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ひとつお守りが増えたような気持ちになる本
町田そのこさんの、わたしの知る花を
読んだ。
久しぶりに文でしくしくと泣いた。
小学生の頃のころ
通信簿の先生からの言葉の欄に
6年間"素直な子です"と書かれていたことを
思い出した。
当時は、"もっと書くことあるじゃん!"
と先生にぷりぷりしてたけど
今思うとこれ以上の褒め言葉はなかったなと。
どれだけ素直で、まっすぐに、生きてても
タイミングには逆らえないんだなと
この本を読んで思った。
これを読んでいる最中に、
疎遠になった親友や
昔愛おしくてたまらなかった恋人や
かつては居なかった父親、
孤独でも踏ん張っていた母
大切な恋人
いろんな人の顔が浮かんで
重ね合わせてしくしくと泣いてしまった。
"最後まで、生きてくしかないんだよね。どれだけすれ違っても、大事な相手も一生懸命生きてると思って、願って。ひとは、それしかない。たまに会えたら、めっけんもさ。"
もうこれが全てだなと。
大事な人と離れてしまっても、
共有してた幸せな時とか
目尻が下がるようなあったかい時間とか
確かにその時にあったものを
自分の芯として生きていければ
今よりも強く立っていられるんだなと。
そんな風に思えるようになるのは
それが過ぎ去ってからだと。
ただ、この考え方が自分にひとつ、
武器として身についた気がする。
何かあった時に守る術になる気がする。
これを読み終えて、
シャワーを浴びていたら
たまらなくお母さんに会いたくなって
わんわんと泣いた。
生死についてや、別れなんかについて
悲しくなるけど
この本があればなんとか立ち上がれるかもなと
思える。
大事な時にまた読み返したい。
光男さんの娘の、広恵さんが
ほんとに気持ちのいい女性で
私も救われた気がした。