〝学校外の学びの場〟充実へ 文科省、WGを発足
文部科学省は、【学校外における学びの場】を充実させていく方針です。
10月5日に開催した、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会(第2回)において明らかにしました。
同日に設置を決めた『義務教育の在り方ワーキンググループ』において、具体的な内容を議論していく予定。
併せて、そうした場の質の保障や、情報提供の方策も議論していきます。
「子どもたち1人ひとりに出番を」
同ワーキンググループで予定している検討事項は
①義務教育の意義②学びの多様性、の大きく2点。
①義務教育の意義では、具体的には『すべての子どもたちの可能性を引き出す学びの実現』などについて議論していくようです。
これについて、事務局を務める文科省は
「不登校の生徒や特別支援の生徒、特異な才能をもつ生徒はもちろん、通常学級で何とかやれている子どもたちについても、『より多くの出番をつくること』を目指す。そんな学びをどう実現していくか」
「いずれは社会につながってくる子どもたち。その1人ひとりが、より楽しくより健康的で、何よりそれぞれに出番がある。そんな学びをどう実現するか」
といったイメージを説明しています。
学年を超えた教科学習、単元内自由進度学習についても議論
②学びの多様性では
『学年を超えた教科学習』や『単元内自由進度学習』(=一部の教科や一部の時間、生徒の自由進度に任せる形の授業)、オンライン活用などについて、議論していく予定。
このテーマの一環として、冒頭で触れた【学校外における学びの場】についても話し合われます。
現場の先生、ある意味〝不親切〟になっていいのでは
上記の検討事項を受けて、委員(※中央教育審議会初等中等教育分科会 個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会の委員)からも声が挙がりました。
放送大学教授の中川一史委員は、検討事項に異論はないとした上で、「個別最適な学び、特に学習の個別化について具体的なイメージを(WGで)共有していくことが大切。脱・一斉授業オンリー、脱・一律活動オンリーを考えていくべきだ」と指摘しました。
併せて、現場の教員のスタンスについても言及。「誤解をおそれずに言えば、日本の教師はもっと〝不親切〟になるべきだと思う。真面目な教師ほど手取り足取り教えようとしてしまいがちだが、子どもにとっての伴走者とは、時に距離を置いたり突き放したりしつつ、気付いたら横にいるような存在であり、そのイメージを持つことが大切」と話しました。
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義務教育の在り方ワーキンググループの検討事項の中で、【学校外の学びの場の充実】に、個人的に最も関心があります。そして、その【質の保障】は、どのようになされていくのでしょうか。
現在はフリースクールやオルタナティブスクールなど様々な場がありますが、運営主体も実施規模も様々である中、どのような要件が定められ、それを満たした場合に、具体的にどのようなお墨付きが得られるのか?
ワーキンググループの議論の行方を、またウォッチできたらと思います。