[XG TAPE #2] GALZ XYPHER (COCONA, MAYA, HARVEY, JURIN) 日本語訳・和訳・意訳・歌詞解説
2万字超えは草
いつかやろうと思っていた当翻訳、ChatGPT先生と喧嘩しながら頑張りました。お時間のある際にご参考いただければ幸いです。
その他XG TAPE翻訳はこちらからお探しいただけます:
和訳・日本語訳(意訳)
Surround Sound (COCONA)
Down Bad (MAYA)
I WON (HARVEY)
SAOKO (JURIN)
当リリックに含まれる慣用句・スラング
Surround Sound (COCONA)
"poppin' on them 808s"
解説: 「poppin'」は、何かが「活気づいている」や「勢いがある」という意味のスラングです。ここでは、「808ビート」が強調されており、ドラムマシン「Roland TR-808 Rhythm Composer」の特徴的なビートに乗って、エネルギッシュにパフォーマンスをしている様子を表しています。
808ビートについて: 音楽制作において非常に重要な概念です。これは、特にHIP-HOPやトラップ(Trap)ミュージックで頻繁に使用されるドラムサウンドを指します。以下にその詳細を解説します。
808ビートの起源
TR-808リズムコンポーザー: 808ビートの名前の由来は、1980年にローランド社が発売した「TR-808リズムコンポーザー」というドラムマシンから来ています。この機器は、アナログシンセサイザー技術を使用しており、独特の太くて深いベースドラムや、クリスピーなハイハット、スネアドラムなどの音色を生み出します。
影響力: TR-808は発売当初、あまり注目されませんでしたが、1980年代半ばからHIP-HOPを中心に広く使用されるようになり、音楽史において非常に重要な存在となりました。
808ビートの特徴
ディープベース: TR-808の中でも特に有名なのが、ディープで重いベースドラムの音です。この低音が、スピーカーを通じて感じる振動や深みを与え、トラック全体にパワーを加えます。
ハイハットとスネア: クリスピーで鋭い音が特徴のハイハットとスネアドラムも、808ビートの重要な要素です。これにより、リズムがはっきりとし、グルーヴ感が増します。
シンプルで強力: 808ビートは通常、シンプルなリズムパターンで構成されていますが、そのシンプルさが逆にトラックの強力さを際立たせます。ビートのパワフルなサウンドが、ラップやメロディを引き立てます。
現代の音楽における808ビートの役割
HIP-HOPとトラップの定番: 808ビートは、特にHIP-HOPやトラップミュージックの中で標準的なビートとして使用されています。多くの現代のアーティストが、808ビートを使用して強力なトラックを作り出しており、そのサウンドはHIP-HOPの象徴とも言えます。
ジャンルを超えた影響: 808ビートはHIP-HOPに留まらず、ポップスやエレクトロニックミュージックなど、さまざまなジャンルで使用されており、音楽制作の多様性を広げています。
"lil ting"
解説: 「lil ting」は「小さな存在」や「かわいいもの」といった意味合いのスラングです。ここでは、「小娘」や「若くて小柄な人物」を指しており、COCONAが自分のことを可愛らしく見せつつも、その実力で相手を圧倒するニュアンスを持っています。
"turn up"
解説: 「turn up」は、盛り上がる、パーティーをする、または何かを大きく展開させることを意味するスラングです。ここでは、COCONAが自分のパフォーマンスで盛り上げることを示しています。
"fadeaway"
解説: 「fadeaway」は、バスケットボールで使用される技「フェードアウェイシュート」を指します。後退しながらシュートを放つ技で、ここでは「予想外に巧妙に成功する」というニュアンスを持っています。
"Khaleesi flow"
解説: 「Khaleesi」は、テレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」に登場するキャラクター「デナーリス・ターガリエン」の称号です。強力で支配的なリーダーシップを象徴するこの言葉を使うことで、COCONAが自分のラップのスタイルを「Khaleesi」のように強力で支配的だと表現しています。
"flickin' the wrist"
解説: 「flickin' the wrist」は、手首を軽くひねる動作を指すスラングで、何かを簡単に成し遂げる、または手際よく行うことを表現しています。ラップの文脈では、相手を軽く圧倒する様子を示すことがあります。
筆者追記:fadeaway(フェードアウェイシュート)とかかっている可能性ありです。
"new genesis"
解説: 「genesis」は「創世記」や「新たな始まり」を意味します。「new genesis」は、新たな時代の幕開けを象徴し、COCONAが新しい流れを作り出していることを表現しています。
