腰痛のときに整形外科を受診する意味
私は整体を仕事としているので、整体師という立場から整形外科への受診について私の考えをお話したいと思います。
整形外科受診を勧める理由
腰が痛くなってどうにもならないとき、あなたはどこに助けを求めますか?
整形外科
整骨院
鍼
整体院
私は日々腰痛の患者さんに接していますが、患者さんに話を聞くと、まずは整形外科に行く人が多いようです。
私の整体院の患者さんの場合は、整形外科に行って湿布や痛み止めの処方を受け、並行してリハビリに通って、それでも経過が良くない場合に整体に助けを求めるようです。
整形外科では画像診断をしてもらう
私がメールや電話(対面ではない状況)で「腰痛ですがどうすればいいですか?」と質問を受けたなら、迷わず整形外科の受診を勧めます。
その理由は整形外科では腰痛の原因をレントゲンやMRIなど画像で診断してくれるからです。
詳しくはこの後に解説していきますが、整形外科を受診することは腰の状態を目で見える形にしてくれるので、客観的に腰痛の原因を診断してもらうことに繋がります。
腰痛には「見える腰痛」と「見えない腰痛」がある
腰痛は大きく分けると、見える腰痛と見えない腰痛に分けることができます。
見える腰痛とは
見える腰痛というのは、正式には「特異的腰痛」のことで、腰痛の原因がレントゲンやMRIなど画像で写ることで、目で見て確認することができる腰痛のことです。
内蔵の疾患からの腰痛や、椎間板ヘルニアや脊柱菅狭窄症や背骨にできるガンなどのことです。腰痛全体の15%と言われています。
見えない腰痛とは
見えない腰痛とは「非特異的腰痛」のことで、レントゲンやMRIには異常が写らない腰痛のことです。
具体的には、筋肉や筋膜などレントゲンやMRIでは写らないものが原因となっている腰痛です。
例えば前日にウエイトトレーニングをやって太ももの前が筋肉痛になったとします。筋肉痛はレントゲンやMRIでは写りません。
肩こりで肩に痛みがあるとします。筋肉のコリはレントゲンやMRIでは移りません。
同じように腰まわりの筋肉の使いすぎであったり、コリが痛みを出しているとしたら画像には写らないので原因を特定できない見えない腰痛となります。腰痛全体の85%にあたります。
整形外科では画像検査をしてもらう
整形外科を受診する意味は、レントゲンやMRIで画像検査をしてもらうことにあります。それによって見える腰痛なのか、見えない腰痛なのか判断することができます。
ドクターは診断の結果をわかりやすく説明するために「ヘルニアにはなっていないけれど・・・」とか「腰の隙間が狭くなっていて・・・」と噛み砕いて話をしてくれます。
ただこれだと見える腰痛(特定腰痛)なのか、見えない腰痛(非特定腰痛)なのかがよくわかりません。
こんなときには直接「特定腰痛ですか?それとも非特定腰痛ですか?」と聞いてみるのが良いと思います。
診断できるのは医師法でドクターだけです。
特定腰痛か非特定腰痛か整形外科でしっかり診断してもらいましょう
写ったものが腰の痛みの原因でない場合もあるので注意を
見える腰痛(特定腰痛)と診断してもらったとしても、実は落とし穴があります。特定腰痛だと思ったら非特定腰痛だったということが多々あるのです。
ヘルニアなど特定腰痛と診断されると、腰痛患者は大きなショックを受けます。整形外科ではヘルニアに対して薬を出したりリハビリをしたり、手術をするという治療をおこないます。
ただ、ややこしいのはヘルニアがあっても腰に症状が無い場合があるということです。
どういうことかと言うと・・・
腰痛を持っていない人であってもヘルニア持ちの人がいるということで、そういう人が見えない腰痛(筋肉が原因の腰痛)になったとすると、ヘルニアが腰痛の原因と診断されてしまうのです。