深作欣二監督「脅迫(おどし)」_凶悪犯との四十八時間。恐怖と暴走。
生涯に62本の映画を撮った深作欣二監督にとって、1966年公開、11作目の作品。この時点で既に、1973年の28作目「仁義なき戦い」の萌芽が見えている:男だけのざわざわとした確執と抗争の混沌の世界。
言ってみれば「日本のペキンパー」が作った「わらの犬」だ。
ある日突然、凶悪脱獄囚という闖入者に見舞われたとしたら、そして脅迫されながら幼児誘拐の片棒を担がされたとしたら……。
恐怖と戦いながら凶悪犯の手先にならざるを得なくなった男の四十八時間をドキュメンタリータッチで描破。深作