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難病、恋をしてみない
わたしが難病の走りを発症したのは小学生の頃でした。
昔から溶連菌だの扁桃腺だので弱めではありましたが、当然それまでは難病の"な"の字の影も無く健康優良ハツラツ元気女児でした。
少し恥ずかしがり屋だけれど、裸足で外を駆け回るようなガキンチョでした。
しかし病気になり、前述のように顔がパンパンのパンパンモンスターになってしまい自尊心が欠落し自分というものが心底嫌いになりました。
自分を愛せない人間に恋はできるでしょうか?
答えは明確です。
それでも正常に生きる為には飲み続けなければならない薬。心を苦しめます。
副作用から逃げる為に無断でステロイドを捨て、飲まないでいた時期もありました。
無論再燃しました。
一時の気休めにしかならないけれど、何度も繰り返しました。それ程に副作用はわたしにとって苦だったのです。しょうがないとわかっていても、薬のせいだと知らない勢は嫌な目で見てくるわけですからね。
わたしの場合、
数年が経っても結局は年頃♡ですから
様々なイベントを通して当然心揺れ動くような事もありました。
しかしそんな状態、そして春先の大事な始まりの時期に限って体調を崩していたわたしは、クラスのスタートダッシュからも遅れよく孤立していました。
それでも一緒にいてくれたオタク友だち達は今でも財産です。
晴れて成人し更に時が経ち、ステロイドも5mgになってほぼ寛解のような時期もありました。
流石に副作用もだいぶ減り、運動もしていた事から痩せ、化粧も上手く出来るようになり、次第に自信を取り戻していきました。
勤め先で気になる人に出会ったりもします。
しかし 現実がチクチクと刺してきました。
真面目なわたしはつい考えてしまうのです。
もしこの先、仮に良い雰囲気になったとて
難病を持っている事をいつ打ち明けるのか?
これ、指定難病人だったら誰もがぶち当たると思うんです。難病じゃなくてもそうかも知れないけど、体感の重みが全然違うわけで…
あ、まだ付き合ってもいないのに、です。
将来の事を見据えて話すより前、♡の気持ちを受け取ったり打ち明ける際現れるであろう不安たち↓
病気再燃の可能性はいつだってある事
それにより制限される事がある事
場合によっては経済的負担が大きい事
難しい病気と一生闘い続けなくてはいけない事
薬の副作用や病気の後遺症がたくさんある事
☆子どもを産めない事(現状では)
望む場合、薬を一時的に止める必要があり再燃する為リスクが高い
幸運に恵まれたとしても、現状血小板が低すぎて大出血するかもしれない(それって命の危機!)
ステロイドの長期服用のせいで元気で健康に生まれないかもしれない
同じく長期服用のせいで骨が脆く、骨盤がまだ見ぬ生命の重みに耐えられないかもしれない
正に、かもしれない人間の真骨頂です。
仮に打ち明けて、それでもあなたがイイ!なんて言われれば晴れて御の字でしょうが、そこに至るまでにはとんでもないバカでかい覚悟が必要になってくるわけです。まぁ経験したことはないんですけど。
自己肯定感が低いので、好きになった人に自分のせいで負担が増えるってどうなんだろう…と思ってしまう。チャレンジすらしていないので未知の話なんですね。
そこまでの人に出会えていない、出会おうとしていないのかもしれない。
年頃を元気に過ごして素敵な出会いをした後に発症した方とは違い、わたしの場合小学生という恋愛とは何かも知らない時期からの病気なのでわからないのです。そう、わからない。
誰だってわからない事は、怖い。
自分でもどうなるかわからない爆弾を抱えた人間に好意を寄せられる側はどう思うんだろう。
そんな不安ばかり考えすぎてしまって結局独りです。
恋愛を次々とする友だちや出産を既に何度も経験した友だちが周りに増えていき、気軽に遊べる友だちもいなくなったので、より孤独になりました。
地元に戻るってそんなもん。
もう少し歳を取って、最期の最期独りじゃ無ければいいな…と漠然としたイメージはありますが果たしてそれも機会があるのかどうか。
人は一期一会とは言いますが、
今特大の再燃を経験して
改めて病気の不自由さを実感しました。
だからわたしは、恋をしてみない。
(現状)
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