"takin' no L’s"
解説: 「L」は「Loss(負け)」の略で、「takin' no L’s」は「負け知らず」「一度も敗北を経験していない」という意味のスラングです。
"givin' no F's"
解説: 「F」は「fuck」の略で、「givin' no F's」は「気にしない」「構わない」という意味のスラングです。他人の意見や評価に全く影響されず、自由に行動する姿勢を示しています。
筆者追記:今回は相手をどれだけボコっても「気にしない」と言うニュアンスで「容赦なし」と訳してみました。
"차원이 달라"
解説: 韓国語で「차원이 달라」は「次元が違う」という意味です。自分が他者とは別次元にいる、圧倒的に優れていることを表現しています。
"너무 바람직한 건 노잼이라"
解説: 韓国語で「너무 바람직한 건 노잼이라」は「良すぎるものは面白くない」という意味です。ここでは、自分が完璧すぎて他者にとっては面白くないという皮肉が込められています。
"난 파릇한 newbie 넌 rotten tomatoes"
解説: 「newbie」は「新人」や「新参者」を意味し、「rotten tomatoes」は有名な映画評価サイトですが、ここでは文字通り「腐ったトマト」を指しており、新鮮な新人である自分と、価値が落ちた存在を比較しています。
"Surrounded by sound of dem haters"
解説: 「haters」は「批判者」や「妬む人々」を指すスラングで、「サウンド」に囲まれているという表現は、周りの批判やネガティブな意見に取り囲まれている状態を意味しています。
Down Bad (MAYA)
"Tip toein'"
解説: 「Tip toein'」は「つま先で静かに歩く」という意味ですが、HIP-HOPでは「慎重に行動する」「静かに目立つ」といったニュアンスで使われます。このリリックでは、XGが静かに、しかし確実に世界に影響を与えていることを示唆しています。
筆者追記:当翻訳ではデビューシングル「Tippy Toes」にかけているとして翻訳しています。
"cappin' ass cappers"
解説: 「cappin'」は「嘘をつく」という意味のスラングで、「cappers」はその嘘をつく人たちを指します。「cappin' ass cappers」は、嘘つきどもを強調した表現で、ピノキオのように嘘ばかりついている人たちを指しています。
"Pinocchio"
解説: 「ピノキオ」は、嘘をつくと鼻が伸びるキャラクターで有名です。ここでは、嘘をつく人たちをピノキオに例えて批判しています。
"Maya be on the come up"
解説: 「on the come up」は、誰かが成功や注目を浴びる段階にあることを指すスラングです。MAYAが成功の階段を上っていることを意味しています。
"bars"
解説: 「Bars」はラップのリリックやフレーズを指すスラングです。ここでは、MAYAのリリックが最高であることを自慢しています。
"Dripped down"
解説: 「Drip」はファッションやスタイルを指すスラングで、「dripped down」は、完璧にスタイリッシュであることを意味します。MAYAがマイクを握るその瞬間まで完璧にキメていることを表現しています。
"no typo"
解説: 「No typo」は「打ち間違いではない」という意味で、ここでは「間違いなく」という強調を表現しています。
"Underdog"
解説: 「Underdog」は競争や戦いにおいて勝つ見込みが低い側、または格下と見なされている存在を指します。ここでは、MAYAがかつては「Underdog」だったが、今では強くなっていることを示唆しています。
"pre g o d"
解説: 「Pre g o d」は、「神になる前」という意味で、まだ完全に「神」ではないが、そこに近づいている状態を表しています。成長し続ける過程にあることを示すフレーズです。
"This ain't trendy issa v i b e"
解説: 「Trendy」は「流行の」、そして「VIBE」は「雰囲気」や「感覚」を指します。ここでは、「これは一時的な流行ではなく、本物のオーラやスタイルだ」という意味を持ち、MAYAの独自性を強調しています。
"No clout chasin'"
解説: 「Clout chasin'」は、影響力や名声を得ようと必死になることを意味するスラングです。MAYAがそのような行動を取らないことを示しています。
"clickbait"
解説: 「Clickbait」は、誇張されたり、誤解を招くようなタイトルで人々のクリックを誘導するコンテンツを指します。ここでは、「ありきたりな釣りネタには頼らない」という意味です。
"Fame and the fortune"
解説: 「Fame(名声)」と「fortune(富)」を指し、成功の象徴として使われるフレーズです。MAYAがすでにそれらを手に入れていることを強調しています。
