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【トレイル紹介】Salkantay Trek マチュピチュを目指して歩く道

ペルーのトレイル Salkantay Trek(サルカンタイ・トレック)の解説です。
情報は2024年11月時点のものです。

基本データ

所在:ペルー, クスコ
距離:約80km (49.7mi)
日数:4〜6日
累積標高:約1200m
最高点:4630m (Salkantay Pass)

スタート:Mollepata
ゴール:Machu Picchu

パーミット:不要
事前予約:不要
ワイルドキャンピング:一部で可

歩いた日

2024年11月25日〜11月30日

ベストシーズン

天気、気温、混雑等を考慮したシーズン早見表

ペルーの乾季に当たる4月〜10月がシーズンです。最も降水量が少ないのは6〜8月ですが、マチュピチュをはじめとした観光地が最も混雑する季節でもあります。降水量と混雑は反比例するので、難しい所ですが、5月あたりが最もバランスの良い狙い目かもしれません。本格的な雨季に入ってからは、Colcapampa〜Lucmabambaの渓谷トラバース区間や、水力発電所からクスコへ戻る車道で土砂崩れが多発するため、予定通りに歩けないことが多いに予想されます。11月でも、土砂崩れによる一時的な通行止めが発生していました。

土砂崩れで塞がったトレイルを重機で復旧する様子。日本であれば入山禁止になっていると思われる。

アクセス

首都リマ〜最寄の町クスコ

⚫︎バス
1日に複数の便あり。約24時間。S/75〜S/190。2:2のセミカマシートでS/100が相場で、Civa社のローコストシートのS/75が最安と思われます。
海岸のリマから4000m級の峠を夜間に越えて行くので、車内でも防寒着をお忘れなく。

⚫︎飛行機
スカイ航空、LATAM航空、Jet Smartで1日に複数の便あり。約1時間30分。S/110〜。

日本人観光客の間では、Cruz del Sur社やCiva社が有名ですが、Palomino社のバスを利用しました。

クスコ〜トレイルヘッド

⚫︎Cusco〜Mollepata
クスコからコレクティーボ(乗合バン)が出ています。乗り場は、Apurimac通りとAbancay通りの交差点付近で、GoogleマップやMAPS.MEでも確認できます。
料金は1人S/20。バンが満員になり次第発車します。
私は8時20分に乗り、乗車率8割程度で9時5分に出発しました。もう少し早い時間であればスムーズに出発できたかもしれません。

CuscoのMollepata行きコレクティーボ乗り場。看板も出ています。
車にはステッカーが貼ってあるので分かりやすいです。

⚫︎Mollepata〜Soraypampa
本来のトレイルヘッドはMollepataですが、Soraypampaまでは車で行くことが可能で、現在はこれが主流になっているようです。Cuscoからのコレクティーボが停まるポイントで、数台のタクシーが待ち構えています。料金は交渉制で、1台S/100が相場のようです.私はCuscoから一緒に乗ってきたフランス人ハイカー3人と相乗りし、5人乗りで1人S/25でした。

3人がけの席に無理やり4人で座った。

宿泊地

トレイル上には、宿泊施設やキャンプ場のある村が複数あるので、宿泊場所の選択肢は豊富です。テント泊装備が無くてもスルーハイク可能です。Booking.comやAirBnBで予約可能な施設もあります。

Salkantay Trekでよく見かけるドーム型の宿泊施設。安いもので1泊約¥6,000〜。

ワイルドキャンピング

制限はありませんが、地形的に幕営可能なエリアは限られます。私は1泊目にLake Humantay, 3泊目にサンタテレサ川の河岸でワイルドキャンプをしました。

Lake Humantayでのワイルドキャンプ

指定キャンプサイト

トレイル上にキャンプ場は複数存在します。キャンプ場というよりは、ホステルの庭にテントを張ることができるという感じです。相場は1張S/10〜15。

2日目、ChaulleyのPablito Hostelの庭でのキャンプ

山小屋

山小屋らしい山小屋はなく、ホステルやキャビンが複数あります。

ルート状況

標識・マーカー

トレイルを示す決まったマーカーはありません。道は明瞭なので、トレイルを外れることはないかと思います。

渡渉

靴を脱ぐ必要のある渡渉はありません。

危険箇所

・サンタテレサ川沿いのトラバース
 土砂崩れでトレイルが塞がれていたり、崩壊している箇所が複数あります。
※2024年11月現在、Llosska Mayu(MAPS.ME上の表記名)より先のSalkantay Trekは土砂崩れのため通行不可です。Llosska Mayuの数百メートル手前に木製の簡易的な橋が架かっているので、それを渡って対岸の車道を歩くことになります。最初の土砂崩れの地点を無理やり越えることはできますが、それ以降も斜面の崩壊が続きトレイルに復帰することができません。川辺へ下って進むことも試みましたが、安全に進み続けることはできませんでした。

