Music Is Rotted One Note
モチーフそのままでは面白くない
ここ数年よく旅行をしている、と思い込んでいたがよく考えると頻繁に旅行しているのはいずれも知っている土地や多少なりとも縁のある場所への再訪再再訪が殆どで純粋に知らない土地には行っていなかった
これはもう旅行ではないし拡張された自分の庭に立ち寄っている、ただの移動ですらない
一方その頃俺は都会と日常で耐え難い離脱を感じ本当の意味で知らない土地への旅行に迫られた
ステートメントはそこまで溜まっていないが遠くに行ってしまう前に一旦このノートを残す
結論北海道の手つかずの自然を目指すわけだが思えばずっと文化や文明に浸りすぎていた…だから行き詰まっている
自身の行動を言語化していく中で外や未知への逃避欲は何かしら答えに掴まっている箇所でコンフォートゾーンに入りすぎていたきらいがあった
自然への侵入は同行者と綿密な計画が必要で面倒だし1個のミスで全部の準備が立ち消えるリスクがある…………だからこそ行く
どんな僻地でも出張を命じられて寂れたホテルに入るととても幸せだった
誰も自分を知らないし外に出たり最低限何もしなくていい、することなんて何もない
面倒で陰気な北限のホテルもさぞ快適だろう
自然そのものの強さや美しさは一切期待していないし、証拠に景観などの参考資料をまだ一切見ていない
見たところで意味がない、本番ではあるものがあるしないものはない
俺はもう文明に疲れた
だから文明からなるべく遠いところへ行く
助けてくれ
最近大竹伸朗をずっと読んでいて全部面白い
作品はあんまり見たことないしピンときてないけどコンセプト等の未知部分への言語化(および留保の仕方)がかなり腹落ちするし興味深い体験を多くしていてページをめくる手が止まらない
本人はもちろん相当エネルギーとモチベーションに溢れているのは間違いないけど制作が身近に感じるような向き合い方を丁寧に書いてあるので制作のハードルが下がって早く家に帰って何か作りたくなる
俺自身はというとこの2-3年貫徹して取り組んでいたことの正しくなさ、理論の欠陥に気づいてしまった
ただこれは悪いことではなくて、不正解が突きつけられたことで正解に近付いている
この行き詰まりは進み続けないと見えなかったものなのは間違いなく、無一物ながら新しい地平に接続した……もののあと2ヶ月で成果物をまっさらに作り直しになったのはかなりマズい
旅行企画時は勿論この直前にこんなに大変なことになるは予期していなくて正直内面と目の前の成果物を放っておいて北海道を旅している場合でないと思う
かなりペースは過熱しているがどうしようもなくて、同時に流れに乗っている時こそ勢いを切ることも大事だと思っている
正直自分では調子がいい状態が好きじゃないし、調子が良かったところで…と思う
今まで人生で何か一つでも計画通り上手くいったことがあるか?と言われると明確に無い
だからこのまま旅行が納得いく形で綺麗に立ち消えたとしてもそれはそれで時間を浪費してあまり成果を残していないと思う
多忙の合間を縫って捻出する制作がいつも効果が大きいのは間違いないし、作ろうとしなくて実際に作らないことは重要に思える
モチーフ通りに描けないことがモチーフ通りに描けることと同じ以上に重要で貴重な様に
大竹伸朗を偶然読んでいた状態で奇しくも結論コラージュに到達し、大竹も北海道で膨大で名も無い時間を過ごした
いま全部歪に調和しているのは間違いなく、納期云々も何とかなると思う
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