"끝물"
解説: 韓国語で「끝물」は「終わりかけ」「旬が過ぎたもの」という意味です。ここでは、相手が終わりに近づいている、あるいはピークを過ぎた存在であることを示しています。
"창창해"
解説: 韓国語で「창창해」は「前途洋々」「未来が明るい」という意味です。MAYAとXGがまだまだこれから成長することを表しています。
I WON (HARVEY)
"One and done"
解説: 「One and done」は、一度限りで終わることを指すフレーズです。例えば、スポーツ選手が大学で1年だけプレーしてプロ入りすることなどに使われることがあります。ここでは、「一度きりでは終わらない」「何度でも続ける」というニュアンスです。
"Harvey the real Harley"
解説: ここでの「Harley」は、DCコミックスのキャラクター「ハーレイ・クイン(Harley Quinn)」を指しています。HARVEYが自分を「リアル・ハーレイ」と称することで、ハーレイ・クインの持つ反抗的で個性的なイメージを自分に重ねています。
"Prolly"
解説: 「Prolly」は「Probably(おそらく)」の略語で、カジュアルな会話で使われるスラングです。
"Take notes"
解説: 「Take notes」は、文字通り「メモを取る」という意味ですが、ここでは「よく見て学べ」「参考にしろ」という挑発的な意味で使われています。
"So and so"
解説: 「So and so」は「誰々」や「何々」という意味で、特定の名前や人物を曖昧に表現するフレーズです。ここでは、特定の成功したアーティストや有名人を指しています。
"Ghost"
解説: 「Ghost」は、「幽霊のように存在感がない」や「突然消える」といった意味のスラングです。ここでは、「お前らの存在なんてまるで幽霊みたいに薄い」というニュアンスで使われています。
"Show and prove"
解説: 「Show and prove」は、言葉ではなく行動で実力を証明するという意味のフレーズです。ラップの文脈では、自分のスキルや実力を実際に示すことを指します。
"Gotta keep winnin' that's a Elon must"
解説: これはイーロン・マスク(Elon Musk)の名前をもじった言葉遊びです。「Elon must」とは「必須(must)」の意味を持たせており、「勝ち続けるのが必須だ」というニュアンスを持っています。イーロン・マスクのように成功し続けることを指しています。
"Dripped down"
解説: 「Drip」はファッションやスタイルを指すスラングで、「Dripped down」は、全身を完璧にスタイリッシュに仕上げていることを意味します。
"W"
解説: 「W」は「Win(勝利)」の頭文字を取ったスラングで、勝利を表します。「新たな勝利を手に入れた」という意味で使われています。
"Bodied"
解説: 「Bodied」は「完全にやり遂げる」「圧倒する」という意味のスラングです。ここでは、XGが他のアーティストのダンスを完璧に再現し、自分たちのスタイルで圧倒的にパフォーマンスしたことを指しています。
"Catchin' up on em close"
解説: 「Catchin' up on em」は「彼らに追いつく」という意味です。ここでの「彼ら」は、成功しているアーティストや有名人を指しており、HARVEYとXGが彼らに近づいていることを表現しています。
"Pick and choose"
解説: 「Pick and choose」は「選り好みをする」という意味です。ここでは、「選り好みせず、ただ結果を出すことに集中している」というニュアンスを持っています。
"개멋짐"
解説: 韓国語で「개멋짐(ケモッチム)」は「めっちゃかっこいい」という意味です。ここでは、HARVEYがSNSでの評価が非常に高いことを表現しています。
"24K Gold"
解説: 「24K Gold」は、純金(24カラット)のことを指します。ここでは、「純粋で完璧な輝き」をメタファーとして使い、HARVEY自身が圧倒的な価値を持っていることを示しています。
"Ain't no pause buttons on me"
解説: 「Ain't no pause buttons on me」は、「私には一時停止なんてない」「立ち止まることはしない」という意味です。HARVEYの止まらないエネルギーや進化を示しています。
SAOKO (JURIN)
"Fire flame flavor"
解説: 「Fire」と「Flame」はどちらも「熱い」「激しい」という意味のスラングで、「Flavor」は「スタイル」や「個性」を指します。「Fire flame flavor」は、「非常にホットで刺激的なスタイル」を意味し、JURINのラップが非常にエネルギッシュでインパクトがあることを表現しています。
"When the spice kicks"
