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共通テストに関するあれこれ(2)

(1)に引き続き、実際の共通テストの対策について書いておきたいと思う。今回は全体を通した考え方についてだけど、例外的に1つの特定分野についても触れる。

二次力をつける

センター試験からそうなのだが、誘導があるとは言え問題の本質的な難易度はかなり高い。結局あなたは数学の基礎力がちゃんと身についているんですか?ということをなるべくストレートに問うことを意識していることが客観的にも伝わってくるし、ちゃんとした基礎力をつけることが数学では一番難しいことだし。そういう狙いがあるなら必然的にそうなる。そして、いわゆる難関大学と言われるところの二次試験も一貫してそれを意識して作られている。つまり、作り手の意図が同じなのだ。

そういう試験に太刀打ちしたいのなら、必要になるのは二次力であることは明らかだろう。大事なことなので二度でも三度でも言うけど、共通テストに必要なのは二次力だ。二次試験が必要ない人も、高得点が欲しいならば二次試験の問題で訓練すべきだし、大げさに言えば「共通テスト対策」は12月まで不要だ。二次試験を意識して深い考え方を身につけた人にのみ、共通テスト8割以上への道が開かれると思う。逆に全国平均点くらいで十分なら穴埋めに特化した練習でも何とかなるかも知れないけれど。

特に苦手な受験生にとって厄介だと書いた理由はここにある。元々数学が好きで放っておいても問題を解き続ける人は、気がつけば共通テストの成績も勝手に伸びる。

計算の前に大局観

穴埋めだから結果がすべて、計算ミスは命取り。これはその通りだ。しかし、だからと言って目の前の計算にしか目が行かないのは困る。例えばある関数の最大値と最小値を求め、最大値より最小値の方が大きくなっても誤りに気づかない。これは全体像が掴めていないからだ。

センター試験末期から少しずつ意識され、共通テストになって本格化したことのひとつに「定量よりも定性」という特徴がある。最大値を求めなくても、元の関数の特性を考えれば最大値が10以上なのは当たり前だよね、だってf(1)=10なんだもん、という感じ。つまり「大雑把に様子を掴む」ということだ。実際の数学では大切な視点だし、何よりこの聞き方をすれば偶発的な計算ミスで取れる点数をみすみす落とすリスクがかなり軽減される。

そしてこういう力も、従来のセンター試験対策だけで身につけるのはまず無理だろう。二次力としても要求レベルはかなり上だ。二次に対応する力はこういった視点からも大事。

データの分析を得点源にする

2015年度に数学IAでデータの分析が必須となってしばらく経った。言えることは、「やっぱり難しいものは作れないねえ」ということだ。たとえて言えば、本気でルウや香辛料にこだわったカレーライスを作ってほしいんだけど高校ではご飯の炊き方、いやそれ以前の「米の研ぎ方」までしか教えられていないので、どうやってもそこしかテストに出せないということが起こっている。

用語の定義を覚えた上で過去問をいくつか解いておけば足りる。意識して理解しておきたいのは「データの変換による平均値・分散・共分散・標準偏差の変化」だけで、他はほとんど「常識」の範囲内でわかるものしかない。

ここはうっかり後回しにしたまま対策を忘れていて頭を抱えることもあるようで、早いうちに終わらせておきたい。夏休みの間に1~3日くらいで終わらせてしまえば、あとは直前に確認する程度でよい。

まとめ

高得点が必要ならとにかく二次力。

共通テストでも確固たる土台がモノを言うということを忘れずに、慌てず騒がずじっくりやるべし。でもその前にデータの分析はさっさと片付けて。

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