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長野県伊那市のがっこうを訪れてみた

ここ数ヶ月、違和感に素直に選択を重ね、魂が震える方へ素直に動いてみることを意識している。そのきっかけとなった長野県を訪れた話からの考察をシェア。

初回は夏休みの実家への帰省時に、たまたま立ち寄ったのが伊那市との出会い。そこで遊びに行った伊那小学校の存在が気になり、9月末、10月半かばに、長野県伊那市を再訪した。おいしいお水、澄んだ空気を体感するのはもちろん、旅の目的は教育県と言われる長野県の学校見学である。

というのも、今や社会問題とも言われている「不登校」についての捉え方や語られ方がいつまでもどこまでも本流が公立校へ登校することであり、その道からドロップアウトすることが問題であるという固定化された概念への疑問。
そして、不登校を切り口としたやりとりでは、個々の経験談や子どもの実情を語ることに留まっていたりと、なんとも本質からズレている気がしてならず、WAKU WAKU GAKKOの在り方も含め、その段階を脱出したく、他の土地をこの目で見てみたくなったからだ。

暮らすように旅する@伊那

何度かの訪問の中で、伊那市の有名な公立校含む4校+フリースクールを見せてもらった。どこもそれぞれの特色があって、興味深かった。

そもそも、私服OK、リュックOK、上履きや体操服も指定は特にないなど、学校へ行く前段階のルールが少ないことからも、自由度の高さにカルチャーショックを受けた。尾道市の学校では、制服、ランドセルをはじめ、筆箱の色、ヘアゴムの色まで指定されているからだ。

また、「はじめにこどもありき」など、信州教育で語られているこども観は温かく、授業のつくり方もおとなの在り方も真剣で創造的。この歴史を積み重ねるには、様々な試行錯誤を重ねてきたことが想像できる。自然との共生を日々体感している人たちが創っている教育。心地よいはずだ。自然保育(信州やまほいく認定制度)やフリースクール(信州型フリースクール認証制度)に関しての行政のサポートも手厚く、今現在尾道で行っている諸々の活動を長野県で行っていたら?と頭をよぎったりする。

いくつかの公立校を短時間で見学させてもらい、こども達は山の中で営まれているフリースクールの土壌が1番のびのびと深呼吸できていたようだけど、普段目にする「学校」や自分たちが通う「GAKKO」とは違う雰囲気を体感できて選択の幅が広がったようだ。

伊那市内の「高遠みんなの楽校」さんのフィールドの一部

色んな立場で語られる「教育」にまつわること。学校はたのしく通える場所として門を開きたいと思っていると仮定したとき、こどもたちを縛る細かなルールやノルマは本当に必要なものなのだろうか。私は決してそうは思わない。こどもに圧力をかけて管理することで生まれている様々な現実に、そろそろ本気で目を向けないのだろうか。

学区のたまたま通った学校が合わない=行きたくない=不登校=問題(親や子側の)とされるが、そんなことは決してない。おもしろい学校、一緒におもしろくする姿勢を許容してくれる学校であれば、こどもたちの学びへの姿勢も在り方も変わってく気がする。

こどもたちにはルールは変えられるものであると感じてほしいし、学ぶことや生きることはとてもおもしろいことであると実感を持ってもらいたい。そのためには、社会や教育観を語る前に、自分から変わることだという結論に至った。

WAKU WAKU GAKKOがはじまった広島県尾道市。この港町にはたくさんの人やものが行き交い、あらゆるユニークなカルチャーが生まれてきた。そこを起点にWAKU WAKU GAKKOをはじめた理由の一つには、ONOMICHI DENIM PROJECTでお世話になった尾道のまちを愛する皆さんや、尾道自由大学で出会った教授陣の皆さんとの繋がりがあったことが大きい。自分たちが培ってきた暮らしと子ども達が育っていく環境を調和させて行くために、たのしく学びながらあらゆる固定概念がゆるみ、まずはおとなから解放されていくきっかけの1つになることを願っている。

岩屋巨石の合間から尾道水道を眺めてみた

(text :  小川香澄 ) 

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