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大本山大覚寺 大澤池
今からちょうど10年前の2月、大阪での取材帰りに京都出身のミュージシャン佐藤宣彦さんの薦めで京都嵐山にある大覚寺に寄ってみました。当日は冷たい雨が降り、今では考えられませんが、観光客は皆無の状態で一人の時間を満喫しました。ですが、私は本堂には向かわず雨の中の大澤池に惹かれて庭を散策、多くの時代劇のロケ地になり続ける理由が分かる風情でした。
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◇旧嵯峨御所 大本山大覚寺
真言宗大覚寺派の本山。876年(貞観18年)、嵯峨天皇の離宮嵯峨院を寺院に改め、歴代の天皇や皇族が住持された門跡寺院であり、嵯峨御所として知られ、桃山金碧画の代表的作品/狩野山楽筆の「牡丹図(重文)」や「紅梅図(重文)」などがあります。また平安時代、弘法大師のすすめで疫病退散を願った大覚寺のご始祖である嵯峨天皇が一字三礼の誠をこめ、般若心経を写経浄書、弘法大師は嵯峨院持仏堂の五覚院で五大明王に祈願すると、たちまちのうちに疫病が治まったと伝えられ、このことから嵯峨天皇をはじめ後光厳・後花園・後奈良・正親町・光格の各天皇の宸筆・般若心経は、現在も勅封として大覚寺心経殿に奉安され、60年に一度しかご開封されません。そのため大覚寺は、「般若心経写経」の根本道場として、心経信仰が盛んに行われているそうです。(参考:京都観光Navi)
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◇大澤池
境内の東側に広がる大沢池は、平安時代に唐(現在の中国)の洞庭湖を模して造られた日本最古の林泉式庭園。池畔には桜や楓が約700本程植えられており、平安時代から変わらない風光明媚な風景を今に楽しむことができるとか。また日本三大名月観賞地であることから観月の名所として知られ、中秋の頃には観月の夕べが開催されるそうです。(参考:京都観光Navi)
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大沢池の北側には「瀧の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ」と藤原公任によって詠まれ、百人一首にも選ばれた名勝「名古曽の瀧跡」があります。人工の瀧だったので、水は早くから枯れ、今は石組みだけが残っていました。
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池の周囲を巡っていると、打ち捨てられたような小舟と枯れ蓮が良い感じ、雨だとより歴史が際立ち、歩いているだけで時間を超えた気になりました。
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こんな感じで池の周囲を巡っていると、いつの間にか雨が上がり、少しずつ晴れ間が見えてきました。
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ゆっくりと大澤池を一周したら、立派な大覚寺の五大堂が目に入り、「般若心経」好きの私は、それだけで有り難くとても満足しました。
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そして、最後に大覚寺の庭で観たのは紅い椿、冷たくも心地良い時間を過ごしました。
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「見送りは椿一輪大覚寺」 幸人
撮影機材:NIKON D800 24~120mm
撮影年月:2015年2月27日