POLYGLOTに学ぼう vol.5
Gabriel Wyner from TED* talks
どうして言葉を学ぶのは難しいのか。自らの失敗と成功経験から、効果的に学ぶために大切なことを伝える。
子どもは言葉を学ぶことに長けている
神話として、これを挙げる人は多い。もし大人と子どもが等しく500時間をスペイン語の勉強に充てたらどうだろうか。間違いなく、大人は子どもよりうまくやるだろう。私たちは学び方を知っているのだから。
たしかに子どもには、言葉を学ぶことにおいて3つの利点がある。
1.幼児(6-12か月)の感覚 * 私たちの失ったもの
2.知らないことを恐れない
3.時間が有り余るほどある
これを踏まえて、ではどうやって学べばいいのだろうか。
3か国語をマスターするまで
外国語学習で挫折続きだった彼(そもそも理系)の転機は、大学のサマープログラムだった。オペラの学士をとるために、ドイツ語、イタリア語、フランス語の単位が必要だった彼は、まずドイツ語のプログラムを選択。そのスクールが[ドイツ語以外一切禁止。一言でも使用したら返金なしで退学]というコンセプトだったらしく、1か月半でドイツ語をある程度マスターする。そこから苦手意識を克服し、オーストリア留学、さらにイタリア留学を経て、2カ国語習得。
そして残ったフランス語。彼はレベル分けのテストでカンニングをする。すでに2か国語をマスターし、フランス語に近いイタリア語をものにしていた彼は、レベル1ではなく1.5(初中級)ぐらいでもいけるだろうと踏んだからだ。しかし、その結果、中級レベルと判定されてしまう。3か月後に最終確認として15分の面接試験を受けることになり、パニックに陥る。
3か月でゼロから中級まで押し上げる必要に駆られた彼が行った学習方法というのが、具体的にわかりやすく言えば
・単語はイメージと一緒に覚える
・文法はストーリーと一緒に覚える
ということで、ふーんという感じなんだが、単語は Space repetitions program(アプリ名なのか、概念名なのかはよくわからない)を使用。要するにデジタルのフラッシュカードのようなもので、普通は、[フランス語と英訳]という使い方をするけど、それを[フランス語と絵]のセットにしたらしい。ちなみに、絵はフランス人のブロガーから拝借(おそらくgoogle image)。アメリカ人の彼のイメージとはかすかに違う、フランスらしい絵を使った、ところがポイントかどうかはわからない。
3か月後のインタビューでは、見事、中級どころか上級と判断され、結局フランス語もマスターしたという話。
言葉を効果的に学ぶために
省略しちゃったけど、言葉を無味乾燥な訳と一緒に覚えるのではなく、イメージとともに覚える必要性について、スカンジナビア半島における親友とのミステリアスで危険な冒険談(妄想)を披露。それが2分ほど続くので割愛。とにかく、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、感情すべてを総動員した強烈な思い出は、しっかり記憶に残るということだと思う。
効果的に学ぶには、自分で経験すること、感じること、それが必要である。
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スカンジナビアでの冒険談(妄想)は、ばかばかしいと思いつつも、つい惹きこまれてしまったが、どうも私には、彼がマスターした本当の理由はそこなんだろうか... と思われる。あくまでもスピーチを聞いていての話だけど、結局はのっぴきならない状況が功を奏したのでは? そう思いません??