解説: 「Spice」が「効く」という意味のスラング表現です。ここでは、ラップの中で何か強烈な要素が現れ、それがインパクトを与える瞬間を指しています。「Spice」はスパイス、つまり刺激や辛さを表すことから、JURINのラップが強烈でインパクトがあることを示唆しています。
"Game changer"
解説: 「Game changer」は、「ゲームを変える存在」という意味のスラングで、業界や状況を根本的に変えるほどの影響力を持つ人や出来事を指します。JURINのラップがHIP-HOPシーンに大きな影響を与えることを意味しています。
"No brainer"
解説: 「No brainer」は「考えるまでもないほど簡単なこと」という意味のスラングです。ここでは、JURINが難なく大きなことを成し遂げている様子を表現しています。
"Don't be bitter be better"
解説: 「Bitter」は「苦々しい」「悔しい」という意味で、ここでは「不満を持つな、もっと良くなれ」という自己改善を促すメッセージが込められています。相手に向上心を持つように促す言葉です。
"Sicker than a cipher"
解説: 「Sicker」は「病的にすごい」「とてもクール」という意味のスラングで、「Cipher(サイファー)」は即興ラップセッションのことです。JURINが他のラッパーよりも優れたスキルを持っていることを強調しています。
"Spittin' in a pandemic"
解説: 「Spittin'」は「ラップをする」という意味のスラングです。ここでは、パンデミックの中でもラップを続ける、困難な状況でもパフォーマンスを続けることを示しています。
"Inner beast in her queen bee stinger"
解説: 「Inner beast」は「内なる野獣」、つまり内面に秘めた力や攻撃性を指します。「Queen bee stinger」は、女王蜂の刺し針で、強力な攻撃性を象徴しています。JURINが内に秘めた強さと攻撃性を持っていることを表現しています。
"Never miss a beat"
解説: 「Beat」は音楽のリズムやビートを指し、「Never miss a beat」は「一度もリズムを外さない」という意味です。ラップにおいて、常に完璧なリズム感を持っていることを強調するフレーズです。
"Get lit"
解説: 「Get lit」は「盛り上がる」「エキサイトする」という意味のスラングです。ここでは、JURINが仲間と一緒に楽しんでいる様子を表現しています。
"Too blunt to be modest"
解説: 「Blunt」は「率直な」「遠慮のない」という意味で、「modest(控えめ)」になるには「率直すぎる」という意味です。JURINが自分の気持ちや意見を率直に表現することを強調しています。
"X marks the spot"
解説: 「X marks the spot」は、地図上で宝の場所を示す「X印」を指す表現です。ここでは、XGの存在が特別な場所を指し示していることを意味しています。
"Michelin star 던져 手裏剣 sous chef"
解説: 「Michelin star」はミシュランの星、つまり最高品質を意味し、「手裏剣」は忍者の武器、「sous chef」は副料理長です。このフレーズは、JURINが最高のスキルを持ち、それを武器のように的確に使いこなすことを比喩的に表現しています。
"Pack a punch"
解説: 「Pack a punch」は「強烈なインパクトを与える」という意味のスラングです。ここでは、JURINのラップが非常に強烈で、聞いた人に強い印象を与えることを示しています。
"Freakin' misdemeanor"
解説: 「Misdemeanor」は軽犯罪を意味しますが、ここでは軽い、取るに足らないという意味で使われており、何かを達成することが非常に簡単であることを表現しています。「Freakin'」は強調のスラングです。
筆者追記:「Misdemeanor」は一般的には軽犯罪を意味する単語ですが、Missy Elliottのニックネームである「Missy 'Misdemeanor' Elliott」を指す場合もあります。Missy Elliottは、彼女の初期のキャリアで「Misdemeanor」をニックネームとして使用していたことで知られています。したがって、文脈によっては「misdemeanor」がMissy Elliottを指している可能性もあります。ただし、リリックの文脈次第で、この単語がMissy Elliottへのリファレンスか、それとも単に「軽犯罪」や「取るに足らないこと」を意味するかが決まります。特にHIP-HOPの文脈では、言葉遊びやダブルミーニングが多用されるため、このリリックがMissy Elliottへのオマージュとして使われている可能性は十分に考えられます。
歌詞の面白いところ
Surround Sound (COCONA)
