周りの人の理解や優しさが何よりの良薬ではないのだろうか#71
こんにちは。わくわくらすです。
とてもショッキングなニュースがありました。
コロナに感染した女性が自殺をしたというニュースです。Twitterでも一時トレンドになるなど多くの人の心に刺さったニュースだったのはでないでしょうか。
また、こんなニュースもありました。
こちらは2020年に自殺をした人が11年ぶりに増加したという記事です。詳細に分析すると男性の数は減ったのに対し、女性と子どもの数が増えているというデータがあるようです。
2020年は有名人の自殺もありました。一説によると、自殺には誘因性があるといいます。亡くなった人が有名であればあるほどその人を崇拝していた人は自殺をしやすくなるそうです。「憧れのあの人と一緒の場所へ行ける」とか「あの人と同じ自分になれる」など。
コロナだけが原因だとは思いませんが、世界的に見て平和であり物が豊かであるはずの日本で自殺者が年間2万人を超えるという事実は衝撃であることに間違いはありません。
私も適応障害となり、休職していた間は何度か自殺願望が芽生えたこともあります。これらのようなニュースを聞くとどうも他人ごとではないという感覚があります。
さて、冒頭に紹介したニュースに戻ります。このニュースを受けて、東京都知事や専門家は、コロナに感染した人に対する心のケアの重要性を論じています。
感染者に対する心のケアが必要不可欠であることは明白です。ですが、そのケアを医療従事者やソーシャルワーカーだけに任せてはいけないと思います。
私の経験を一般化したいわけではありませんが、私が適応障害と診断され心療内科に通院していた時、担当医師とソーシャルワーカーには大変お世話になりました。当時の私には自分の苦しみを吐き出せる相手が必要で、病院に行けば誰もが自分に優しくしてくれて、話を聞いてくれました。
しかし、今思えば病院という場所は極めて閉鎖的な空間だったなと思います。
心療内科には何かしら心身の健康を崩した人たちが来るため、病院の職員もそのように私たちを見ます。ですが、心身の健康を損なった私たちの最終目標は社会復帰であったり、心身の病の完治であったりするため、いずれは開かれた世界に戻らなければなりません。
鳥の宿り木のように、回復するまでは安心できる場所(閉鎖的な空間)にいるのもいいですが、ずっとそこにいても現実は何も変わりません。
東京都知事や専門家が言う「ケア」も大事ですが、心身の体調が回復した時に最もその人をケアしなければならないのは、周りの人たちです。家族や友達、同僚のことです。
私の経験で恐縮ですが、医者や専門家に「ゆっくり休んでね」と言われるより、当時の同僚や家族に「ゆっくり休んでね」と言われた方がホッとしたことを覚えています。
これは、私がいつかそこに戻るということを心のどこかで自覚していたからだと思います。(職場には結局戻れませんでしたが…)
自殺した女性の職場環境や家庭環境がどうであったかはわかりません。ですが、少なくとも私たちは身近な人に感染者が出た場合は、その人が戻ってきやすいように場を整えておく必要があると思います。
できるならいたわりの言葉をかけたいものです。職場や家族に「安心して戻ってきてね」と言われるだけでも感染者の気持ちは変わるのではないでしょうか。
自殺者が1人でも減ることを願ってやみません。
お読みいただきありがとうございました。