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【トレイル紹介】Fitz Roy ぼったくり入園料を回避する方法
アルゼンチンのトレイル Fitz Roy(フィッツ・ロイ)の解説です。
情報は2025年2月時点のものです。
基本データ
所在:アルゼンチン、サンタ・クルス州(パタゴニア)
距離:約32km (19.9mi)
日数:日帰り〜4日
累積標高:約1316m
最高点:1170m (Lag de los Tres)
スタート:El Chalten
ゴール:El Chalten
パーミット:不要
事前予約:要
ワイルドキャンピング:不可
最重要ポイント:高額な国立公園入場料、流動的なルールの変化
歩いた日
2024年1月14日〜1月16日(2泊3日)
モデルコース
Day.1
El Chalten - Laguna Torre - De Agostini⛺️Day.2
Laguna Torre - Laguna Madre - Poincenot (Laguna Suciaまで往復)⛺️Day.3
Poincenot - Laguna de los Tres - Poincenot - Laguna Capri - El Chalten
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ベストシーズン
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パタゴニアの夏に当たる、12月〜3月がベストシーズンです。フィッツ・ロイはハイカー以外の観光客にも人気のスポットなので、混雑は必至です。5月〜9月の平均気温は氷点下で、積雪もあるため冬山装備が必要です。
アクセス
①首都ブエノスアイレス〜エル・カラファテ
⚫︎飛行機
1日に複数便あり。所要時間3時間30分。約10,000円〜。
⚫︎バス
乗り継ぎ含め2日以上かかります。金額も飛行機の方が安いです。
②エル・カラファテ〜エル・チャルテン
⚫︎バス
・MARGA TAQSAの他、Chalten Travel等複数社が運行。
・所要時間約3時間。ARS38,000(約5,410円)。
・他社も料金はほぼ同額。2024/1/14のバスターミナル掲示板の画像を貼っておきます。
・リオ・ガジェゴスのターミナルで、カラファテ行きのバスとこの区間のチケットを合 わせて購入すると、2割引になりました。日時を指定しないで購入することも可能です。
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(2024/1/14 エルチャルテンバスターミナルの掲示板)
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宿泊地
ワイルドキャンピング
不可。
フィッツ・ロイのあるロス・グラシアレス国立公園内では、指定地以外でのキャンプは禁止されています。
指定キャンプサイト
フィッツ・ロイ周辺には、Laguna Capri・Poincenot・De Agostiniの3つのキャンプサイトがあります。いずれも以前は無料で利用できましたが、2024年後半から1人1泊ARS15,000(約2,140円)かかるようになりました。
下記サイトから事前予約、オンライン決済も可能です。
事前予約無しでも、キャンプ場は利用可能で、満杯になることも無さそうでした。
料金の設定はごく最近されたようで、ハイカーへの周知はまだ十分になされていないようでした。各キャンプ場にはレンジャーが常駐しており、到着するとキャンプ場が最近有料になった旨を説明されました。支払いは現金のみですが、十分な現金を持っていない場合は、メールアドレスを記載し、後日送られてくるリンクからオンラインで決済ができる措置が取られていました。
キャンプ場には、最近新しくなったトイレがあるのみで、水場などの設備はありません。水は近くの沢や湖から取ることになるため、浄水器は必須です。
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山小屋
無し
ルート状況
標識・マーカー
全体的にトレイルはよく整備されており、明瞭です。分岐には標識があります。
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渡渉
靴を脱ぐ必要のある渡渉は無し。多くの沢では橋が架けられています。
危険箇所
Laguna Torre、Laguna de los Tresへのトレイルでは特に無し
Laguna Suciaへのトレイルは、ガレ場のトラバースや、倒木や石を伝って渡る渡渉あり
水場
沢や湖から取水可能
キャンプサイトにも水場の設備は無く、近くの沢から取水することになるので浄水器は必須
パーミット
パーミットは不要ですが、国立公園の入場料が必要で、これが論争の的となっています。
以前は、フィッツロイは無料で歩けましたが、2024年月から入場料が導入され、その金額はARS45,000(約6,586円)です。これは国立公園の入場料としてはかなり高額です。以前は無料だったのに、急に導入された高額な入場料に対し、旅行者やハイカーからは多くの反発があり、欧米の掲示板やブログでは入場料の支払いを回避する方法について、議論や紹介がなされています。ちなみにこれは外国人料金で、アルゼンチン国民はARS15,000(約2,195円)です。
