90冊目『わたしの美しい庭』

マンションの屋上にある小さな神社。悪縁を断ち切ってくれる「縁切り神社」である。さまざまな気持ちをもった人たちが、この「縁切り神社」へと訪れる。そんな話。

凪良ゆうさんの小説は初めて読んだ。『流浪の月』も読みたいなーと思いながら、手を出せていない。瀬尾まいこさんの『そしてバントは渡された』も結局買ったのに読んでないんだよなー。いい作品だと注目されるほど、なんだか身構えてしまう自分がいるのかな。

今回の『わたしの美しい庭』で、凪良ゆうさんは人の感情をとても丁寧に描写する人なんだなと感じた。その感情は時に怒りだったり、絶望の淵に落ちるような悲しみだったりするんだけれそ、その描写が読みやすく伝わりやすくて、すんなりと登場人物の想いを受け入れることができた。

作品の中から、「普通って一体なんなんだ。」とか「誰かのする余計なお節介」についても考えさせられた。その人にはその人にしか分からない悩みや苦しみがある。自分にできるのはそれを分かった気になることや、勝手に決めつけることじゃなくて、いい意味で何も感じないことなんだろうか。中庸であるということができたら、どれほどいいんだろうか。

出来事に対して、まだまだ過剰に反応しすぎてしまう、上手に反応することのできない自分。これからは、もう少しフラットに、自分の言葉と自分の気持ちを大事にしていけたらいいな。


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