#11 幸福と「自分」、そして豊かさの関連性
幸福度ランキング上位から、Finland, Denmark, Iceland, Israel, Netherlands, Sweden, Norway, Switzerland, Luxembourg, New Zealand となっており北欧の国々が存在感を際立たせている。
因みに日本は47位。
昨晩、知り合いと飲んでいて興味深い話しを聞いた。
それは幸福度のランキングで上位を占める国々で、自殺が死因として依然多い。
その理由が制度による生活の保障が充実した結果、一人で生きていける道筋が社会的に十二分に用意されてしまい、人とのつながることなく日々を過ごせることになってしまい、寧ろ孤独が募ってしまい精神的にどこかまいってしまう人が多いからだそうだ。
日本の10代〜30代に占める死因の第一位は自殺。
物質的には相当豊かな時代になりながらも、自ら生きない選択を下す人がたくさんいる。
そんなことになるのはなぜなんだろう。
ここからは、あくまでもなんの根拠もない私見だけれども、僕らは「自分」というのが何であるのかわからなくなってしまっているのではないかと思う。
「自分」とは何か?
それは一生涯かけてもわかるようなものではないかもしれない。
それでも、そこを問い続けることはとても大事だと僕は思っている。
大事どころかそれ以外やりたいことは、ほとんどないかもしれないくらいに捉えている。
さて、「自分」とは一体なんであろうか。
あなたは何を「自分」だと思っているだろうか。
この性格なのか、この身体なのか、それとも他人にはなかなか理解されないこの心のことなのか。
短い人生ながら何を「自分」と思うかで、世界の見え方はまるで違って見える経験をしてきた。
少なくとも僕自身は、今、過去とはまるで違う次元の世界を生きている。
「自分」とは何か。
そこを突き詰めると自殺とは、極めて不思議な現象に感じられる。
肉体的には自分と他人という明らかな違いがある。
しかし、かくも違う他人が居なければ自分自身が何者であるかわかることは極めて困難であり、自分を知るために他人がいるという、その点において自分と他人は常につながりあっている。
孤独というのも、実のところその中身は何を指しているのだろうか。
北欧においても日本においても、肉体的な側面の「自分」の生存に必要な社会保障は充実の一途を辿っている。 経済的な支援などはまさにそうだろう。金銭面の支援、すなわち金銭によって食料や生活に必要なサービスを受けられるようにする。
仮に人が肉体的な存在でしかないとすると、肉体の存続に必要な支援をすれば、自ら肉体を捨てることなど起こり得ないだろう。
しかし、人は肉体だけの存在ではないからこそ、いくら物質的な側面の保障や支援が充実しても心の面の充足が無ければ、生きる意味を人は容易に失ってしまうのではないだろうか。
「人」という生き物にとっての幸せとは、一体なんなのか。
物質的な豊かさがかなりの程度満たされてきて、ようやく「人」の幸福は物質面のみではないことが明らかになってきているのではないだろうか。
精神的な充足。それは一体なんなのか。
これからはそこに焦点が当たる時代がやってくる予感がする。