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【考察】ポケモンセンターは”どのようにして”建てられたのか

前説

ポケットモンスター、通称ポケモン。1996年2月27日に任天堂ゲームボーイ用ソフトとして発売された『ポケットモンスター赤』『ポケットモンスター緑』が原点とされ、その後アニメ、カードゲームなど様々なメディアミックスがなされ、20年以上経った今でも大人気コンテンツとなっている。

そんなポケモンだが、ゲームやアニメでは語られないことが多数ある。
というよりも現実に即してみると不思議な場面が存在するのだ。

考え出したらキリがないが、その中で『ポケモンセンターとお金』について取り上げてみたい。


”ポケモンセンター”

ゲームでは傷ついたポケモン達を一気に回復できるポイントとしてトレーナーから重宝されるポケモンセンター。アニメの要所要所にもキーポイントとして出ることがあり、作中ではかなり重要な施設として扱われている。

基本的には『ジョーイ』と呼ばれる(ゲームではみんなデザインが一緒だが、なぜかアニメでも全員姉妹という体で見た目が一緒になった)キャラクターが常勤しており、ポケモンを回復させる業務を担っている。

ゲームでのジョーイさん

筆者はルビー・サファイア(アニメでいうとアドバンスジェネレーション)からポケモンを始めたのだが、ポケモンセンターの二階には他の人と通信でバトルをするスペースが設けられており、同じゲームを持つ友達と互いのポケモンを戦わせるということもできた。
さらに回復させる中央スペースの横にはポケモンを預けるボックス(機械)があり、手持ちポケモン以外のポケモンを預けることができた。
このようなコミュニケーションツールとして、また様々なポケモンとの触れ合いが可能な自由性も子供達に人気を博した一端を担っていると考える。

ポケモンセンターについて少し説明したが、ここで一つ疑問を提示したい。
ポケモンセンターを建設、維持することにお金が発生するのだろうか」

前提 〜ポケモン世界でのお金のあり方〜

ポケモンの世界にはお金の概念が存在する。
ポケモントレーナーとのバトルで勝利するともらえたり、シリーズによっては草むらに落ちていることもある。
しかし、それらは主人公のポケットマネーとなる。

バトルで勝ったら賞金がもらえる

ゲームプレイヤーの目線で見れば、RPGの醍醐味と言えるため特に疑問視することもないが、現実の社会に即して言えば不思議なことこの上ない。

例えば、最初に取り上げた『ジョーイ』やアニメのみの登場ではあるものの警察の役割を担っている『ジュンサー』など、公職についている人物も多い。

それぞれ『ラッキー』や『ガーディ』のようにポケモンを持ってはいるが、バトルをしている描写はあまり存在しない。というよりもうポケモンが人間と同じ役割で仕事をしている。
ポケモンであれば日々の食事などを保障すればそれでいいのだろうが、人間はまた話が変わってくる。しかし収入を受け取ってそれを何かに使っているような描写は見かけない。

ラッキー
ガーディ

ここからわかることとして、「ポケモンの世界はトレーナー以外の職業についている人間が収入を得ているかどうか不確かな世界」だということだ。
(悪の組織の構成員も給料もらってるのか怪しいし)

人の仕事に金銭が発生しているかどうかわからない世界で、建物などに発生する金銭についてはっきりするわけがない。

考察① 〜上位トレーナーが支えている説〜

それではここで考察してみよう。
まず一つ目は「ポケモンリーグのチャンピオンおよび四天王などトレーナーの上位数%が維持のために収入を寄付している」。

ポケモントレーナーと戦った時、『こううんのおこう』『おまもりこばん』など獲得賞金が上がるアイテムを度外視すれば、純粋なトレーナーの立ち位置と最後に戦ったポケモンのレベルに応じた賞金が支払われる。その頂点に立っているのは終盤のライバルポケモンリーグのチャンピオンだ。次点で四天王悪の組織のボスだろう。
(※ポケモンWiki「賞金」参照)

つまり簡単に言えば、「トレーナーの頂点になるような人物であれば収入もそれなりにあるので、その責務としてポケモンセンターの維持に貢献している」ということである。いわば使い途がはっきりしている所得税のようなものだ。

この説の根拠として、ポケモンセンターの用途が挙げられる。
ポケモンを回復する手段として、『キズぐすり(いい、すごい)』や『きのみ』があるが、当然使えばその分減っていく。
しかし、その世界に住むほぼ全ての人がポケモンを所持している世界で、「一気に複数のポケモンを元気にする施設」が重要でないはずがない。
回復する手段が『キズぐすり』や『きのみ』だけだったとしたら、こちらの世界に当てはめればどんな怪我や病気も病院に行かずサプリや湿布でなんとかしようとするようなものだ。一気に致死率が跳ね上がるだろう。

