法は高校英語レベルのものがほとんどであり、高校英語が怪しい人は本書をやる前に初級者向けの英文法テキストをやることをおすすめします。
(読んだことないのですが、中身が良さそうなのでリンク貼っておきます)
3冊目は、TOEIC公式問題集です。
TOEICは英検と異なり過去問が公表されないのですが、その代わりに本番と同じレベルの問題で構成された公式問題集が発売されています。まずは公式問題集を本番と同じ時間配分で解き、間違った箇所を復習したりリスニング音声をシャドーイングしたりしてTOEICの問題に慣れるようにしましょう。
大事なのは答えを暗記するのではなく、TOEIC独特の問題形式に慣れることです。特に採点する際は自分はどうやってその答えを出したのか、間違っていたのであれば自分の思考はどこが誤りだったのか意識することがポイント。
法学概論
神戸大法学部の編入試験では、午前中に法学概論の論述試験、午後に一般教養の論述試験があります。
法学概論では、主として法学部1~2年次修了レベルの法学の基礎知識が問われます。神戸大学の法学概論では、法学部法律学科でバリバリ勉強している学生並みの深い法的知識を要求してくるのではなく、法学部で支障なく授業を理解することが出来るレベルの法学の基礎知識が要求されます。ですので憲・民・刑法の基礎的な知識も必要なのですが、法学の一般常識(概念法学と自由法学、法源の優劣、法適用のルールなど)に関する知識をしっかりと抑えておくことが重要になります。
この点について一つ例を挙げると、数年前の法学概論では「最大判昭和48年12月12日 民集27-11-1536」のような判例表記を読み、どこの裁判所が出した判決なのか、当該判例が掲載されている書物の名前は何なのか…などについて答える問題が出題されました。受験生が法学部で学ぶための基礎的な能力を備えているかどうかがダイレクトに問われた問題だったと言えます。
法学についての基礎知識を身につけることが出来るインプット用教材は次の3冊になります。
・法学入門
戦後に立命館の総長を務められた末川博先生による名著。初版は1960年代という古い書籍ながら、2010年代まで複数の研究者によって内容が更新されています。本書では法学の学問的な位置づけや法の歴史、法学における一般常識や憲・民・刑法などの基礎知識が丁寧に解説されており、法学概論対策に最適。私は編入対策を開始してから受験まで常に本書を読み込み、内容を頭に入れるように心がけていました。
・ウォーミングアップ法学
本書は大東文化大学法学部の先生方によって執筆されたもので、同大学の1年次教育で使用されているようです。中身は法学部での学びのベースとなる基礎知識が詰め込まれており、本書を読むことで法学の一般常識から憲・民・刑法の入門レベルの知識を身につけることが出来ます。憲・民・刑法パートは入門レベルといっても分量が多く、入試で十分に使えるほどの内容です。私は法学入門とともに受験まで何度も読み返していました。
・編入法学テキスト
こちらは長年法学部の編入受験生を指導されているN先生による法学テキストです。このテキストでは編入法学の要所が簡潔にまとめられており、神戸大学法学部の編入に必要な知識は全て揃っています。有料noteということで躊躇される方もいるかもしれませんが、神戸大受験生の方は購入されることを強くオススメします。
・憲・民・刑のテキスト
以上の3つの教材で法学の一般常識に加えて憲・民・刑法の入門レベルの知識を身につけることが出来るのですが、憲・民・刑法をより深く理解するために以下のテキストを使用しました。
通読したのは日評ベーシックの憲法2冊とストゥディアの民法総則です。神戸大学法学部において、過去問を見ていると民法や刑法の入門的な知識を問う問題はあるものの、憲法に関する出題は少なく近年民法分野の出題が相次いでいたことから「そろそろ憲法が問われるのではないか」と思い憲法対策をしていました。そもそも憲法が出題されなくとも、最高法規たる憲法の内容を理解しておくことは法学部編入で役に立つと思います。
民法総則を通読した理由は神戸大学法学部でよく出題されるテーマが民法総則関連だったからです。民法総則ストゥディアは平易な解説で法律学科生でない私でもわかりやすく良い教材でした。
憲法と民法総則以外の教材は、神戸大学の過去問を見て出題されやすい分野(例えば刑法の無銭飲食を巡る法解釈や民法の不法行為など)を確認した上でその分野に関連するページを見ておくというように辞書的に使用し、通読はしませんでした。
アウトプット用の教材は神戸大学過去問およびN先生作成の模擬問題を利用しました。
神戸大学の過去問は3年分は公式HPで公開されているものの、一般教養の問題は著作権の問題で開示されていなかったりするので予備校やフリマサイトで入手するのが基本です。だいたい過去問は法学・一般教養ともに10年分くらいを回し、出題傾向を掴めば良いと思います。答案例についてはN先生が有料で公開されており、こちらを利用しました。
