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ボート競技の怪我2 肋骨疲労骨折・膝痛

肋骨の疲労骨折

肋骨の疲労骨折は、使いすぎによる障害ですが、水を掴む技術と、道具の強度、練習量が関係してきます。

重いオールを繰り返し引くことで、何度も何度も肋骨に「たわみ」が生じることで発生します。針金を何度も曲げたり伸ばしたりしていると折れてしまうように、肋骨の特定のある一点に繰り返し負荷がかかることで起こります。

肋骨の疲労骨折は、技術レベルが一定以上の選手におこる怪我です。水を掴むことができない選手は肋骨部にストレスがかかることがありません。また何度も何度も漕げるだけの体力が無いと肋骨の一点に疲労は溜まりません。そのため水をつかめない、漕ぎ続けることができない初心者におこることは稀です。

また、艇やオールの強度が関係しています。水をつかんだ瞬間にグニャッとたわんで、グリップに加えた力を逃してしまうような道具では肋骨には負荷はかかりません。

肋骨の疲労骨折は、水を掴む負荷を溜め込んだ結果おこるものなので、急に痛めるということはありません。しかし一度痛めると治るまでに時間はかかります。そのため痛める前に予防することが大切です。

そのためにも、普段から肩甲骨の間の筋トレや体幹トレーニングをしていくことが重要になります。

膝の痛み


前回の記事でお伝えしたとおり、ボートはクローズドスキルのスポーツなので、同じ動作を繰り返しおこないます。同じ練習をしていて膝が痛い選手と痛くない選手がいるということは、膝の痛みを持っている選手は何か、膝を痛めるような要素も持っていると考えることができます。多くの場合は、膝関節の使い方に問題があります。

ボートを漕ぐときのシートの動きはレールに沿った直線的な動きなので、膝関節も、曲げる伸ばすの単純な動きになりますが、ボート選手の膝の痛みの多くは、膝関節を捻じりながら使うことや、使い方のクセによって、スネの骨の太ももの骨にズレてしまうことでおきます。

これらは無意識の動作なので、選手本人も自分が膝を捻って使っているとか、正しく膝を曲げ伸ばししていないことには気づいていません。

筋肉の使い方に片寄りがおきると、膝関節に捻る動きが出てきてしまいます。捻る動きは本来の動きではありません。ストレッチャーを蹴る動作を、何度も繰り返すことは、捻る動きを繰り返すことになり痛みが発生します。足を前後に大きく広げ腰を落とすランジ動作や、階段を登るときにつま先の向きと膝の皿の向きが同じ方向を向いているかを確認してみてください。

もし、つま先が外を向き、膝が内側に向いているようであれば膝を捻じりながら使っていると考えられます。またウエイトトレーニングの際に、スクワットで膝が内側に入ってしまうような使い方をしていないかも確認してみてください。

別の要素としては、ハムストリングスや、太もも前面の柔軟性低下によって膝関節の柔軟性が落ち、スネの骨が前方に引っ張られてしまうことも関係しています。正座をしたときに、太ももの厚みが厚い選手は、ハムストリングスの柔軟性を上げると痛みが和らぎます。

どちらの場合も、膝関節を捻れなく曲げ伸ばしできるようになることが、根本的な改善につながります。




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