このような「ポケモンの病院たるポケモンセンター」が個人で運営されれば、ボロ儲けはできるだろうが使用頻度が高いトレーナーの出費が大変なことになる。

そのため公的な施設としてチャンピオンなどが寄付をして無料で利用できる施設になっているのではないだろうか。

考察② 〜ポケモンを使役する説〜

一番思い浮かべやすい説だろう。
二つ目は「技術は人間が持っているため、それをポケモン達が形にしている」ということだ。

どのシリーズでも自然あふれる土地が多いため、木材には事欠かない。
また、赤・緑の『ヤマブキシティ』、金・銀・クリスタルの『コガネシティ』、ダイヤモンド・パールの『コトブキシティ』など鉄筋コンクリート造と思われるビルなどが立ち並ぶ街もあることから製鉄技術も発達していることがわかる。
ここに建築技術と人手が加われば家を建てられることは容易に想像がつく。

しかし、人間でガタイの良いトレーナーは存在するものの明確に大工とされるトレーナーはいない。
そのため、ポケモンの世界では人力で家を建てないということがわかる。
それであれば、もうポケモンに頼むしかないだろう。

実際、アニメの描写で『ゴーリキー』や『カイリキー』が木材を運んでいる描写があったり、ブラック・ホワイトでは『ドッコラー』『ドテッコツ』『ローブシン』という角材や鉄骨を持った立ち姿でそれそのもののポケモンも登場する。

カイリキー
ドッコラー

ポケモンが人間の仕事を手伝うということが前提になる世界でポケモンに助力を頼まないわけがない。

機械に関しては『ミュウツー』を人工的に生み出している科学技術を人間が持っているため、それを技術や部品を精製する能力があるポケモンがいれば技術を物に応用して解決する。

つまり実質無料というわけだ。

メンテナンスもポケモンに任せてしまえば、人間が必要になるのはトレーナーとのコミュニケーションくらいで金銭が必要なくなる。

これで働いている人がポケモンバトルを行なってお金を稼いでいれば、特にお金に困ることもない。
実際、アニメや映画などでピンチが迫ると戦い出すナース帽を乗せた『ラッキー』や『ハピナス』は出てくるため、ジョーイさんはもしかしたらどこか知らないところでバトルしてるのかもしれない。

結論 〜人間が働かなくても世界は回っている〜

上位トレーナーの寄付説とポケモンを使役して全て作っている説を考えたが、この二つを合わせてみるとこのような結論ができる。

「基本的にポケモンセンターという箱を作っているのはポケモンだが、報酬が発生する場合支払っているのは、上位トレーナーである」

こう考えると駆け出しトレーナーやそもそもポケモンをバトルに使わない人は何の収入もないが、生活が全くできないわけではないという話になると思う。

実際アニメでサトシのお母さんが『バリヤード』に家事を任せている描写がある。
大抵のことは人間が働かなくてもポケモンがやってくれるのである。

となると人間ができることは技術の確立やポケモンを使うときの法整備(悪の組織が存在するので倫理観はあるのだろう)くらいなもので、家事にしてもその他様々な仕事にしても人間がじかに動く必要がない。
何なら移動もポケモンの力を借りれば良い。

何だか昔上映されたロボットに生活全般を委ねて人間が歩くことさえしなくなったドラえもんの映画のようだが、実際ドラえもんと違うのは”ポケモンが万能ではないこと”と、”人間が人間らしい体の使い方をしている”ということくらいだろう。

人間とポケモンは共生関係であると同時に主従関係でもあることが前提となって成り立っている関係だ。しかし、ポケモンが社会性を身につけてしまうと人間は必要なくなるし、もしかすると人間がポケモンに使役される未来もあるかもしれない。

ポケモンセンターの財源やどのようにして建設しているかということを考えてきたが、結果的にはポケモンと人間の社会的な関係性の話になってしまった。

だが、金銭による報酬がないということはそこに信頼関係しか存在できない。そのため、信頼関係が構築されていなければポケモンはただのそれぞれ能力を持った脅威になるし、仲間になれば生活全般の手助けをしてくれる心強い仲間となる。

ポケモンセンター、およびそのほかの人間の営みにはそのような暗黙の了解があって成り立っているということがわかった。



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