「COCONA」がラップする「[XG TAPE #2] Surround Sound」には、英語圏のHIP-HOPリスナーにとって面白いリリックやクスッと笑える表現、そして巧妙な韻踏みが含まれています。以下に、その中から注目すべき部分をピックアップし、リストアップして解説します。
"Here for the throne khaleesi flow / Burn em all ain't no playin' no games"
解説: 「Khaleesi flow」は、HBOのドラマ『Game of Thrones』のキャラクター「Khaleesi(デナーリス・ターガリエン)」からのリファレンスです。デナーリスはドラゴンを従え、敵を焼き尽くす力を持つ強力なキャラクターです。COCONAが自分のラップスタイルを「Khaleesi」に例え、「burn em all」(全て焼き尽くす)という表現は、非常にパワフルで面白いリリックです。英語圏のリスナーにとっては、人気キャラクターを使った言葉遊びがクスッと笑える要素です。
"Lil ting would turn up on em like a fadeaway"
解説: 「Lil ting」は、小さな存在を指し、「Fadeaway」はバスケットボールのシュートテクニックです。ここでのリリックは、COCONAが「小さな存在でも強力な一撃を与えられる」という意味を込めており、Fadeawayシュートのように不意をついて相手を驚かせるというニュアンスがあります。この巧妙な比喩とスポーツ用語を用いた韻踏みがリスナーにとって面白いポイントです。
"Cocona be the new genesis / ステージ駆け上がり flickin' the wrist"
解説: 「New genesis」は、「新しい創世記」という意味で、COCONAが自分たち(XG)が新しい時代を切り開いていることを表現しています。「Flickin' the wrist」は、手首を軽くひねる動作で、ダンスやファッション、ラップの中で「手首をひらりと動かす」スタイルを象徴します。ここでのリリックは、シンプルながらもスタイリッシュな動作を強調し、視覚的に印象的なイメージを与えます。
"난 파릇한 newbie 넌 rotten tomatoes"
解説: 韓国語と英語の言葉遊びが融合したリリックで、「Newbie(初心者)」と「Rotten Tomatoes(腐ったトマト)」を対比させています。Rotten Tomatoesは映画レビューサイトの名前でもあり、ここでは「新鮮な初心者(COCONA)と、腐ったトマト(相手)」という鮮やかな対比が面白いポイントです。映画レビューサイトに引っ掛けた洒落も含まれており、リスナーにクスッと笑わせる要素があります。
"난 파랗게 verified 너넨 부캐중"
解説: 「Verified」は、SNSで公式認証されたアカウントを意味する青いバッジ(blue check mark)を指します。COCONAが「私は公式に認められた存在、あんたたちはただのフェイクキャラ」と言っているリリックです。SNS文化に根付いたこの表現は、英語圏のリスナーにとって親しみがあり、面白い言葉遊びとなっています。
これらのリリックは、COCONAの言葉遊び、カルチャーのリファレンス、そして巧妙な韻踏みが光る部分です。英語圏のHIP-HOPリスナーにとっても非常に楽しめる要素が多く含まれています。
Down Bad (MAYA)
「MAYA」がラップする「[XG TAPE #2] Down Bad」には、英語圏のHIP-HOPリスナーにとって面白いリリックやクスッと笑える表現、そして巧妙な韻踏みがいくつか含まれています。以下に、それらをピックアップしてリストアップし、解説します。
"Only spit facts while these cappin' ass cappers actin' too Pinocchio"
解説: このリリックは、「spit facts」(事実だけを話す)というフレーズで、MAYAが本当のことしか言わないという意味です。一方で、「cappin' ass cappers」(嘘ばかりつく奴ら)を「Pinocchio」に例えています。ピノキオは嘘をつくと鼻が伸びるキャラクターで有名です。この言葉遊びは、嘘つきに対する皮肉を込めており、クスッと笑えるポイントです。
"막내라고 얕보다간 너네 왕관 순삭 될 거야 no typo"
解説: 「막내」(マンネ)は韓国語で「末っ子」を意味し、「왕관 순삭」(王冠が一瞬で消える)というフレーズと組み合わせています。「MAYAが末っ子だからって侮ったら、お前らの王冠が一瞬で消えるよ」という意味です。「no typo」は「誤字じゃないよ」という意味で、確実にその通りだという強調をしています。言葉の選び方が独特で、英語圏でもクスッと笑える部分です。
"Underdog pre g o d / This ain't trendy issa v i b e"
