2024年Q1決算から見るテイクアンドギブニーズの課題
こんにちは、8月10日(木)のアフターマーケットでテイクアンドギブニーズのQ1決算が発表されました。
売上高は11,088万円(前年同期比-3.7%)
営業利益は949百万円(前年同期比-40.3%)
1株当たり純利益は31.76円(前年同期255.36)
という結果でした。
同時に第二四半期の業績予想を上方修正し
売上高21,300百万円(前回予想21,000百万円)
営業利益1,100百万円(前回予想900百万円)
とQ2に業績が上がるよというお知らせを出しました。
数字よりも気になることがいくつかあります。
今回の決算で良かった点は、外部ホテルへの運営受託が想定より伸びていること。トランクホテルの宿泊利用が好調に推移していることです。
ホテルの宿泊料金単価は年々伸びており7万円/一泊を超えました。稼働率も92.7%とかなり高いです。単価が高いのは外国人比率を91.2%と高く保てているからでしょう。また、直接予約比率も高いのはとても良い傾向です。
9月にはいよいよトランクホテル代々木がオープンしますのでさらなる売上増が期待できます。
トランクホテルの強みは超一等地に出店していないことだと思います。
通常ラグジュアリーホテルは超一等地に出店しますがトランクホテルは渋谷でも少し外れた場所に出店し、それをオシャレだと打ち出しています。これは単純に土地の安いところに出店しつつオシャレを打ち出し単価が高く取れるためビジネスとしては有利です。ただ人々を魅了し続けないと成り立たないモデルのためなかなか多くの企業が真似できるやり方ではありません。
課題はメイン事業の国内ウェディング
今回婚礼単価が増えてきたと発表されていましたが婚礼件数が減ってきました。これは同社の質が悪いとかではなく単純に人口が減ってきている国でウェデイング事業は大きく拡大しないからだと思います。
テイクアンドギブニーズの婚礼ビジネスは人口減との戦いです。今度単価は上がることはあるかもしれませんが、取り扱い婚礼件数が前年比50%増というような跳ね上がりは期待できないかと思います。
ホテルは時間がかかる
そこで伸ばしていきたいのが海外観光客をターゲットにしたホテル事業ですが、このビジネスは時間がかかります。
1等地〜2等地のレベルの土地を探して数年かけて企画建設してやっと年商数十億円の事業が立ち上がるイメージです。
まとめ
テイクアンドギブニーズはメイン事業が人口現象のリスクにさらされながらも海外の富裕層をターゲットにホテル事業を拡大させようとしています。
ADRの上昇には限界があり、事業の拡大のためにはホテルの出店が鍵ですがホテルはそんなにぽんぽん作れるものではありません。
テイクアンドギブニーズは人口減少、出店までの時間、外国人だよりの成長戦略がリスクとして残るでしょう。