高額な入場料を回避する方法
前提として、訪問者はその土地の定めるルールに従う必要があると思います。しかし、この入場料は世界平均から考えても高額であり、外国人に対してのみ設定されたものです。この収益が、自然保護やトレイルの整備に利用されているのかについても疑問があります。自信を持って推奨するものではありませんが、入場料を支払わずに歩く方法について紹介しておきます。
入場料の徴収ポイント
フィッツ・ロイ周辺には次の3ヶ所の徴収ポイントがあります。
①Los Cóndores Gate
②Base Fitz Roy Gate
③Río Eléctrico Gate
各ゲートでは係員がおり、入場料はカードでも支払えるようになっています。
ほとんどのハイカーや観光客はLaguna de los Tresを目指し、この時に利用するのが②Base Fitz Roy Gateです。
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方法①:早朝にゲートを抜ける
ゲートに係員がいるのは朝8時頃〜なので、それ以前に行けば素通りすることができます。フィッツ・ロイの朝焼けを目的に日帰りで行く人は、3時〜4時頃に出発すると思うので、必然的にゲートオープン前に通過することになります。帰りにゲートを通過する際には、チケットを確認されることはほぼ無さそうですが、確実ではありません。
方法②:ゲート付近の別のトレイルヘッドから入る
Base Fitz Roy Gateのすぐ南側には3ヶ所ほど別のトレイルヘッドがあり、こちらには係員のいる料金徴収ポイントはありません。いずれもトレイルヘッドからしばらく程進んだ先で、Laguna de los Tresへのトレイルと合流できます。
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A:Base Fitz Roy Gate。フィッツ・ロイの最もメジャーなトレイルヘッドで、料金の徴 収ポイントがります。
B:最短でLaguna de los Tresへのトレイルと合流できます。合流ポイントまでの道はMAPS.MEにも載っていません。
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C・D:Laguna Torreトレイルヘッド。Laguna Torreを目指す場合はここから入ることになります。Bよりも遠回りになりますが、こちらからもLaguna de los Tresへのトレイルと合流できます。
地図・ガイドブック
地形図
WORLD’S END『PATAGONIAN SOUTH ICEFIELD』 1:50000
エル・カラファテのPlanet Patagonia、Boutique del Libro、ウシュアイアのWorld's End Souvenirsにて購入可能。ウシュアイアでARS25,000(約3,300円)。
ガイドブック
LONELY PLANET 『TREKKING IN THE PATAGONIAN ANDES』
装備
・フィッツ・ロイの朝焼けを見に行く場合のヘッドライト
ハイライト
Laguna de los Tresからのフィッツ・ロイ
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Laguna Torre
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サイドトリップ
Laguna Sucia
Poincenotから往復2時間。岩場の登り、ガレ場のトラバース、倒木や石を渡る渡渉など、危険箇所あり。Laguna de los Tresと同じように背後にフィッツ・ロイを望める湖ですが、行く人はかなり少ない。
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コースバリエーション
日帰り〜3泊まで様々な組み合わせ可能。
フィッツ・ロイで見られる動物
シカ
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拠点の町エル・チャルテン
エル・カラファテからバスで約3時間。街からトレイルへ直接アクセスできます。カラファテと比べても、宿は高くなります。小さめの商店はありますが大きいスーパーはありません。
拠点の町エル・カラファテ
スーパー:La Anónima
おすすめレストラン:El Gaita Pizza Bar
個人的な感想
以前まで無料だった入場料やテン場代がここ最近で有料になり、ルールを整備している過渡期だと感じました。高額な入場料については、ハイカーや観光客からは反発がある状況ですが、値下げの方向になるのか、全てのトレイルヘッドにゲートが設けられ逃げ道も無くなるのか、今後が楽しみです。朝焼けのフィッツ・ロイ目当てで、夜中にエル・チャルテンを出て日帰りで往復するのが主流ですが、結構きつくて危険だと思うので、装備がある人はPoincenotで1泊する方がはるかに良いと思います。Laguna de los Tresの混雑の割に、Laguna Suciaは全く人がいないので、歩き慣れているハイカーであればおすすめです。
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