ライフ、イズ、ビューティフル。「タケシとヒロシ」。
一言で言うなら、ゲーム開発者としては駆け出しだけど機転は利く、どこにでもいそうな主人公の中学生タケシが、病弱な小学生の弟ヒロシに「これがお兄ちゃんの作ったゲームなんだよ」という希望というべきものを分かち合って、最終的にはヒロシの命をも救ってみせるおはなしだ。
RPGツクールのように「ゲームを製作できる」ゲームはいまどき珍しくもないが。「ゲームを製作する」こと自体を遊びに落とし込んだ1点で、本作は、秀逸といえる。
「ゲームの目的」「ゲームのルール」は既に定まっているので、本作では「敵との楽しい闘い」の設計に特化して、ゲームデザインとは何か?を追体験することができる。いざRPGを仕上げようと思ったら、人によっては苦手と感じるであろう、行く手を阻む「迷路」や「各種パズル」といった謎解きを、本作では行う必要が、まったくない。つまり敷居が、低いのだ。
「雑魚キャラ」「小ボス」「ラスボス」と、敵の難易度を自分で設定可能なのだが、状況が過ぎてもサクサク進みすぎても、ヒロシはやる気を喪失する。この塩梅が、実に難しいところ。
難しくても面白がりながら頭を使い戦うことを楽しませることができるか?敵との遭遇をワクワクしながら楽しませることができるか?タケシもといプレイヤーの知恵の使いようだ。
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