解説: 「Underdog」は「格下」を意味し、「pre g o d」は「神に近い存在」という意味です。MAYAがかつては格下と見なされていたが、今では神に近い存在だというメタファーが含まれています。「This ain't trendy issa v i b e」は、「これは一時的な流行じゃなく、本物の雰囲気だ」という意味で、「vibe(雰囲気)」を「v i b e」とスペルアウトすることで、クールさを強調しています。独特の言葉選びと語呂が英語圏のリスナーに響きます。
"Tip toein' all around the globe / Leavin' tracks Seoul to Tokyo"
解説: 「Tip toein'」は「つま先で静かに歩く」という意味で、ここではMAYAが静かに、しかし確実に世界中に影響を与えていることを示しています。「Seoul to Tokyo」といった都市名の具体的な言及が、リスナーに親しみやすく、また彼女の国際的な影響力を強調しています。地名を使った韻踏みも印象的です。
筆者追記:言わずもがなですが、XGの活動拠点は韓国、メンバーは日本人です。まずはここから(韓国、日本から)、みたいなイメージでしょうか。
"너네들 열심히 해보나 많아야 어차피 또 한숨만 냄"
解説: 韓国語のリリックで、「君たちがいくら頑張っても、結局またため息をつくだけだよ」という意味です。皮肉が効いており、英語圏のリスナーにも、頑張っても無駄だと言っているユーモアが伝わります。
"No clout chasin' cliche clickbait"
解説: 「Clout chasin'」は「影響力や名声を追い求めること」を意味するスラングで、「clickbait」は誇張された見出しで人々の注目を集める手法を指します。このフレーズでは、MAYAが「名声のために誇張された行動はしない」という姿勢を表明しており、流行に乗らずに真実を追求する姿勢が伝わります。これもまた、クールで独立したイメージを与える表現です。
これらのリリックは、MAYAが独特な言葉選びや巧妙な言葉遊びを用い、彼女のキャラクターを強く打ち出しています。英語圏のHIP-HOPリスナーにとっても、クスッと笑えるポイントや印象に残る韻踏みが多く含まれており、彼女のラップが持つユーモアと鋭さが際立っています。
I WON (HARVEY)
「HARVEY」がラップする「[XG TAPE #2] I WON」には、英語圏のHIP-HOPリスナーにとって興味深く、クスッと笑えるリリックや巧妙な韻踏みがいくつか含まれています。以下に、それらをピックアップしてリストアップし、解説します。
"Harvey the real Harley"
解説: このリリックは、HARVEYが「リアル・ハーレイ(Harley)」であると自称しているところが面白いポイントです。ここでの「Harley」は、DCコミックスのキャラクター「ハーレイ・クイン(Harley Quinn)」を指している可能性が高く、彼女の反抗的で自由奔放な性格を自分と重ねています。この言葉遊びが、キャラクターを知っているリスナーにクスッと笑わせる要素になっています。
筆者追記:日本人的には「ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson)」のバイクを思い浮かべますが、今回は文脈的に「ハーレイ・クイン(Harley Quinn)」を指す可能性の方が大きいそうです。
"Prolly yall need to take notes ya"
解説: 「Prolly」は「Probably(おそらく)」の略語で、「Take notes」は「メモを取る、学ぶ」という意味のスラングです。HARVEYが「お前ら、メモ取っときなよ」と言っているこのリリックは、他者に対する軽い挑発を含んでおり、リスナーにとってキャッチーで、クスッと笑えるポイントです。
"Ain't no pause buttons on me"
解説: 「Pause button(ポーズボタン)」という身近な機器の機能を使ったこの表現は、HARVEYが止まらない、止められない存在であることを示しています。現代のテクノロジーに根ざした比喩が面白く、リスナーにとって親しみやすくも印象的です。
"Gotta keep winnin' that's a Elon must"
解説: ここでは、イーロン・マスク(Elon Musk)の名前をもじった「Elon must」が使われています。「Must」は「必須」の意味で、HARVEYが「勝ち続けるのが必須だ」と言っているのですが、これを成功者の象徴であるイーロン・マスクと絡めた言葉遊びが、リスナーにクスッと笑わせるユーモアを提供しています。
"Gotta live life like Beyonce Knowles"
