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「銀行員兼経営者」という異色のキャリア~初年度半期決算を迎えたスタートアップのリアル~

はじめに

この投稿ではじめて私のnoteを見てくださった方へ、はじめまして。
私は合同会社フクノネで代表を務めております和久津と申します。

私は、銀行員9年目、弊社立上げ7ヶ月目、福祉法人理事2ヶ月目の3足の草鞋を履いてもがく31歳です。

私がどうしてこうしたキャリアなったのか、という経緯はここでは割愛しますが、以下投稿、もしくは続く記事をお読み頂ければ幸いです。

今回は「わたしのキャリア」というテーマですが、弊社が4月末で初年度半期決算を迎えましたので、実際起業した人のリアルをお届けできればと思い今この投稿を記しております。
将来起業したい方へ、厳しさと楽しさ、どちらも伝われば幸いです。

スタートアップの表と裏

まず、私は表向きは「現役銀行員が経営者へ」「スタートアップとして華々しく福祉業界へ」といった感じで周りの方々に賞賛頂いたり、まだ数は少ないですが業界メディアで取り上げて頂きました。

私自身としても、理想は非常に高く、業界にないサービスをお届けすることで業界の課題を解決できる、と本気で信じていますし、手前味噌ですがお客様からも「画期的」「こんなサービスは他に無いからありがたい」とのお声も実際に頂いております。

ここからが今回の本題です。
一方、半期決算を迎え業績はどうなの?というと、事業計画通りいかない現状もあります。今まで銀行員として数々の事業計画を見てきましたが、計画通りに売上を伸ばすことがどれだけ難しいことか、というのも感じています(費用を抑えることは努力である程度頑張れますので、以前に比べ異常にケチになったと思います)。

そもそも、現状の規模であれば、金銭的な側面だけ考えるとわざわざ会社を設立する必要はありません。ただ世の中というのは「信用・信頼」で成り立っている側面が大きく(銀行では嫌というほど聞かされた言葉ですが、本当でした)、会社とのやり取りではないと色々と不便が生じてきます。「会社を作る」というのはそういった意味でやむなしな手段となる場合があります。

更に立上げ1年目ですので、勿論自身の報酬はゼロです。

スタートアップの厳しさ

起業して特に厳しさを感じるのが、新規顧客獲得です。

対個人への営業活動は、弊社は無形サービスの為Google広告やSNSを活用していますが、Google広告は平均コンバージョン率1%といわれている世界です。
例えば1クリック100円だとして、1万円かけて100クリック、そこからの1%なので問合せが1件来る、という確率ですので、もはや広告費をどれだけかけれるかの勝負になります(スタートアップ泣かせ)。
もし問合せ頂いた方が全員申込して下さったとしても、これで客単価獲得費が1万円です。
毎月湯水のように支出していく、広告というのは必要ですが怖いものです。いわずもがなですが、SNSで集客というのも簡単ではありません。でなければあれだけSNS広告の本やSNS広告屋が萬栄することはありませんよね。

更に難しいのが対法人の営業活動です。まず人が会ってくれません。メールもチラシも無反応です。私には長らく福祉業界で経営者として頑張っている父がいるのでまだマシですが、実績のない「ただの新参者」への風当たりは想像以上に厳しいです。
「人脈」という言葉は嫌いですが、色んな成功者の方が素晴らしいことを話すセミナー等で「最初はどのように顧客獲得したのですか?」と質問すると、大体皆さん「人づて、紹介」と仰います。勿論、飛びぬけた才能や技術力でそれを凌駕する場合は稀にあるのでしょうが、私と同じ一般人のあなたにはこうした現実も知って頂きたいです。

スタートアップの楽しさ

これまで色々と厳しい現実を書いてきましたが、結論今のキャリアに後悔は全くありません。それはここから記載する「楽しさ」の為です。

まず、PDCAをすべて「自分」でできることです。
考え、実践し、修正し、また実践し、毎日頭が休まることはありませんが、
根元から枝葉迄すべてに関わることは大企業勤めではできないことですし、
それを決定し実行することは自営業ならではの魅力です。

更に、それが認められた時の喜びです。
自分の「想い」が人に伝わる。それは例えるなら愛の告白を受け入れられたような感覚です。
それは志高く理想を追い求めた先にしかないものです。

最後に、人との繋がりの実感です。
今まで「自分」を強調してきましたが、「自分」を強く感じることで、「他人」のありがたみを更に感じます。
現在弊社では、弊社理念「福祉の根を広げ、インクルーシブ社会を実現する」ことに共感してくださった複数名のボランティアの方々が弊社活動を共に進めてくれています。
お客様は勿論、こうした周りの方々がいてこその「自分」であることは、本気で悩みもがく中で気づいたことです。

最後に

一応今回「キャリア」がテーマですので、銀行員として多種多様な業種業界のお客様とお会いする中で、私が常々思ってきたことをお伝えして結びとしようと思います。

それは「この世の中には色々な方法で生きている人がいる」ということです。

会社員としてのキャリア、自営業としてのキャリア、それ以外にも私自身タイミングが違えば色々なキャリアを歩んでいた可能性があります。

今も仕事柄、起業したい方、福祉業界へ参入したい方からご相談を頂きます。一人でも多く、そういった方の挑戦を後押し出来たら嬉しいです。





#わたしのキャリア

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