雑草
人間というのは都合の良い生き物で、自分の事は棚に置いて人の弱さに注目してしまう。
私もそのひとり。
朝起きて窓を開けると、ちょうど裏の住人の広い庭が見える。
「あぁ~、雑草抜きたい。」朝起きて心の中で発する言葉がこれだ。
裏の住人は何年か前に引っ越してきた。その時にはすでにその広い庭は草でボーボーだった。
その住人はしばらくしてその庭の手入れを始めた。のだが…今だにその集められた木や草は袋に詰められたまま何年も隅っこに置かれている。仕舞いには、袋もボロボロ。無惨にも木や草は散らかってしまっている。そして、また今年も雑草は日に日に上に伸びている。
その住人は何かと後回しにするクセがあるらしい。冬に折れてしまった除雪スコップもそのまま庭に放置。少しだけ植えたミニトマトも熟したまま季節を越した。
毎朝、何年もこんな光景を目にして気付いた。
そうじゃない!そうじゃない!
見方を変えれば弱い部分をむき出しにできる裏の住人は人間味溢れた素敵な人だ。人の目を無意識に気にして生きている私には無いモノ。
自分の弱さをさらけ出せる人に私はずっと、憧れているのだ。
見方を広げて生きていこうではないか、諸君。
そして今日も窓を開けてこう思う。「雑草抜いてあげたら500円くらいもらえるかな…」
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