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【時間の再編集】仕事の基本のもっと前の基本〜脱落の仕事術〜

本日は時間の使い方について。

時間の記録は基本の手前の基本

経営学の父といわれるP.F.ドラッカーは次のような言葉を残している。

"成果をあげるための第一歩は、実際の時間の使い方を記録することである。"
"成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。時間が何にとられているかを明らかにすることからスタートする。"

P.F.ドラッカー「経営者の条件」

先週、野球殿堂入りしたイチロー氏であるが興味深い話をしている動画を見つけた。

物事には基本があるが、基本の手前の基本というのが存在するというのだ。

武術の達人は、立ち稽古よりも坐り稽古を重視するというが、それはなぜか。

足が使えないという極めて動きが制限された状態でも不意な敵の攻撃にでも対応することができるようにしておくことで、立ち稽古だけに始終するよりもさらに無駄のない動きが習得でき、技に磨きがかかるからだ。

つまり、物事を始める前の態勢づくりという、いわばスタートの前のゼロ歩目というのが存在する。

”只管打坐”で知られる曹洞禅の開祖・道元禅師の主張は明確で坐禅一点である。禅師がそのこと、つまり、スタート前のゼロ歩目の重要性を深く理解していたからであろう。

参考>>私なりの時間の編集方法

ドラッカーはまた次のように述べている。

"時間を記録する、整理する、まとめるの三段階にわたるプロセスが、成果をあげるための時間管理の基本となる。"

P.F.ドラッカー「経営者の条件」

時間配分の再編成といったところか。

ここでは、浅学非才な筆者が自分自身の事例を述べるなど恥ずかしい限りであるが、自分なりの時間の編集方法を示しておく。

時間の記録には、年間、月間とある程度俯瞰して時間の使い方が把握できる工夫が必要になるだろう。

私の場合、以下の画像のように、スケジュールに予定/実績を書き込むようにしている。あらかじめ色で枠を作っておいて、実行されれば塗りつぶす/予定外だったが実行したorやり過ぎてしまったことは斜線で記録するなどして、最終的には1日の記録として何に何分使用したか、おおよそ15分単位(1日が24時間×60分=1,440分、1,440の1%は約15分)で記録している。

ラコニック手帳 「仕事計画」 DIARY2025/Pre.9 A5レフトマンスリー

時間の予実管理といったところで、起床後からのルーティン、朝の思考がスッキリしているうちにするジャーナリング、ブログ・メルマガ・youtubeなど発信、トレーニング、家族との時間、顧客との面談や打ち合わせの時間、事務などの非生産的な間接業務などは色分けして手帳に統計として記録、それから移動時間はGoogleマップのタイムラインの機能、スマホの使用時間などはiphoneのスクリーンタイムの機能を利用しながら現状を把握する。

エクセルのデータに入れたらいいじゃないか?というのもあるが、手書きの方が今の時間の使い方を即時自覚・反省・課題発見ができるような気がするので、利便性よりも身体性を重視して、今はそちらを採用している。

次は、具体的に、時間管理をするために使っている手帳とその変遷。

手帳は月間バーチカル式のシンプルなもの

時間の記録にさまざまな手帳を使用してきたが、やはり、時間の量とその時間の使い方のカテゴリを俯瞰して把握するという意味では月間バーチカル式と呼ばれるものがいいと思う。

とはいえ、月間バーチカル式というのは手帳メーカー各社あまり力を入れていないのか探すのが難しいが、これまではフランクリンプランナーを始め、マンダラ手帳、ほぼ日手帳、それからジャバラ式のロングプラン手帳などを使用してきたが、現在は画像のラコニック手帳 「仕事計画」 DIARY/Pre.9に落ち着いている。

理由はレイアウトがもっともシンプルで、A5のサイズが時間を色分けして記録して俯瞰して把握するにはちょうどいいということ。

手帳を時間の編成という目的に使用する私にとっては必要十分な機能が揃っているから。逆に言うと、過剰な機能がないからという意味でもある。

追加オプションみたいなのでスタイルノート・シリーズで手帳として欲しいオプション機能を必要に応じて追加できるわけで、自分にとって必要な分だけカスタマイズができるのでかさばらなくていいのもいい。

このスタイルノートにもいくつか種類があるが、ハビットチェッカーとしてGantchartを活用している他、

思考ツールとして

などを使用している。(以前使っていたマンダラ手帳の代わりにしている)

自分のライフステージと手帳の仕様

システム手帳の場合、その機能の要不要は、その人のライフステージによって変化してくるもの。つまり、最初は自分にとって最適なものでも、子どもが成長するに連れて靴のサイズが合わなくなるように、手帳もいずれ合わないサイズになってくる。

筆者も稽古事でいわれる守破離のように今に至るまで手帳の使い方にはライフステージがあったと思うし、それまで使ってきた手帳を否定はしていないが、自分の中での役割を終えたという感じのものはある。その変遷も事例としてご紹介しておこう。

守:システム手帳導入期(フランクリンプランナー)2002年〜

今から20年以上前になるが、時間管理の概念を学ぶのにフランクリンプランナーはとても役に立ったと思う。コードバンの分厚い手帳カバーを引っさげていた時期もあった。しかし、その後、スマホでスケジュール管理ができる時代が到来し、また、ミッションステートメントなどを書きこむ各種演習フォームなどもノウハウが理解できるようになると今度はボリュームが多すぎて携帯するのにも気が重たくなるようになった。価値観、目標、計画などは別の紙や別の手帳で代用するなりして卒業した。ただ、今もフランクリンプランナーで学んだことがベースになっているといえる。