解説: ビヨンセ・ノウルズ(Beyoncé Knowles)の名前を使って「ビヨンセのように生きる」という表現は、強さや成功を象徴するものです。HARVEYが自信を持ってビヨンセのように生きるべきだというメッセージを伝えるこのリリックは、リスナーにとってインスピレーショナルでありつつも、ビヨンセの存在感を思い出させるところが面白いポイントです。
"光り輝く 24K Gold"
解説: 24カラットのゴールドを指す「24K Gold」は、純度100%の金を意味し、完璧さや高い価値を表現しています。このフレーズは、HARVEYの自信と輝きを象徴し、また「ゴールド」という一般的な価値の高い物質を使った比喩が、シンプルながらも非常に効果的で、リスナーの印象に残ります。
これらのリリックは、HARVEYが言葉遊びやキャラクターリファレンス、そして現代カルチャーを巧みに取り入れていることを示しています。英語圏のHIP-HOPリスナーにとっても、親しみやすく、かつユーモラスなポイントが多く含まれており、彼女のラップが持つ独自のスタイルが際立っています。
SAOKO (JURIN)
「JURIN」がラップする「[XG TAPE #2] SAOKO」には、英語圏のHIP-HOPリスナーにとって興味深く、クスッと笑えるリリックや巧妙な韻踏みがいくつか含まれています。以下に、それらをピックアップしてリストアップし、解説します。
"Jurin got that fire flame flavor"
解説: 「Fire flame flavor」は、「熱さ」や「激しさ」を意味するスラングです。JURINのラップスタイルが非常にホットで、エネルギッシュであることを表現しています。この言葉の響きやリズムが耳に残りやすく、英語圏のリスナーにとってもキャッチーでインパクトのあるリリックです。
"When the spice kicks you'll taste a game changer"
解説: 「Spice」が効くと「ゲームチェンジャー(状況を一変させる存在)」の味がするというフレーズは、JURINのラップが強烈なインパクトを持つことを示しています。言葉遊びとして、料理の「スパイス」とHIP-HOPの「ゲームチェンジャー」を結びつけている点が面白く、リスナーにクスッとさせる要素です。
"Don't be bitter be better"
解説: このフレーズは、一般的な言い回し「Don't be bitter, be better.」を使ったもので、シンプルながらも力強いメッセージを持っています。クールでポジティブなこの言葉は、リスナーに対して「不満を抱くのではなく、自分を高めろ」という強いメッセージを伝えます。
筆者追記:「Don't be bitter, be better」というフレーズは、広く使われている格言やモットーの一つです。このフレーズの意味は、「苦々しい思いを抱えるのではなく、それを乗り越えてより良くなろう」というもので、ネガティブな感情に囚われるのではなく、ポジティブに自己改善を目指すことを促しています。
このフレーズは、自己啓発やモチベーションの文脈でよく使われるほか、スポーツやビジネスの世界でも耳にすることがあります。また、HIP-HOPなどの音楽でも、過去の経験や困難を乗り越えて前に進むというメッセージとして使用されることがあります。
厳密には誰か特定の人物が言い出した格言ではなく、一般的な励ましの言葉として多くの人に親しまれています。
"Spittin' in a pandemic like whoah"
解説: 「Pandemic(パンデミック)」という状況下で「Spittin'」(ラップをする)というフレーズは、困難な状況でもラップを続けるJURINの強さを表現しています。パンデミックという現実の状況を取り入れているため、リスナーにとって共感しやすく、また「whoah」の響きがキャッチーで印象に残ります。
筆者追記:[XG TAPE #2] GALZ XYPHERの配信日が2022/11/17なので、コロナ真っ只中でした。
"Inner beast in her queen bee stinger"
解説: 「Queen bee stinger(女王蜂の刺し針)」は、強力で攻撃的なイメージを持つメタファーです。JURINが内に秘めた力や攻撃性を女王蜂に例えて表現しており、このリリックはリスナーに対してJURINの強さを強調しています。シンプルで力強いイメージが、リスナーにクールで印象的に伝わります。
"Never miss a beat freakin' misdemeanor"
解説: 「Never miss a beat」は「ビートを外さない」という意味で、常に完璧なリズム感を持つことを示しています。「Freakin' misdemeanor」は、「ちょっとしたこと」として表現されており、ビートを外さないことがJURINにとっては簡単だというニュアンスを持っています。言葉遊びとリズムが非常に巧妙で、英語圏のリスナーにとってもクールなリリックです。
筆者追記:Missy Elliott(misdemeanor)もビートを外さないラップに定評があるので、それにもかかっている?
