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指導力のある学級担任がやっているたったひとつのこと

タイトルを見て、たった一つのことがスッと書いてあって、それがあるとしたら一体どんなことなのかなと読む前に考えてみた。
ご機嫌でいることかな、関係性を大切にすることかな、授業規律かなとか、でもそうやって考えていけばいくほど、それをするためには一つのことじゃできないだろうし、まるっと大きく括ったら意図的計画的に学級経営を行なっているってことなんじゃないかなと考えを落ち着けて、読み始めた。

開いて4ページ目に、指導力のあるが学級担任がやっているたったひとつのことが書かれていた。

指導力のある教師は、その指導効果を上げるために、子どもを育てるための指導環境を整えていました。つまりよい学級を作っていたということです。

P004

ああ、やっぱり学級づくりということだったんだなと。
で、じゃあよい学級をつくるためにどのようなことをしているのかってことが、このあと分厚く書かれていく。
この本の素敵なのは、よくある「エビンデス私」の学級経営本と異なり、学術的に研究されたデータをたくさん引用しながら、そこに筆者の考え方を紐付けるように書かれている部分だと思う。
勘・経験・気合いの3Kの学級経営ではなくて「これまでの研究において、研究されたフィールドの中では、ここまで明らかにされていますよ」ということが客観的に述べられることは大事だと思うし、これらを大事にしていくからこそ学級経営で必要な要素が具体的に考えていけるのではないだろうか。

まず注目されているのは、教師の役割として「ひきあげる」機能と「養う」機能があるということ。
「ひきあげる」機能とは、社会が要請する課題に応じて児童生徒の技術や知識といった資源を成長させる機能のこと
であり、
「養う」機能とは、児童生徒個々人がもつ資源、性格特性や気持ち・要求といった心情に配慮する、あるいは学級内に情緒的人間関係を形成・維持する機能のこと
である。

この「ひきあげる」と「養う」を軸としながら、
第1章 「指導力のある教師のシンプルな指導の原理」
第2章 「子どもを引きつけ信頼される教師のスキル」
第3章 うまくいっているクラスの子どもが身に付けていること
と進んでいく。

「ひきあげる」機能、「養う」機能と聞いて、学校生活のどのような場面やどのような関わりを思い浮かべるかも人によって大きく異なるように思う。
こうした本を足掛かりにしながら、学校全体で学級経営において、児童生徒指導において大切にしたい指針を定めていけるといいんじゃないかと感じた。

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