破:システム手帳移行期(マンダラ手帳)価値観・目標・計画・検証をマンダラ図というシンプルなレイアウトで把握2015年〜

大谷翔平氏が高校時代に目標設定に使用していたマンダラチャートは有名になりすぎてしまった感があるが、私の場合、2015年から5年間はマンダラ手帳を使用していた。

曼荼羅マンダラはもともと弘法大師・空海が唐より持ち帰った密教の極意を図画を使って分かりやすく表現したものであるが、それを元に思考フォームとして現代風の思考ツール、人生・ビジネス計画に活用できるようにしたものといたっところか。こちらも、価値観、目標、計画などをひと目で把握できるし、フランクリンプランナーに比べてかさばらないという意味で重宝してきた。

離:システム手帳卒業期 必要十分な機能を備え、かつ、自由度の高い仕様

最後はどこに落ち着いたか。

私は、最終的に価値観、目標、計画などを書き留めておくには1枚のA4の紙があれば必要十分だし、スケジュール管理だけなら1年間のスケジュールが一目で分かるジャバラ式で十分と思うようになった。

そこで使ったのがこのロングプラン手帳。

A4の1枚の理念、目標、計画を書いたものとと1枚のジャバラシートによるスケジュール管理が可能となった。持ち運びも超絶ラクである。

手帳は、スケジュール管理のためだけにではなく、軽いメモを取りたいというときに使うこともあると思うが、それは別途、メモのためのノートを持って置くことに。

マルマンのニーモシネのノートパッドは日付・タイトルなどの見出しを書く欄があったり、方眼式だったり、シンプルながら、いやシンプルだからこそとてもよく考えられていると思うし、万円筆など相性もよく配慮が行き届いていると思う。

ジャーナリング用ならハードカバーのブックタイプのものもいいと思う。


そんなこんなで最終的に、時間記録(現状把握)、価値観・目標・計画(方向づけ)といったものを意識し、携帯できるものとして最終的に今、落ち着いているのが半ばにご紹介したラコニック手帳「仕事計画」。

持ち運びという意味でも、スケジュール管理であればA4の紙1枚とジャバラのロングプラン手帳が最適解かと思うが、冒頭のドラッカーを引用したように「時間記録」という概念が加わるとちょっとサイズが小さすぎる。いや、そもそも、私の時間記録のためにジャバラ手帳が作られているわけではないし、そこは文句をつけるつもりはないが、もし、A4サイズであればこちらを採用するかもしれない。

最終的に私の勝手な時間記録のためだとしてもその様式の自由度が高く、メモ帳としても使えて、用途に合わせてスタイルノートで機能を拡張することもできる、いわばオールインワンにしてシンプルイズベストになったのがラコニック手帳 「仕事計画」 DIARY2025/Pre.9 A5レフトマンスリーが今の最適解かと思っている。

時間のバランスシート

お金には損益計算書とか貸借対照表というように、運用の状況や財政状態を把握する考え方があるのに、時間はというと、バランスシートというものが存在しない。(あるかもしれないが)

広辞苑で調べると、貸借対照表の意味は次の通り。

企業会計で、一時点における企業の財政状態を明らかにするために、すべての資産とすべての負債・純資産(資本)とを対照表示した書類。バランス‐シート。財政状態表。

広辞苑 第七版

え?時間という無限の可能性を秘めたものであり、また1秒でも過ぎ去った時間は1兆円出しても買えないほどとんでもない貴重なものにバランスシートがないなんて。。。

バランスシートでも時間の概念は存在するが、あくまで"一時点での"財政状態を表すお金軸のものであってそれ以上でも以下でもない。

世界の時価総額ランキング企業が重厚長大な製造業からIT企業などに移り変わっていて企業でも今や、有形資産よりも無形資産を重視する時代でもあるし、時間を軸にしたバランスシートがあってもおかしくないと思う。

時間の使い方は練習によって改善できる。だがたえず努力をしないかぎり、仕事に流される。したがって次にくる一歩は体系的な時間の管理である。時間を浪費する非生産的な活動を見つけ、排除していくことである。

P.F.ドラッカー「経営者の条件」

ドラッカーの言うように時間を記録し、整理し、まとめるということは最終的には「時間のバランスシート」のようなものが浮かび上がってくるが、それは個々人で作りあげていくしかないだろう。

なにより、人生二度はない。

私たちに与えられた時間は有限であるということが基本の前の基本であるということは、自覚しておきたいものである。

何に時間を使いたいか、は個人の判断によるが、筆者は少なくとも、時間の負債、とりわけ、固定負債を抱えたくないタイプである。

時間の固定負債というのは、いわば自分の裁量で自由に使えない時間といったところか。

まだ、その固定負債がそれが陰ながらであっても誰かの苦痛を和らげ、喜んでいただくために、何かのために有意義な形で使われている分にはいいが、世の中、どのように時間を使うかというのは、よくよく考えていないと、誰かにとって都合よく消費されて、なんなら犯罪にまで巻き込まれるケースさえある。

人生の方向づけに時間の資源配分、最悪と最高を想定して、よりよい時間の使い方を常に心掛けたいものである。




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