また、過去問以外のアウトプット用教材としてはN先生作成の模擬問題を解きました。
こちらは上述したテキストに対応した内容になっているので、テキストの内容をちゃんと理解して自分の言葉で説明できるか確認することが出来ます。
一般教養
一般教養の問題は社会科学に関連した内容の課題文を読んで3つ程度の設問に答える形式です。
神戸大学の一般教養問題を大きく分けると、課題文の内容をしっかり理解できているか試す読解ベースの問題と、受験生の社会科学に関する知識を試す知識ベースの問題があります。読解ベースの問題ではアカデミックな文章を理解する能力があれば合格ラインに達することは容易ですが、知識ベースの問題ではその分野に関する知識がなければ答えることすら出来ないか的外れな論述をしてしまう可能性が高くなってしまい、しっかりと対策する必要があります。
基本的には一般教養対策は読解力と論述力を上げると同時に、社会科学に関する多くの知識を身に着けてどんな問題が出ようが設問に対して的外れな論述をしないことが肝要になります。
一般教養分野では政治学、経済学、文学、歴史学など様々な分野から出題されますが、特に知識ベースの問題では政治学の知識が要求される可能性が高いです。
政治学関連でオススメする本を挙げると、
政治学[補訂版]* (政治学教科書の定番。やや情報が古いが、必要な知識が網羅されていて政治学の考え方を身につけることができる)
国際政治学をつかむ[第3版]*(国際政治学の入門書として最適。国際関係史から国際関係理論、現代の国際政治上の問題など非常に分かりやすく解説されている)
国際紛争[原書第10版](多くの大学で採用されている国際政治学の教科書。ハーバード大でも使用しているらしい。国際政治学の考え方や現在の国際政治上の課題が分かる)
国際政治*(著名な日本の国際政治学者である高坂正堯の代表作。上の『国際紛争』を読む前にこの本を読むのがオススメ)
現代政治理論[新版補訂版](2023年改訂。リベラリズムやデモクラシーといった現代政治の重要な概念を理解するのに最適。やや難しいため、2年生以降時間があれば読むのが良)
戦後政治史 第四版*(終戦から第二期安倍政権までの日本の戦後政治史を概観した新書。読みやすい)
戦後日本外交史(日本の外交史について解説されたテキスト。やや分量が多いが、過去に戦後日本外交について論述する問題が出たため、大学で外交史の授業を取っていなければこの本を読んでおくのがおすすめ)
日本の統治構造: 官僚内閣制から議院内閣制へ *(戦後日本の官僚制について述べられた新書)
用語集 政治・経済[清水書院]*(高校生レベルから公務員試験出題レベルまでの用語が集められており、復習も兼ねて確認しておきたい)
*をつけたものは特に読んでおきたい本になります。この他にも積極的に社会科学に関するアカデミックな本を読んだり、新聞を読んだりしてください。また、大学で政治学系の授業を取ることもオススメします(そもそも政治学の対策は大学で政治学系の授業を取ることが一番手っ取り早く、理解も深まると思っています)。
政治学以外の分野に関する本でオススメなものもいくつか紹介します。
・小論文の完全ネタ本改訂版 社会科学系編
本書は入試で小論文を課される大学を受ける高校生向けに書かれたネタ本で、現代社会の課題を中心に様々なテーマが載っています。アカデミックな本というよりは受験生向けの参考書なので内容は薄く広くといった感じですが、一般教養の試験で的外れな論述を避けて及第点がつく論述を書くためにもこうしたネタ本で色々な分野の知識を得ておくことは重要です。
・高校現代社会・世界史・日本史の教科書・参考書
高校で使用した現代社会・世界史・日本史の教科書や参考書も役立ちます。世界史・日本史については全部学習する必要はなく、世界史であれば欧米を中心とする国際関係史や宗教と政治の関係の歴史、日本史であれば明治維新後の国家の歩みといったように、出題されそうなテーマに集中して復習するのが良いでしょう。
現代社会については倫理分野と政経分野の両方を復習できれば良いと思います。ちなみに神戸大学においてはあまり経済学関連の出題はないものの、出題されてもおかしくないので高校政経レベルの知識は抑えておきましょう。私が読んだ経済学関連の入門書で良いと思ったのは『高校生のための経済学入門 』です。込み入った説明はないものの、経済学の概観を掴める新書でした。
その他のオススメ本は次の通りです(*マークは是非とも読んで欲しい本)。
よくわかる法哲学・法思想*(法哲学の議論や現代社会の問題について、わかりやすく解説してくれている。ネタ本としても◯)
あぶない法哲学*(有名大学の編入試験における課題文に指定され、編入界隈で一躍有名になった新書。平易な文章で法哲学の議論をしっかり抑えている)