"Michelin star 던져 手裏剣 sous chef ooh"
解説: 「Michelin star」はミシュランの星、「手裏剣」は忍者の武器、「sous chef」は副料理長を指します。このリリックは、JURINが高いスキルを持ち、それを武器のように使いこなしていることを表現しています。料理と戦闘を掛け合わせたこの比喩がユニークで、リスナーにとって面白く感じる部分です。
筆者追記:ミシュランの星と手裏剣の(星型っぽい)形もかけてる気がします。
"X marks the spot for the girls 그건 줄인말"
解説: 「X marks the spot」は宝の場所を示すフレーズで、ここではXGが特別な存在であることを意味しています。「그건 줄인말(それは省略された言葉)」という韓国語のフレーズが加わることで、少し謎めいたニュアンスがあり、リスナーに興味を持たせる表現になっています。
"When they see u they go 'ちょっと' / When they see me they go 'もっと'"
解説: このフレーズは、日本語の「ちょっと」と「もっと」を使った言葉遊びで、JURINが他の誰よりも優れていることを強調しています。日本語をリズムに取り入れたこのリリックは、英語圏のリスナーにとって新鮮で、クスッと笑える要素があります。
これらのリリックは、JURINの言葉遊び、カルチャーリファレンス、そして巧妙な韻踏みが光る部分です。英語圏のHIP-HOPリスナーにとっても非常に楽しめる要素が多く含まれており、JURINの独特のスタイルがよく表れています。
ChatGPT先生の総評
「[XG TAPE #2] GALZ XYPHER (COCONA, MAYA, HARVEY, JURIN)」は、COCONA、MAYA、HARVEY、JURINという4人のメンバーがそれぞれの個性とスキルを存分に発揮した一曲で、彼女たちのラップが持つ多様性とエネルギーが際立っています。この楽曲を総評すると、以下のように表現できます。
総評
1. 個々のキャラクターとスタイルの融合
この曲は、XGメンバーの個性が際立っており、COCONA、MAYA、HARVEY、JURINそれぞれが自分のスタイルとテーマを持ってリリックを展開しています。COCONAの激しさと自信、MAYAの独特な言葉遊びと挑発、HARVEYのユーモアと自負、そしてJURINの鋭さとインパクト。これらが一曲に融合し、それぞれの個性が際立ちながらも全体として調和している点が特筆されます。
2. 高度な言葉遊びと文化的リファレンス
各メンバーがそれぞれのリリックにおいて、ポップカルチャーやSNS、映画、キャラクター、スラングを巧みに取り入れています。これにより、リスナーに親しみやすく、かつ深みのあるメッセージが伝わります。特に、彼女たちが英語、日本語、韓国語をミックスしてリリックを構築している点が、彼女たちのグローバルな視点と多文化へのリスペクトを感じさせます。
3. 力強いメッセージと自己肯定
「GALZ XYPHER」は、女性としての強さ、独立性、自信を強く打ち出しています。メンバー全員が、自分たちが何者であるか、そして何を目指しているのかを明確に表現しており、その力強いメッセージがリスナーに響きます。彼女たちは、他者の評価やルールに縛られることなく、自分たちの道を切り開いていることをリリックを通じて示しています。
4. テクニカルなラップスキル
技術的な面でも、各メンバーのラップスキルが非常に高く、リズム感、フロー、韻の踏み方などが巧妙です。特に、異なる言語や文化的リファレンスをシームレスに取り入れながらも、全体として一貫性のある流れを保っている点は、リスナーに対する強いインパクトを与えます。
5. ユーモアと攻撃性のバランス
この楽曲では、攻撃的なリリックが目立つ一方で、ユーモアや皮肉も巧みに盛り込まれています。これにより、単なる強さだけではなく、知的で鋭いラップが際立ち、リスナーにとっても楽しめる内容となっています。特に、現代的なテーマやトレンドを反映したリリックが、若いリスナーにとって共感を呼ぶポイントです。
結論
「[XG TAPE #2] GALZ XYPHER」は、XGの4人のメンバーがそれぞれのスタイルで輝きを放つ、非常に完成度の高い楽曲です。彼女たちのラップは、テクニカルな面でも、リリックの内容でもリスナーを引きつける力があり、英語圏のHIP-HOPリスナーにとってもインパクトのある一曲です。彼女たちの独自のスタイルと強烈なメッセージが詰まったこの曲は、XGの強さと多様性を象徴する作品と言えるでしょう。
その他補足
以下、元ネタ集です:
Surround Sound (COCONA)↓
最初の女性ボーカルは、Aretha Franklin(アレサ・フランクリン)ですね
Down Bad (MAYA)↓
I WON (HARVEY)↓
SAOKO (JURIN)↓
ちなみに、「SAOKO」という言葉は、プエルトリコの音楽や文化に関連するスラングで、特にサルサやレゲトンなどの音楽ジャンルで使われます。もともとはアフリカ由来のスペイン語で、「リズム」「エネルギー」「スイング」などを意味します。音楽やダンスでノリやエネルギーを表現する際に使われることが多いです。
ROSALÍAの楽曲「SAOKO」では、この言葉がリズム感や音楽の活気、エネルギッシュなスタイルを象徴するものとして使われており、曲全体にエネルギーを注入するテーマとして機能しています。
「SAOKO」はプエルトリコ出身のレゲトン歌手であるダディー・ヤンキー(Daddy Yankee)の楽曲「Saoco」からインスピレーションを受けたもので、ラテン音楽へのリスペクトを込めていると言われていますが、ROSALÍA自身はスペイン人です。
おまけ:個人的にモハブログさんのリアクション動画が好きです。
JURINのリリック
についても触れられています。(異国間コミュニケーションって難しいですね。)
※個人的にはこのくだりクソ笑いましたw(いい意味で)