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なりたかった自分

今72歳。障がい者施設で生活介護パートをしている。週4日1日4時間の勤務。12時過ぎに勤務を始める。まず食堂。利用者さんが入ってくる。就労支援の人たちで普段はなかなか接することがない。入室時に手の消毒をし、それぞれが終わったら机と椅子の消毒。机の間をウロウロしながら、おしゃべりをする。「昨日晩御飯なにやってんで。」「この服どこそこで買ったんやで。」「見て、ここ怪我したんやで。」この時に接触しないと全く触れ合うことがないから、一杯会話。時間がくると生活介護の部屋に。ひとりの車椅子の方は、頭突きや拳パンチでニコニコして攻撃してくる。もうひとりの車椅子の方は、膝のツボを押せ、脚をグッと押し込めと甘えてくる。新しく入った青年はことあるごとに手を差し出して触ってくれとジェスチャー。帰りの時間帯になると私を椅子に座らせ膝の上に座り顔を擦り寄せてくる。どんな顔してますと支援の方に尋ねると「目をつぶって寝てますよ」と教えてくれた。ここでパートを初めて3年目。仲良くしてもらってるなあと思う。今までの人生で誇らしいこともあったし情け無いこともあった。その時にはその時のなりたい自分があった。
でも、これが「なりたかった自分」と思ってもいいように、今は思えている。

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