教養としてのロースクール小論文 上*・下(編入界隈では長い間親しまれている本。現代社会の課題をめぐって、法科大学院未修コースの試験問題を軸に筆者の解説が展開されている)
人口減少と社会保障 - 孤立と縮小を乗り越える(著者は元厚生官僚で、日本の社会保障についての現状と課題について述べられている。福祉や社会保障に関する話題は編入試験でも出題される可能性が高い。本書は記述が単調すぎる気も)
法社会学 第3版(法社会学についての概観と、日本の司法制度に関する記述で構成されている入門書)
ここで挙げたのはあくまで一例です。興味のある本は積極的に読み、理解を深めて欲しいと思います。
アウトプットの練習については、まず『社会人入試の小論文[改訂版]』という本を読み、書き方を理解したうえで過去問で練習するのが良いと思います。
過去問はだいたい10年くらい回せば良いと思います。また、可能であれば外部の人に添削をしてもらうことをオススメします。
7. 学習スケジュール
特に独学勢は受験までどのようにスケジュールを立てたら良いのか悩まれる方も多いと思います。ここでは独学勢で大学2年の春から急いで受験勉強をしていた私自身の反省を踏まえて、神戸大学法学部編入受験の理想的なスケジュールについて書きたいと思います。ここで述べているのはあくまで個人的な意見なので、鵜呑みにしないようにお願いします。予備校勢は専門知識が豊富な先生方からアドバイスを貰っていると思うので、あまり読まなくていいかもしれません。
まず1年次の冬(入学年の翌年の2月ぐらいまで)までにはTOEICの勉強を始めておくのが理想。TOEICは英検や共通テストなどとは異なる独特の雰囲気があるので、何度か受けて慣れるためにも早いうちから勉強しておくのが望ましいです。
神戸法を受験するうえでTOEIC800点以上を取っていることは強力な安心材料になるため、800点に達していない場合は出願に間に合う最後のテスト実施日まで諦めずにTOEICを受け続けてほしいと思っています。気を付けてほしいのは、TOEICのスコアシートはテスト実施日から約1ヶ月の間をおいて郵送されるということ。2024年時点では、神戸大学法学部の編入受験にTOEICを提出する場合は必ずスコアシートを出願の際に送らなければならないため、スコアシートが届く日が出願に間に合うかどうかよく確認しておいてください。
TOEICで800点以上が取れたら撤退し(よほど時間があったり自信がある場合を除く)、法学概論・一般教養対策に時間を回したほうが得策です。
法学概論や一般教養の対策については、TOEICと並行して1年次の冬ぐらいから入門書を読み始めるのがオススメです。TOEICのスコアが低いのであれば、2年の6月くらいまではTOEICを重点的に対策するかたちでも良いと思います。
法学概論では夏休みまでにはウォーミングアップ法学や法学入門といった基本書の内容を頭に入れ、夏休み前くらいからインプットに加えて法学概論のアウトプット演習を徐々に始めていくのが理想かなと思います。
一般教養は対策すべき範囲が広いですが、新書やテキストを空き時間に積極的に読む、新聞を毎日読む、社会科学に関連する授業を受けるなどしてインプットを少しずつ進めておきたいところ。
過去問については2年次の春までには入手しておくと良いと思います。入手方法についてはフリマサイトで購入したり予備校から入手したりするのが定番でしょう。過去問を入手したらどのような分野から出題されているか軽く確認しておくのがおすすめ。
2年次の7月頃には各種の英語試験が終了するので、夏休みからは時間をフルに活用して法学概論・一般教養の対策に力を入れてください。インプットはもちろん、アウトプットも精力的にやってほしいと思います。私は夏休み中は毎日4~5題の論述をこなしつつ、残りの時間は色々な書籍を読んで内容を理解することを心がけていました。過去問演習は夏休みぐらいから本格化する人が多いと思われます。
8. 最後に
長文でしたがここまでお読みいただきありがとうございました。編入受験生の方々の合格を心よりお祈り申し上げます。答案の添削などはやっていませんが、質問やご相談はTwitterのDM、または質問箱で受け付けております。
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編入受験では参考書代やTOEIC受験料など何かとお金がかかりますが、ここではPayPayや現金に交換出来るポイントが溜まるアプリをご紹介。
TikTok lite
TikTok liteを入れたことがない方限定になりますが、このリンクからDL後アカウントを作成し、10日間連続ログインで5000円分のえらべるpayが貰えます。私自身も5000円を貰って有料noteを買う時の足しにしました。