作者の仕掛けたゲームを「攻略」する「考察」よりもゲームの成立条件を問う「批評」のほうが僕は読みたい(書きたい)という話
今日は僕なりに「批評」というものについて考えてみたい。結論から述べると、僕は「批評」というのは「考察」というゲームを「攻略」することではなくそのゲームの成立条件を問うことだと思う。
たとえば、この夏に公開された宮崎駿の新作『君たちはどう生きるか』はその劇中の「説明」的な描写を省いた描写や、自伝的な内容によってその「読み解き」が大喜利的に展開された。冒頭の母の焼死のシーンの「意味」とは、主人公の少年が党の中でなぜ大魚をさばくのか、そして「大おじさん」の遺そうとしていた積み木の