3Dプリンター業界も大変らしいという話
国産の3Dプリンターってごく一部で、主要部品に例えばノズルに日本の大手企業が部品を提供していることはあっても、製品自体は海外で生産されるっていうことがままあります。国産の3Dプリンターメーカー、すくないんですよね。工作機械メーカーでAMに取り組んでいる会社も合わせないと二桁いかないくらい少ない印象(やや大げさにいいました。)
この影響は結構大きくて、業界団体の人が日本で本格的に3Dプリンターが最終部品の製造に使われないのは、まだ未成熟な装置である3Dプリンターを技術者が使いこなす際に、日本人の場合、超真面目に品質を追い込んでいくスタイルだから、海外の装置メーカーが付き合いきれなくなる。すると日本の製造現場の人は困って使いたがらなくなる、みたいな指摘をしていてなるほどなーと思った次第です。
不良原因をなぜなぜなぜと3回も5回も問いかけ、原理をしりカイゼンを使用とすると、それは確かに不良だけど、装置のせいじゃないです。装置はもう手をうちません、と外資の人は言わざるを得なくなります。もうコンマゼロ3ミリとは無理なんで、とかそういう話になります。
さて、するとどうなるか、というと、円安だと装置がすごく高くなるわけです。2年前80万円で買えたものが120万とか150万になります。700万だったものが1400万になっちゃうわけです。
半導体不足、船便の運賃が高騰、ロシアの侵攻で空路も迂回ルートしか使えない、しかも円安。というわけで精密機械を輸入するビジネスはみんな苦しいということでした。
とするとナスダックに上場しているデスクトップメタルの株価が急落していてもそりゃ仕方がないですよね、という気になります。だってコロナと戦争で売りたくても部品がない。世界的なインフレと米ドルの高騰で人件費や生産コストはうなぎのぼり。海外マーケットで売上が立ってもドル換算だと目減りしちゃう。そりゃ株価が80%以上急落しても仕方がないですよね。期待値で上昇していた分もすっとばし、すでに一株一桁ドル台。
Carbonも上場できないうちにリストラするとか、あの会社もこの会社もリストラするとか、まあ大変なんだろうな、と思うわけです。外部要因で足踏みや地固めを強いられている印象なんです。上場している3Dプリンター屋さんたちは、キャッシュで体力が落ちている知財や人材、顧客を抱えている老舗や新興企業をM&Aしています。いま踏ん張れば、その先に成長があるぞってわかって勝負しているんでしょうね。
逆張りに考えると、株をやっている人は買うチャンスかもですよ、きっと。世界を大きく変えるぞーっていう気概がある会社たちが、外部要因で苦境にあるわけなので、直近またドーンと下がる可能性もありますが、数年後にはぐわーっと上がるかもしれません。
暗号通貨ほどは上がらないかもですが、実ビジネスがちゃんとあるし、それなりに期待している人たちはいるので、キャッシュでほかの老舗メーカーを買って技術蓄積をし、知財を獲得している企業たちは、今後伸びる可能性がたくさんあるんじゃないかなと思います。