土砂崩れにより寸断されたトレイル。川辺へ下ってもそれ以降進むことはできない。
Llosska Mayu手前の橋。

水場

トレイル上に複数の沢あり。キャンプ場の水場も浄水した方が良いと思われる。

パーミット

不要。Mollepataエリアへの入場料とマチュピチュへのチケットは必要。

・Mollepataエリアへの入場料
 1人S/20。Mollepataの町からタクシーで、Soraypampaへ向かう場合は途中のゲートで現金で支払います。パスポート番号等を記帳し、チケットを貰います。Soraypampaのトレイルヘッドでチケットの確認がありました。

Mollepataの入場チケット

・マチュピチュチケット
 オンラインでの事前購入が必要です。1人S/159.28。2024年にルールが改定され、チケットの種別で遺跡内の歩けるルートが異なります。1時間毎の時間指定制なので、希望の日時に行くためには、3ヶ月前までに予約することをおすすめします。予約方法については、ネットに詳しい記事がたくさんあるのでここでは割愛します。

地図・ガイドブック

地形図

Salkantay Trekエリアの地形図は存在しないようです。
Inca Trailの地形図、Lima 2000『Inca Trail Map: Cusco, Machu Picchu, Valle Sagrado/Sacred Valley』が部分的にカバーしているかもしれません。

ガイドブック

Alexander Stewart, 『Inca Trail, Cusco & Machu Picchu』

装備

特記事項なし。

ハイライト

  • Lake Humantay

  • Salkantay Pass

  • Llactapata Pass

  • 水力発電所〜マチュピチュ村(Aguas Calientes)

  • マチュピチュ

サイドトリップ

Lake Humantay

Soraypampaから300m、1時間半ほど登った所にある湖。ここを目的としたクスコからの日帰りのツアーも多く開催されています。湖からもう一段登ると、反対側の景色も見れ、1、2張りのみですがワイルドキャンプできるスポットもあるのでおすすめです。

Lake Humantay

コースバリエーション

Collpapampaからのサンタテレサ川沿いルートは、コレクティーボでスキップしてSanta Teresaまで行くことが可能です。

SalkantayTrekで見られる動物

  • ヤマビスカッチャ
    Salkantay Pass周辺の標高が高いエリアで見かけます。詳しくはHuayhuach Circuitの記事をご覧ください。

  • 馬、鶏、豚、野良犬

拠点の町クスコ

マチュピチュの拠点となるペルーを代表する街です。多くの観光客、バックパッカーで賑わい、宿泊施設やレストランも豊富です。メルカドではS/7〜ランチセットが食べられます。

・おすすめスーパー:Plaza Vea
 ペルーの都市に展開する大型スーパーがクスコにもあります。旧市街にはOrionというスーパーもありますが、Plaza Veaの方が品揃えは良いです。

・おすすめレストラン:Kusirikuy - restaurante Cusco
 旧市街にあるレストランの中ではリーズナブルな価格で美味しいです。店員さんが取れもフレンドリーで、英語色々と説明もしてくれました。

・おすすめホステル:Departamentos santa ana barrio tradicional
 高台にあり、共用テラスからの眺めがとても良いです。猫と犬もいます。アパートメントタイプなので、自炊可能。S/1で乗れるバスが、アルマス広場周辺から宿の目の前に停まります。

ホステルテラスからの眺め

個人的な感想

マチュピチュのハイキングといえばInca Trailが最も有名ですが、ガイド無しで歩きたかったのでSalkantay Trekを選択しました。Salkantay Pass周辺のアンデスの高地らしい景色、地元の人々の生活が垣間見れる村落、有名な水力発電所〜マチュピチュ村までのハイキングと、色々な要素が詰まっているのが魅力的でした。いずれはInca Trailも歩いてみたいと思います。

Llactapata Passのキャンプ場

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